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 研修体験記(ジュニアレジデント)

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呼吸器外科−ジュニアレジデント2年次 板谷喜朗

2005.8.1

ボトルシップというものをご存知でしょうか。ワインやウイスキーの空き瓶の中に、瓶の内腔ぎりぎり一杯の大きさの、精巧緻密な帆船の木製模型が入っているオブジェのことです。製作するに当たっては、狭い瓶の口から、専用の細長い小道具を使って木片を瓶の中に入れ、その中でひとつひとつパーツを組み立ててゆきます。元々のボトルシップの起源をたどると、200年位前、長い航海のつれづれに、船の中で手に入る材料を使い、様々な細工物を飲み干した酒瓶に入れたのが始まりといわれています。器用な海の男が、航海中の莫大な時間を費やして作った瓶の中の芸術品なのです。

VATS(video assisted thoracic surgery)というものをご存知でしょうか。当院呼吸器外科で行われている手術の3/4がVATSです。手術に当たっては側胸部に約5cmの皮切を開け開胸し、さらに胸腔鏡を入れるポート孔を2か所開けます。そして外科医は指1、2本がようやく入る開胸部から専用の器具をいれ、胸腔鏡の灯りをたよりに鏡視下、目視下に手術を進めてゆきます。

すべての手術に共通して言えることではあるのですが、視野の狭いこの手術には高い技術と集中力が必要とされます。必然的に手術時間も長くなります。それでもなお、呼吸器外科医は胸腔鏡手術を行います。術後の患者さんの負担を少しでも軽減し、1日でも早く回復することを願って。

VATS、それはまさにボトルシップさながらの、呼吸器外科医たちの熱意と情熱、時間と労力、高度な技術が集約された胸腔内の芸術作品なのです。

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