人間ドックでは、検査成績表をその項目毎に下記のような基準で判定、表示しています。その意味を正しく理解して、今後の健康管理にお役立て下さい。
 
判定基準
異常なし
  異常なしという判断ですが、一回の健診結果をいつまでも信じることは危険です。人間ドックは現在の健康度の判定であって、必ずしも将来の健康を保障するものではありません。定期的に健診を繰り返すことが必要です。
 
わずかの異常を認めますが、日常生活に差し支えありません。
  (自覚症状など変化があるときには精査を受けて下さい)
基準範囲(いわゆる正常値)より少しはずれ「わずかの異常」とさせていただきましたが、心配ないと考えます。ただし、生活習慣の見直しはしていただきたいと思います。
 
異常を認めますので生活習慣の注意と経過観察が必要です。
  (指示された時期に、又は適当な間隔で再検査を受けて下さい)
ある程度の異常を認めるもので、生活習慣に注意して再検査、経過観察が必要と考えられる場合です。1ヶ月後ないし、1年後までの適当な、指示された時期に再検査を受けていただきたいと思います。
高血圧や糖尿病または高脂血症などの生活習慣病はほとんどが症状が出できませんので、ついつい忘れがちになることが多いですが、ぜひ、近くのかかりつけの先生での再検査、経過観察を受けていただきたいと思います。
 
D1 治療が必要です。
 

(治療が必要と思われる異常を認めます。かかりつけの先生でご相談下さい)
ただちに治療を要する異常があると考えられる場合です。しかし、一時的な異常でこのように判定される場合もあります。(逆に病気がありましても治療中で異常とされない場合もあります。)
やはりかかりつけの先生で相談して下さい。
 

D2 精密検査が必要です。
  (精密検査を受けて治療の要否、今後の方針などを決めてもらって下さい)
さらに詳しい精密検査が必要であると考えられる場合で、本当に病気があるかどうか、あるいは病気があるとしたらその程度や、今後の治療方針を決めていただく必要があると考えられるものです。
 
治療を続けて下さい。
  (現在治療中の病気については主治医の先生の指示に従って下さい)
治療中と申告していただいたものです。すべての病気を網羅できておりませんが、治療は続けていただきたいと思います。

 

肥満度
   あなたの身長における標準体重と比べて、あなたがどのくらい太っているか、やせているかをBMI法で表しています。(BMI=体重s/(身長m)2
 BMI25以上の方を肥満、35以上の方を高度肥満とし、体重減少を心がけるようすすめております。また、体脂肪率にも注目していただきたいと思います。肥満は高血圧、心臓病、糖尿病、動脈硬化症、高脂血症、痛風など多くの成人病を悪化させます。そしてこのBMIが25以上、または腹囲で男性85cm以上、女性90cm以上が特定健診の対象になりますメタボリックシンドロームの基準になります。腹囲のほうがより重視されます。この異常を指摘された方はまず、この範囲内をめざして下さい。この範囲内ですと、血圧、脂質、糖代謝に異常がありましてもメタボとはされません。勿論それぞれについての注意、対策は必要ですが。
 
血圧
   収縮期140oHg、拡張期90oHgのどちらか、または両方が異常のときを高血圧としますが、この血圧は測定するときの条件により変化します。何度か測っていつも高いようでしたら治療を受けていただきたいと思います。最近は、高齢者の方では治療目標を140/90oHgとしますが、中年以下は130/85oHg未満、また、糖尿病や心筋梗塞後の方、CKD(慢性腎臓病)の方では、130/80oHg未満を目指すことになっています。したがって特定健診では130/85oHg以上の方には注意信号がつきます。
 
心電図
   心電図は心臓肥大の有無、不整脈の診断などとともに、狭心症や心筋梗塞の判定に重要です。しかし、狭心症のときにも安静時の心電図では異常の出ないこともあり、疑わしい場合には運動を負荷して心電図の変化をみます。したがって、異常なしの場合でも、胸痛や動悸などの心臓の症状がある場合には精査をおすすめします。
 
胸部・上部消化管X線
   陳旧性または瘢痕とされた場合は普通は心配ありませんが、X線検査ではすでに治っているのか、まだ活動性があるのか判定しにくいこともあります。精密検査が必要とされた場合には、是非指示に従って胸部CTや胃内視鏡検査を受けていただきたいと思います。
 
腹部超音波検査
   肝や腎の「のう胞」はよくみられるもので心配ありませんが、胆石や肝血管腫などは、はじめて指摘された場合には一度は精査が望まれます。また、膵臓は消化管のガスで見えないことが多いもので(描出不良)、特に急激な体重減少などで膵の異常が強く疑われる場合はCTやMRIの検査が必要です。
 
