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 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のご紹介

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概要

対象疾患

耳鼻咽喉科は本来みみ、はな、のどを含んだ頭頸部領域の疾患を対象としており、最近は耳鼻咽喉科・頭頸部外科と呼称するようになっています。おもな対象疾患は

耳科領域:
難聴、めまい・平衡障害、中耳炎など
鼻科領域:
副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など
口腔咽頭領域:
扁桃、舌・口腔などの疾患
喉頭気管食道領域:
音声・呼吸・嚥下に関連した疾患
頭頸部外科領域:
鼻副鼻腔、舌、口腔咽頭、唾液腺、喉頭、気管、頸部食道、甲状腺などの腫瘍
主任部長 土師知行
と広範囲にわたっています。これらの部位は聴覚、言語、呼吸、嚥下など人間が「人間」として暮らしていくのに必要不可欠な機能と深く関連しており、耳鼻咽喉科・頭頸部外科医として専門的にかかわっていく必要があります。

診療圏

岡山県中西部、倉敷市を中心に、北は総社市、高梁市、新見市、西は井原市、笠岡市などから患者さんが来院しており、地域に密着した診療を行っています。また、専門外来では岡山市東部、香川県、広島県東部からの紹介患者さんもいます。

特徴

岡山県中西部の耳鼻咽喉科の中核としてスタッフの陣容、設備面ともに最先端の医療レベルで時代に適応した診療ができるようにつねに心がけています。現在病床数は45床で、耳鼻咽喉科医師11名で診療を行っています。地域の中核病院として特に中耳炎などの耳科疾患や頭頸部悪性腫瘍の治療に重点を置いていますが、耳鼻咽喉科疾患は聴覚、音声言語、呼吸、嚥下、嗅覚などの人間として重要な機能に影響を及ぼすため、諸疾患の治療も、単に病変部を治すだけでなく、それらの機能を改善、保存することも心がけています。患者さんとの信頼関係のもとに、患者さんにも治療に参加してもらえるような、心の通った医療ができるようにしたいと思っています。


診療内容

外来は月〜金の午前中は4診で、土(初診、急患のみ)の午前中は2診で診察しています。現在の外来患者数は1日平均140人です。また、より高度な医療が提供できるように、専門外来も設けています。月曜日の午後は難聴外来、補聴器外来、甲状腺外来、火曜日の午後は音声・喉頭・嚥下外来を行っています。待ち時間の短縮化や密度の濃い診療ができるように、外来診療は原則として予約制にしています。地域の医療機関との連携をさらに深めて、患者さんに、病状に応じた医療機関で効率良く治療を受けていただけるようにしています。耳鼻咽喉科・頭頸部外科の病床数は47床で、2009年の手術数は、外来手術も含めて約1,400件となっています。

  1. 耳科領域
  2. めまい・平衡機能障害および聴力障害に対する専門的診断治療を行っています。また、中耳の手術ではパスを導入し入院の短期化を図っています。また可能な症例では、いわゆるday surgeryによる鼓膜形成術を行っています。2009年は耳科手術を110件行っており、そのうち鼓室形成術は96件、いわゆるday surgeryによる鼓膜形成術は8件行っています。中耳炎も含め聴力障害に対しては、手術もリハビリテーションの一環としてとらえており、手術適応でないものは補聴器外来で適切な補聴器の装用を指導しています。また新生児聴覚スクリーニング検査で異常があった場合、精密診断機関としてさらに聴性脳幹反応(ABR)や幼児聴検を行い、適切な診断や指導を行っています。

  3. 鼻副鼻腔領域
  4. 内視鏡を使用して、マイクロデブリッダーやレーザーの使用など低侵襲で効果的な手術を行っています。2009年は192例に対し内視鏡下副鼻腔手術を行っています。また、2009年よりナビゲーションシステムも導入され、より高度で安全な鼻科手術が可能となっています。

  5. 口腔咽頭領域
  6. 扁桃摘出術は術後出血などの危険もあり、麻酔・手術設備の完備した病院に集中する傾向があり、2009年は全身麻酔による扁桃摘出術を167例行っています。また最近問題になっているいびき・睡眠時無呼吸障害に対して、当院神経内科、呼吸器内科、小児科、歯科とチームを作り、治療に取り組んでいます。いびき・無呼吸の原因診断を行うとともに、適応症例では扁桃摘出術や口蓋咽頭形成術などの手術を行っています。

  7. 喉頭気管食道領域
  8. 声のかすれなど音声障害に対して、電子スコープ、ストロボスコピーやコンピュータによる音響分析などを使用して専門外来で詳しく診断し、症例に応じて音声の改善を図る音声外科手術を行っています。2009年は声帯ポリープなどのラリンゴマイクロ手術を94例、甲状軟骨形成術や披裂軟骨内転術などの音声改善手術を12例行っています。また手術の適応でない症例や術後の例には言語聴覚士と協力して音声言語治療を行っています。

