平成21年の外来患者数は1日平均95名、初診患者は1日平均8名です。常勤の歯科医師4名が各々専門分野を持ち、ゆるやかな専門医制のもとに連携しながら診療を行っています。
- 有病者の治療
全身疾患を有する患者に対して抜歯などの観血的処置を行う場合、できるだけ安全に処置が行えるよう当院各科との連携により対応しています。対象となるのは虚血性心疾患や脳卒中(脳梗塞)により抗血栓療法(ワーファリン、パナルジン、バイアスピリン服用)を受けている場合、先天性心疾患・心臓弁膜症における細菌性心内膜炎の予防、腎不全により透析治療を受けている場合、ビスホスホネート製剤による治療を受けている場合、白血病などの血液疾患、糖尿病などです。また、全身疾患に関連して発生する口腔症状の診断や歯科的対応を行っております。その他、糖尿病教室、先天的奇形(唇顎口蓋裂)、顎変形症、顎骨骨折、口腔領域の感染源の評価と治療、全身麻酔手術前あるいはビスホスホネート製剤投与前の歯科的対応など病院内におけるチームアプローチに積極的に参画しています。
- 静脈内鎮静法
点滴により少量の全身麻酔薬を投与することで、歯科治療に伴う精神的緊張を和らげ、安全性と快適性を向上させる方法です。歯科恐怖症の患者さん、配慮すべき全身疾患(心疾患、脳血管障害など)を有する患者さんを対象としています。
- 口腔ケア
急性期医療においてはICU、NCUをはじめとする重症の入院患者の全身管理、早期回復がとても重要になってきます。そこで当科でも、自力でのブラッシングが困難な重症入院患者に対して、誤嚥性肺炎の発症予防のため専属の歯科衛生士が口腔ケアを行い急性期医療に参画しています。また、外来通院が可能な障害者の方にも定期的にケアを実施しています。
- インプラント
現在ブローネマルクシステムおよびリプレイスセレクトを用いており、過去10年間(1993年〜2009年)のインプラント埋入患者さんは延べ111名、埋入本数は341本に達しています。治療に際しては術前診断が重要であり、2005年10月より顎骨のCT画像をコンピューター上で分析して骨質や骨量の評価、埋入手術のシミュレーションを行うSimplantシステムを導入しています※。これにより、適切な適応症の選択が可能となっただけでなく、インプラント治療の安全性や確実性が飛躍的に高まりました。骨量が不足している場合、適応であればGBR法を併用し埋入部位の骨量の増加を図っています。
※地域医療機関からのCT撮影/画像分析のみの患者さん紹介にも対応しています。
- スリープスプリント(sleep splint)
いびきや睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害の治療に用いられる口腔内装置で、下顎を前に引き出すことにより気道を確保することができます。この装置を装着して就寝することで、いびきや睡眠時無呼吸症候群の状態を改善することが可能となります。当科では数多くの(年間100件以上)スリープスプリントを製作しており高い評価を得ています。医科からの紹介があれば保険が適用されます。
- 矯正歯科
矯正治療は、歯や顎に機械的な力を加えることにより、顎の成長発育をコントロールしたり、歯を移動して歯並びや咬み合わせを改善する治療です。治療対象はお子様から大人の方まで幅広く、それぞれに最適な方法で咬合を改善します。また、口唇口蓋裂や先天異常の方の顎骨成長管理や、顎変形症の咬み合せの改善、顎骨骨折や外傷による歯の位置異常に対する咬合管理も他科と連携しながら治療を行っています。
- 審美治療
ホワイトニング、・コーディネーター4名を有し、歯を傷つけることなく白くする方法(歯のマニキュア:白い薬剤を塗り、固める方法 ホームホワイトニング:お口に合ったトレーに薬剤を流しいれて装着し、漂白する方法)を中心に相談に応じていきます。
- 子供の歯を守る会
平成7年より小児を対象とした歯科予防活動を行っており、会員数は約847名となっています。口腔内の検診はもちろんのこと、矯正認定医による口腔内診査も行っていますので矯正の必要性や開始時期を知ることができます。定期的な健診、フッ素塗布、家庭におけるフッ素洗口、歯磨き指導、食育を兼ねた保健指導などにより口腔の健康維持増進に取り組んでいます。
- マウスガード(マウスピース、マウスプロテクター)
スポーツを行う際の歯、顎や口の周囲の怪我を予防するための口腔内装置です。動きの早いスポーツや接触の多いスポーツでは、顔面領域に怪我をすることがあります。マウスガードの装着によって歯や顎の怪我が防止できるだけでなく、スポーツ能力が向上する場合もあります。