高度医療の紹介 - 脳血管内治療
01脳血管内治療とは

引用:脳神経外科疾患情報ページ 脳血管内治療
http://square.umin.ac.jp/neuroinf/cure/005.html
脳血管内治療(あるいは手術)とは、脳や頚部の血管の異常に対して、皮膚を切ったり、頭を開いたりすることなく、血管の内部から治療を行う方法です。
脳血管撮影という検査方法から発展した治療方法で、カテーテルと呼ばれる管を、からだの表面に近く太い血管(足の付け根や肘の内側など)から挿入し、大動脈を経由して頭蓋内血管や頚部の血管まで進めて、レントゲン透視下に血管内部から治療を行うものです。この方法によって、従来の治療法や開頭手術では治療困難であったさまざまな疾患が、治療可能となってきました。
日本では、1983年に日本脳神経血管内治療学会が創設され、専門医認定制度が実施されるようになった2000年以降、脳血管内治療は飛躍的に発展し、現在までに専門医684名(平成24年4月1日)が認定されています。
当院でも平成24年5月現在、3名の専門医が在籍しており、外科的手術と同様に、脳血管内治療についても、24時間対応可能な体制を整えています。
02脳血管内治療の対象となる主な疾患と治療法
さまざまな疾患が治療の対象となっていますが、代表的な治療をあげておきます。
(1)出血予防のための治療
金属性コイルや接着剤を使用して病変部を閉塞し、出血を防ぎます。 主として、くも膜下出血や脳出血の原因となる脳動脈瘤、脳血管奇形に対して行います。

引用:脳神経外科疾患情報ページ 脳血管内治療 http://square.umin.ac.jp/neuroinf/cure/005.html
(2)血流改善のための治療

引用:Johnson&Johnson MEDICAL 日本における脳疾患と頸動脈狭窄症
http://www.jnj.co.jp/jjmkk/press/2010/0427/index.html
薬剤やステント、バルーンといった器具を使用し、狭くなった血管を拡張したり、閉塞した血管を再開通させたりします。主として脳梗塞の原因となる脳血管や頚部の血管閉塞や狭窄に対して行います。
また、2010年以降、急性期脳梗塞(脳血栓)に対して、脳血管を閉塞させている血栓をからめとる器具や砕いて吸引する器具など、相次いで保険適用となった現時点で最新の治療法も行っています。
03脳血管内治療の利点
一般的に、
- 皮膚切開や開頭を行わないので、低侵襲である。
- 血管内からの治療であるため、周辺組織への影響が少ない。
- 外科的手術に比べて、短時間での施行が可能である。
- 局所麻酔での施行が可能である(病変部位や状態により全身麻酔を施行する場合もあります)。
などが、利点としてあげられますが、必ずしもそうでない場合があり、当院では血管内治療か外科的手術か、当科スタッフで充分に話し合って、患者さんに最適な治療方法を選択するようにしています。
04最後に
脳血管内治療は、まだまだ発展の余地が多い、現段階では特殊な治療法であり、どの病院の脳神経外科でも可能な治療とは言えません。また、より安全で、新しい治療法や治療材料の開発が頻繁に行われています。当科では、最先端の治療法をより速やかに導入するように努めています。脳血管内治療についての最新の情報がお知りになりたい場合は、遠慮なく当院脳神経外科・脳卒中科までお問い合わせください。