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概要
慢性腎不全のために透析療法を必要とする患者さんは年々増加しており、2008年12月末の全国集計で28万人を超えました。新たに透析導入となる患者さんの平均年齢は67.2歳と高齢化し、慢性腎不全の原因となった病気は糖尿病が43%、腎硬化症が10%であり、生活習慣病が50%以上を占めています。このような患者さんは透析導入期に高率に脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの心血管病を持っておられますが、当院人工透析センターでは、各専門科との緊密な連携によって病状に即した適切で安全な透析導入を行っています。当院で外来透析を受けておられる患者さんの数は透析ベッドの都合で制限がありますが、至適透析に努めるとともに、心血管合併症や長期透析にかかわる合併症に対して的確な診断と治療・管理を心がけています。また、全病院的な協力体制によってICU・CCU・NCUにおける急性期重症患者さんの持続血液浄化療法や血液治療センターにおける難治性ネフローゼ症候群や血管炎患者さんの血漿交換療法、各種吸着療法など質の高い集学的治療を行っています。診療圏は、倉敷市およびその周辺地域が大部分ですが、急性あるいは合併症を有する腎不全に関しては、岡山県全域、広島県東部、四国など広範な地域にわたっています。
腎臓内科が関与している血液浄化療法は以下の5つで、人工透析センターにおいては1,3,4を行います。
- 慢性腎不全に対する維持血液透析療法
- 持続携行式腹膜透析療法(CAPD)
- 急性腎不全や薬物中毒に対する透析療法
- 造影検査や手術などに関連して発生する急性腎不全に対する透析療法
- 腎臓病や薬物中毒に対する吸着療法
維持透析を受けておられる患者さんで最も透析歴の長い方は37年目を迎えておられます。透析歴の長期化および患者さんの高齢化とともに増加している全身合併症に対しても、早期から適切な治療を他科の協力のもとに行っています。CAPDは、腎機能がある程度残っている患者さんに対して、一般に血液透析に先んじて選択される治療法ですが、とくに心臓機能が悪い患者さんや内シャント造設が困難な場合に適しています。急速進行性糸球体腎炎、血管炎、薬剤などによる急性腎不全に対しても必要に応じて血液透析を行います。また、造影剤検査、とくにカテーテル検査後に造影剤の残留や腎障害をきたした場合に一時的な血液透析を行っています。吸着療法には難治性ネフローゼ症候群に対するLDL吸着、敗血症性ショックに対するエンドトキシン吸着、急性薬物中毒に対する活性炭による吸着などがあり、血液治療センターおよびICUで行います。
診療内容
血液透析ベッド数は41床で、透析患者さんの数は2009年3月末現在140人(当院での維持透析111人)、CAPD25人です。昨年1年間に当院で新たに血液透析を行った患者さんは347人で、このなかで新規導入は99人、他院より検査・治療目的で紹介された維持透析中の患者さんは248人で、ほかにカテーテル検査後の造影剤除去は51人でした。透析ベッド数の制約のため外来維持透析を行っている患者さんの数はほぼ不変ですが、心血管病による緊急あるいは待機入院をはじめとして、急性期基幹病院としての専門的治療を目的に紹介される透析患者さんの数は増加しています。透析管理は医師、看護師、臨床工学技士、薬剤師、栄養士による協力体制のもとに行われており、チームとして透析患者さんのQOLの向上、透析技術の改良と適正化、長期合併症への対応、栄養状態の評価と対策などの諸問題に真剣に取り組み、快適で質の高い透析医療を提供することに努めています。
その他
- 施設認定
- 日本透析医学会専門医制度認定施設
- 日本腎臓財団透析療法従事職員研修実習指定施設
- 日本腎臓学会腎臓専門医制度研修施設
- 勉強会
毎週木曜日夕方の透析カンファレンスで、医師、看護師、臨床工学技士、薬剤師、栄養士が、一週間の新規透析患者さんおよび維持透析患者さんの種々の問題点とその対策について検討しています。
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