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 脳神経外科のご紹介

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概要

急性期病院の脳神経外科における診療内容においてはその7−8割が脳卒中診療といえます。このため診療の中心は脳卒中となりますが、近年の脳卒中の診療は従来の考え方から大きく変貌を遂げています。特に急性期における診断と治療はその予後に大きな影響を与えることが明らかとなりました。一方、治療の内容が単に内科的・外科的といったものを超えて、より複雑・多岐にわたるようになり、迅速かつ的確な診断に基づく最良の治療が要求されるようになってきています。

このような状況に対応するために、脳卒中の患者さんを内科・外科の枠を取り払って総合的に診療を行うため、脳卒中に携わる神経内科医・脳神経外科医の協力を得て、2005年4月より、脳卒中科を本格的に稼動させました。これにより内科的および外科的治療を要するあらゆる脳卒中の患者さんを何時でも受け入れ、適切な脳卒中診療が可能となりました。同時に、脳卒中専属の当直・当番医を24時間体制で配置し、救急隊との間にも脳卒中ホットラインを設けました。

主任部長 山形 専

脳腫瘍の診療においては放射線治療医や化学療法専門医との協力の下、最新の設備機器を用いての集学的治療を行っております。また頭部外傷に対しても、脳神経外科医の当直により24時間対応でいつでも緊急手術に対応できる体制をとっております。

以上のような体制の下、脳梗塞に対する超急性期血行再建治療(t-PA治療など)、くも膜下出血に対する緊急治療や脳槽潅流療法、脳腫瘍に対する最新の放射線および化学療法、頭部外傷に対する低体温療法など重症患者さんに対する最先端の治療を実施できる脳神経(脳卒中)集中治療室(NCU・SCU)を充実させております。

また、当院は教育研修病院として高い評価を得て、全国から優秀なレジデントが集まってきており、当科においても毎年、2−3名のシニアレジデントを受け入れております。これら若い脳神経外科/脳卒中医を育てる環境の整備・改善を行っており、その一環として動物モデルを用いての顕微鏡下手術のトレーニングSystemを完備しております。


診療内容

脳神経外科/脳卒中科の入院病床は一般病床70床、これに脳神経(脳卒中)集中治療室(NCU・SCU)14で、年間約1,500名の入院患者さんを受け入れております。平均在院日数は約18日です。 2005年の4月に脳卒中科を開設後入院患者数が急増しております。一方、死亡率は年々低下傾向にあり、2010年は5.59%となっております。Staffは現在、14名で、この内6名がシニアレジデントであり、全員脳卒中科を兼務しております。

入院患者さん1500名の内訳は、その約7割を脳卒中が占め、脳腫瘍、頭部外傷、慢性硬膜下血腫が各々1割という内容です。また、脳卒中全体の中では最近の傾向としての脳梗塞の患者さんが増加し全体の6割を、2割を脳出血、1割が脳動脈瘤の患者さんとなっています。

手術件数も増加傾向にあり、年間約500件が行われ、その主な手術の内訳は観血的手術数が450件、血管内手術件数が50件となっています。この内観血的手術でのその内訳の主なものは脳腫瘍摘出術が50件、破裂脳動脈瘤手術が50件、未破裂脳動脈瘤手術が30件、内頚動脈内膜剥離術が20件、頭蓋内・外バイパス術が15件、高血圧性脳出血手術が30件などなっています。また脳血管内手術では破裂脳動脈瘤塞栓術が20件、未破裂脳動脈瘤塞栓術が5件、内頚動脈ステント留置術が20件、血栓溶解術が10件などとなっています。更にリニアック装置による脳定位放射線治療は転移性脳腫瘍を中心に50例が行われています。

脳神経集中治療部門(NCU)の活動状況は年間入院患者数は800名でその内訳は脳梗塞250例、脳内出血150例、くも膜下出血90例、頭部外傷70例、脳腫瘍60例などとなっています。緊急・予定入室の状況は表に示すとおりです。また集中治療室での平均在院日数は6日であり疾患別ではくも膜下出症例が約14日と飛びぬけて長いほかは、2−6日と平均しています。