肝機能、尿酸、総コレステロール
   生化学検査のうち総蛋白、アルブミンおよびA/G比は栄養状態の指標にもなる項目ですが、これらを含めてAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどを肝機能検査といいます。
 アルコール性肝障害の場合にはγ-GTPの異常高値がよくみられます。また、お酒をよく飲まれる方や、肥満の方では、肝臓に脂肪がたまって脂肪肝となり、AST(GOT)、ALT(GPT)の軽度の上昇がみられることがあります。異常を指摘されたときには、いろんな場合がありますので、心配しすぎも困りますが放置するのも勿論よくありません。指示に従って再検、精査を受けて下さい。
 血液中の尿酸値が高くなると痛風になる危険性が大きくなります。高尿酸血症は動脈硬化を促進する因子とも考えられており、関節の痛みなどがなくても注意が必要です。悪玉のLDLコレステロールの高値、中性脂肪の高値およびHDLコレステロールの低値は心血管系の動脈硬化と関係します。コレステロールが高い場合には卵黄や動物性脂肪の制限、食物繊維の摂取が、また、高中性脂肪血症には糖質やお酒の制限、体重のコントロールが望まれます。さらに、善玉のHDLコレステロールの低下にはタバコ、肥満、運動不足などが関係するとされています。ご注意下さい。最近は高脂血症という病名が脂質異常症と呼ばれることになりました。総コレステロールを重視せず、LDLコレステロールを中心に治療を考えてゆくことになりますが、特定健診の基準はHDLコレステロールと中性脂肪が採用されています。3つとも重要と考えて下さい。また動脈硬化を促進する因子として糖尿病もあげられます。空腹時血糖が126r/?以上になると糖尿病と診断されます。ヘモグロビンA1cとあわせて見ていただき、高ければ食事や運動の注意と経過観察が必要になります。この空腹時血糖もヘモグロビンA1cも特定健診の判定項目となり、以前より厳しい基準となりました。なるべく早期から注意して病気になることを防ぐためです。
 
尿検査
   尿蛋白と尿沈渣、また尿潜血反応を参考にして腎・尿路系の異常を検討します。尿潜血反応は尿沈渣の中の赤血球による反応で、尿路結石や腫瘍あるいは腎炎などで尿中に出血のあるときに陽性となります。この反応は非常に鋭敏な反応ですので、軽度の陽性でも尿沈渣の赤血球が多くなければ心配ありません。
 尿糖(+)は糖尿病を疑って、血糖検査やブドウ糖負荷試験をする必要があります。
 
便検査
   便では血液が混じっていないかをみる潜血反応をしています。最近、我が国でも大腸癌が増えており、本来はドックでも全員の方に注腸X線や内視鏡による大腸検査を受けていただきたいのですが現状では無理です。そこで、現在は便潜血が陽性の方のみ精査をお勧めしております。しかし、便潜血陰性でも大腸癌のことがありますので、腹痛や便通異常などの症状のある方は大腸精査も考えていただきたいと思います。

 


糖尿病かどうかわかる!
インスリンが不足したり、その働きが悪くなると高くなります。放っておくと知らないうちに、全身の血管が痛んできます
 

動脈硬化をふせぐ善玉役!
動脈硬化を防ぐ役目を持っているので、高いほうがGOOD。低いと動脈硬化が進行しやすくなります。
 
1、2ヶ月の血糖がわかる!
過去1〜2ヶ月の血糖の平均値を反映します。糖尿病で高くなります。
 

動脈硬化、肥満、糖尿病では高い!
高くなると動脈硬化を促進し、高脂血症や脂肪肝などの原因になります。

肝臓のSOSを探知する!
肝臓が炎症を起こすと、血液中に漏れ出てきます。急性肝炎または慢性肝炎が悪化した時には、急上昇します。
 
 
B型肝炎ウイルスの検査です!
HBs抗原が陽性であれば、現在B型肝炎ウイルス(HBV)に感染していることを示します。

飲酒による肝臓病を見逃さない!
アルコールの飲みすぎが原因で肝臓に異常が起こると、血液中に急増します。閉塞性黄疸でも上昇します。
 
C型肝炎ウイルスの検査です!
C型肝炎を診断したり、治療の経過をみます。過去にC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したことがあったり、現在感染していると陽性になります。
 

痛風を見つけ出す!
尿酸が増えると、その結晶が足の拇指のつけ根や足首の関節などに溜って、激痛を起こすことも。これが痛風。腎臓に溜ると結石の原因にもなります。
 
細菌に感染したり炎症で上昇!
身体を細菌やウイルスから守る働きがあります。
 
 
減少すると血が止まりにくくなる!
出血した時に血を止める働きをしています。
 

腎臓の故障がわかる!
腎臓から排出される老廃物です。腎臓の働きが悪くなると尿への排泄量が減り、血液中に増えてきます。高いと腎炎など腎臓の病気が疑われます。
 
 
貧血の診断に欠かせない!
酸素を体中の組織に運び、二酸化炭素を運び出す働きをしています。

細菌感染などで高くなる!
炎症性の病気で高くなります。スクリーニング、経過観察に有用である。健康でもタバコで上昇します。
 
 
貧血の診断に欠かせない!
血液中に占める赤血球の割合をパーセント(%)で表わしたものです。

動脈硬化を進行させる張本人!
増えすぎると動脈硬化の原因になったり、心臓病や脳卒中を起こしやすくなります。
 
貧血の診断に欠かせない!
赤血球中の大部分がヘモグロビンで、鉄を含み酸素を身体のすみずみに運びます。
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