    最近は社会の高齢化に伴い、脳血管障害などによる嚥下障害の患者さんが増加しており、患者さんや家族の生活の質(QOL)や介護のことなどが問題になっています。また、乳児期に罹患した病気のため、嚥下障害を生じ、誤嚥性肺炎を繰り返すお子さんもおられます。このような症例に対して、口腔咽頭、喉頭気管食道領域の専門医である耳鼻咽喉科医が積極的にかかわっていく必要があります。専門外来で咽喉頭内視鏡検査による評価(VE)や食道透視による嚥下障害の評価(VF)を行っています。とくに内視鏡による検査(VE)は簡便で、ベッドサイドでも安全に行え、各種の食材の嚥下の状態も簡単に見ることが出来るため、大変有用で、従来行われていた造影剤による検査(VF)の多くの部分を代用できると考えます。嚥下障害が高度な患者さんではリハビリテーション科で嚥下リハビリテーションを行いますが、リハビリだけでは改善しない症例には輪状咽頭筋切断術、喉頭挙上術や、喉頭気管分離・気管食道吻合術などの嚥下改善、誤嚥防止手術を行っています。当院では重症度の高い患者さんが多いため、喉頭気管分離・気管食道吻合術を行うケースが多く、この10年間で約40例施行しており、2009年は7例に行っています。

  9. 頭頸部外科領域
  10. 頭頸部領域は外から見える部位であり、また音声、呼吸、嚥下という重要な機能も持っているため、腫瘍の根治とともにこれらの機能や形態の保存や再建に力を注いでおり、放射線科、形成外科、外科、リハビリテーション科などと密接な連携のもとに治療に取り組んでいます。手術では、形成外科、外科と共同で血管吻合による遊離組織移植を行い、機能や形態の保存に努めています。また、同じ程度の病状であっても、患者さんの身体状況、考え方、仕事や家族などの社会的状況などが個々に異なるため画一的な治療は避け、放射線治療、化学療法、手術を組み合わせて、患者さん個々の条件に合った治療法を選択するようにしています。

    当科では頭頸部がんの先進的治療を行っているいろいろな施設との人的交流を図り、つねにこの分野での最新の治療ができるように努力しています。2009年の頭頸部悪性腫瘍の手術例(甲状腺をのぞく)は69例あり、進行した舌、口腔、咽頭癌に対して前外側大腿筋皮弁や遊離空腸など血管吻合による再建を20例に行っています。

    喉頭癌は44例で、放射線治療を主体にして発声機能を温存した例が31例、喉頭全摘を行った例が9例、喉頭部分切除例が2例でした。手術が必要な例でも可能な例では喉頭部分切除により音声を保存する手術を選択しています。喉頭全摘例には代用音声の獲得のため、T-Eシャント手術やボイスボタン挿入術を積極的に行います。また、舌根部や下咽頭腫瘍でも可能な限り喉頭を保存する術式を選択しています。

    放射線科とは定期的にカンファレンスを設け、放射線治療の適応や方法について個々の症例で検討し治療に反映しています。

  11. 甲状腺疾患
  12. 甲状腺腫瘍に対しては内分泌代謝科と密接な連絡を取り、病理検査科とともに定期的にカンファレンスを行い、外科的治療を行っています。2009年は125例に甲状腺手術を行っており、そのうち悪性腫瘍は89例でした。またバセドウ病に対して、亜全摘または全摘を2例に施行しています。1次性、2次性上皮小体機能亢進症に対する手術を13例に行っています。


その他

  1. 施設認定
    • 日本耳鼻咽喉科学会専門医制度耳鼻咽喉科専門医研修施設
    • 日本気管食道科学会認定気管食道科専門医研修施設(咽喉系)
    • 日本頭頸部外科学会認定頭頸部がん専門医研修施設

  2. カンファレンスのご案内
    1. 倉敷耳鼻咽喉科集談会
    2. 症例検討を中心に年3回行っています。
    3. 倉敷耳鼻咽喉科臨床懇話会
    4. おもに臨床の分野で活躍されている先生を講師に招いて、実地医家のための講演をしていただいています。(年1回)
    5. 倉敷耳鼻咽喉科勉強会
    6. 講師の先生を招いて耳鼻咽喉科のトピックについて勉強しています。(不定期)
    7. 頭頸部がん専門医研修コースの案内
    8. レジデント研修修了後、頭頸部がん専門医を目指すための研修コースを設けています。特に音声言語、嚥下、緩和治療に習熟した頭頸部がん専門医の育成を目標にしています。
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