  1. 主な疾患への取り組みについて
  2. 脳梗塞

    脳梗塞の診療の基本は、迅速な診断の下での的確な治療です。食生活の欧米化に伴い動脈硬化による脳主幹動脈の狭窄・閉塞の症例に加えて、心疾患のある患者さんの心臓から血栓が脳血管を閉塞する脳塞栓の患者さんも急増しています。脳梗塞の超急性期でのt-PAの投与症例は、これまで63例で実施し、投与後の悪化症例がほとんどなく、かなり良好な成績を得ております。これは適応に際してのより詳細で的確な診断とこれまでの当院での経験に基づいて実施していることが要因かと思われます。

    また慢性期の治療としては、内頸動脈狭窄症に関しては、より客観的な適応決定の下、内頸動脈内膜剥離術と共に循環器内科の協力を得ての内頸動脈ステント留置術も数多く実施しております。また脳主幹動脈閉塞症例に対する頭蓋内・外バイパス手術に関しては、これまでJET studyの参加施設としての実績を踏まえ、適応のあるとされる症例については積極的に実施しております。また、もやもや病に対する診断・治療、特に、直接血行再建術にも取り組んでおります。

    くも膜下出血

    多くの場合の原因である破裂脳動脈瘤に関しては出来る限り早期治療を実施しており、手術によるクリッピング術あるいは血管内手術による動脈瘤塞栓術を行っております。また術後に最も問題となる脳血管攣縮に対する治療として脳槽潅流療法を積極的に取り入れ、これまで非常に良好な成績を挙げてきております

    未破裂脳動脈瘤

    最近の脳ドックの普及により未破裂脳動脈瘤が発見され、相談に来られる患者さんが増加しております。治療の適応は難しいことではありますが、やはり一人ひとりについての状況が異なることより慎重に検討し、対応をしております。

    脳腫瘍

    良性腫瘍に関しては基本的に手術的治療を優先して、良好な成績が得られております。悪性脳腫瘍については今尚対応の難しい状況にあります。現在、当院では最近開発された内服薬による化学療法を基本として、手術、放射線治療を組み合わせた最新の集学的治療に取り組んでおり、更なる成績の向上に努めております。

    頭部外傷

    24時間緊急手術のできる体制で臨んでおります。また重症頭部外傷に対してはバルビタール昏睡療法や低体温療法などについても積極的に取り組んでおります。

    このほか、三叉神経痛や顔面痙攣に対する機能的手術、産科・新生児科と連携しての先天奇形に対する手術などを実施しております。


    脳神経外科・脳卒中科 疾患別入院患者数  (延べ人数)

         \
    疾患名
    2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
    脳梗塞 239 214 231 261 522 631 674 579 572 590
    脳内出血 114 131 142 144 184 199 181 196 176 170
    くも膜下出血 67 59 48 59 71 74 67 82 76 73
    未破裂脳動脈瘤 22 45 44 36 54 44 35 21 32 28
    脳腫瘍
    (転移性)
    11 15 15 18 34 18 11 17 23 16
    脳腫瘍
    (神経膠腫)
    15 11 21 9 22 18 23 26 40 48
    脳腫瘍
    (悪性腫瘍)
    5 3 15 8 11 16 10 15 4 8
    脳腫瘍
    (良性腫瘍)
    43 51 47 36 43 46 48 47 55 32
    頭部外傷 103 99 118 125 130 151 119 123 155 130
    慢性硬膜下血腫 58 71 80 97 107 117 110 117 94 130
    先天性奇形 2 0 0 1 1 3 2 2 2 1
    脊髄・脊椎疾患 13 9 5 2 1 1 2 3 3 2
    三叉神経痛・顔面痙攀 1 4 10 2 2 8 6 6 3 2
    てんかん 23 26 23 36 66 49 46 40 63 36
    水頭症等 11 19 15 13 28 19 24 18 19 27
    もやもや病 14 6 4 5 13 12 11 9 9 6
    脳動静脈奇形 5 18 19 28 30 16 11 7 9 15
    その他 36 30 38 37 60 70 86 61 44 27
    入院患者数 782 812 875 917 1379 1492 1466 1369 1379 1341
    ※脳卒中科は2005年4月1日より開設

    脳神経外科・脳卒中科 疾患別手術件数   (実件数)

      疾患名 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010



    摘出術 38 45 45 31 41 36 43 44 56 37
    生検術 0 1 2 4 1 2 2 4 2 1
    経蝶形骨洞手術 8 6 5 6 7 3 7 10 5 4





    破裂脳動脈瘤 47 48 38 48 44 45 34 52 52 33
    未破裂脳動脈瘤 18 31 36 24 30 23 24 13 23 14
    脳動静脈奇形 3 1 6 7 8 3 1 1 4 2
    内頸動脈内膜剥離術 3 14 13 18 27 18 18 27 28 12
    バイパス術 7 6 16 8 10 13 11 11 13 8
    高血圧性脳内出血(開頭術) 16 19 24 21 23 29 14 19 19 27
    高血圧性脳内出血(定位手術) 0 1 4 4 2 3 1 2 2 1




    急性硬膜外血腫 4 4 4 2 0 2 3 5 3 1
    急性硬膜下血腫 9 14 19 11 4 10 12 10 5 5
    減圧開頭術 9 0 0 0 0 0 1 0 1 1
    慢性硬膜下血腫 60 72 70 104 102 117 110 118 99 134


    頭蓋・脳 9 0 0 0 0 0 1 2 1 0
    脊髄・脊椎 12 3 0 3 1 2 0 4 2 1



    脳室腹腔シャント術 35 47 39 39 41 40 43 41 39 40





    腫瘍 3 2 2 1 1 2 1 1 2 3
    変形性脊椎症 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0
    後縦靱帯骨化症 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0





    脳神経減圧術 1 4 8 1 2 6 1 3 3 2



    その他 84 67 72 70 73 97 81 94 58 68
    手術件数
    合計
    360 387 403 402 417 451 408 461 417 394
     





    破裂脳動脈瘤塞栓術 8 2 2 3 10 13 11 11 10 15
    未破裂脳動脈瘤塞栓術 1 2 1 0 3 5 3 2 5 4
    脳動静脈奇形塞栓術 1 0 2 7 4 2 2 0 2 8
    血栓溶解術 16 19 17 20 9 8 4 2 2 4
    ステント留置術 13 7 13 10 16 12 12 17 11 15
    経皮的脳血管形成術 6 1 2 2 1 4
    その他 3 4 4 4 5 2 3 7 8 1
    血管内手術
    合計
    42 34 39 44 53 43 37 41 39 51
    ◆脳定位
     放射線治療
    22 28 26 17 33 29 27 31 28 25


    脳神経外科・脳卒中科 疾患別死亡率  (延べ人数)

         \
    疾患名
    2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
    脳梗塞 15 13 11 7 18 14 13 21 18 15
    くも膜下出血 12 15 7 6 11 11 13 12 12 20
    脳内出血 18 17 19 15 13 24 16 28 25 23
    頭部外傷 9 10 10 13 5 10 15 9 8 11
    脳腫瘍 9 6 4 3 10 3 3 4 7 2
    脳動静脈奇形 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0
    もやもや病 0 0 0 0 0 1 0 1 1 0
    その他 1 2 3 3 2 3 4 1 0 4
    合 計 64 63 54 47 59 66 65 76 71 75
    死亡率 8.18 7.64 6.17 5.13 4.28 4.42 4.43 5.56 5.15 5.59
    ※脳卒中科は2005年4月1日より開設

    脳神経外科・脳卒中科 入院患者数と死亡率

    脳神経外科・脳卒中科 入院患者数と死亡率
          ※脳卒中科は2005年4月1日より開設


    脳神経外科・脳卒中科 手術件数

    手術件数
          ※脳卒中科は2005年4月1日より開設


その他

  1. 施設認定
    • 日本脳神経外科学会専門医基幹施設
    • 日本脳卒中学会認定研修教育病院

  2. カンファレンスのご案内
  3. 倉敷脳神経外科懇話会

    年2回、倉敷近隣にて脳神経外科を開業されておられる先生方と、ご紹介いただいた患者さんの検討や勉強会を兼ねた懇談会を開いています。
    問い合わせ先:脳神経外科医局

  4. 循環器病委託研究(20 公-1)について
  5. 脳神経外科・脳卒中科では
    循環器病委託研究(20 公-1)
    「無症候性頚動脈狭窄症の自然経過と治療成績に関する観察研究」
    に参加しております。
    なお、詳しいプロトコールは名古屋市立大学脳神経外科ホームページ
    http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/noge.dir/indexJ.htmに掲示しております。

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