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 糖尿病内科のご紹介

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概要

対象疾患

1型糖尿病、2型糖尿病、その他の糖尿病、妊娠糖尿病、糖尿病高血糖昏睡、糖尿病ケトアシドーシス、低血糖症

診療圏

倉敷市・総社市・浅口市およびその周辺市町村

糖尿病診療の特徴と方針

糖尿病内科は2000年7月に発足し、以来糖尿病を中心とし、糖尿病と糖尿病に関連した様々な疾患の専門的で良質な医療を提供することに科をあげ推進しています。

主任部長 松 岡   孝 

糖尿病は十分に検査し適切な治療が行われないかぎり、大小の血管に合併症が進行します。よく知られた末梢神経障害・網膜症・腎臓病に加え、大血管障害すなわち脳梗塞・狭心症・動脈硬化症などにも糖尿病が大きく関与します。これらの合併症は血糖・血圧・脂質・体重などを適正にコントロールすることにより発症や進行を防止できることが内外の大規模研究によりわかってきました。糖尿病内科ではこの点をふまえ、頸動脈エコー検査・脈波伝導速度検査など動脈硬化の検査も取り入れ、関連する他の診療科と連携しながら血管を大切にする内科であることをめざしています。

糖尿病内科は、糖尿病専門外来で専門医と療養指導士による良好な糖尿病の管理と血圧・脂質のコントロールを行っています。入院診療では、糖尿病病棟に入院により、検査・治療・療養指導を行います。そのために2週間または1週間のパス入院を行っています。入院中に各種検査を行い、糖尿病の病態を把握して各人に合った治療方針を決定します。糖尿病の自己管理が自宅でできるよう指導し、退院後は紹介元の医院または当院の糖尿病専門外来で定期的な診療を行います。入院された方の診療記録はデ−タベース化され、糖尿病内科LANで管理し、サ−バーに保存されます。診療情報の保護には細心の注意を払いその対策を施しています。

糖尿病は、医師をはじめとする各職種がチーム医療を実践することで、より高度の診療レベルが維持できます。糖尿病内科では医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・臨床検査技師ほかコメディカルスタッフで構成される糖尿病チ−ムがそれぞれの立場から診療と療養指導を行っています。糖尿病内科では科内における医療安全を実践するための対策をとっています。特にインスリンや経口剤による低血糖について患者さんによく説明と指導を行い、事故防止に努めています。

糖尿病の治療目標は、適正な体重と良好な血糖コントロールを維持し、血圧・脂質を至適にコントロールすることにあります。これにより糖尿病急性合併症を回避し、糖尿病血管障害の発症と進行を防ぎます。それを通じて高いQOLを維持し、健康長寿を達成できるよう支援します。

糖尿病地域連携

倉敷中央病院は、高機能地域基幹病院であり、また急性期病院と位置づけられています。したがって、軽症の方や病状の安定した慢性期の方は地元の診療所や病院での診療継続をお願いし、ご了承いただければ紹介状を作成しています。是非ご近隣の「かかりつけ医」をお持ちになり、軽い病状の時にはその医院での診療を受けることをお勧めしています。

このほど岡山県は、糖尿病の病診連携を強化し「切れ目のない」糖尿病診療を地域で実践することを目指して「県糖尿病連携共通パス」を作成、公表しました。当院でもこのパスの「倉敷中央病院版」を作成し、医師会の先生方とさらに緊密な連携を進めることになりました。「連携パス」とは、かかりつけ医と連携して糖尿病診療を行うときに用いる、患者さん個人用のいわばミニカルテです。これには受診日の血糖・グリコヘモグロビン値・血圧・体重などを記入し、患者さんご自身で持っていただき、糖尿病内科と地元の医院との間でやりとりします。ご了解いただいた方にはこのパスを発行します。

糖尿病診療の将来展望

今後は、糖尿病診療をさらに推進するために「糖尿病センター」の設立を展望しています。ここでは糖尿病治療・教育を行う医師とコメディカルスタッフを専任とし、糖尿病診療/療養指導に特化した糖尿病専門病棟・専門外来を擁し、総合的な糖尿病診療を行います。


糖尿病内科の診療内容

  1. 患者数
    1. 外来患者
    2. 糖尿病内科の外来数は、2009年統計で月平均1,651人、1日平均78人です。初診の紹介率は102%です。

    3. 入院患者
    4. 2000年の糖尿病内科発足以来、入院数は年々増加し2006年は500人に達しましたが、その後病棟移転がありベッド数が減ったため、2009年は453人でした。図1に年次別入院数を示します。平均在院日数は、2009年は12.1日です。図2に、2009年の退院時診断別患者数を示しています。入院患者のうち78%は2型糖尿病の方です。

      図1 糖尿病内科 年次別入院者数
      糖尿病内科年次別入院者数
      図2 2009年 糖尿病内科 退院時診断(N=453)
      糖尿病内科退院時診断

  2. 糖尿病の検査
    1. 糖尿病の診断
    2. 糖尿病は血糖検査を行い診断します。朝食前の血糖126mg/dl以上または随時で200mg/dl以上であれば糖尿病を疑います。この値が2回以上確認されると糖尿病です。ブドウ糖負荷試を行うとより正確に糖尿病と診断できます。糖尿病は無症状のこともありますが、口渇・多飲・多尿など自覚症状があり血糖値が高ければ糖尿病に間違いありません。

    3. 糖尿病の病型・病期分類のための検査
    4. インスリン分泌能検査と自己抗体(ICA、抗GAD抗体、IA-2抗体)の検査を行います。膵ラ氏島抗体(ICA)は、蛍光抗体間接法により院内検査で行っています。1型糖尿病ではインスリン分泌が高度に低下し、多くは非肥満で、自己抗体が陽性です。1週間以内で急激な発症をみる「劇症1型糖尿病」の方も毎年数人救急受診されています。このタイプは迅速な入院治療が必要です。一方、肥満傾向でインスリン分泌が十分にあり、自己抗体陰性の多くは2型糖尿病です。最近、2型糖尿病と診断されていても何年か後に1型糖尿病が重なって発病する方がいることもわかってきました。

    5. インスリン分泌能をしらべるための検査
    6. インスリン値、血中・尿中C−ペプチド(CPR)値、グルカゴン負荷試験を行っています。

    7. 糖尿病コントロ−ルのための検査
    8. 血糖値とヘモグロビンA1cやグリコアルブミン(GA)を検査します。インスリン治療中の方は血糖自己測定(SMBG)を自宅で行います。

    9. 糖尿病合併症検査
    10. 尿中蛋白・クレアチニンクリアランス・腎臓エコー検査、糖尿病神経障害検査として神経伝導速度・振動覚検査などを行います。眼科に依頼して網膜症有無のための眼底検査を行います。

    11. 動脈硬化症検査
    12. 頸動脈エコー、動脈脈波検査などを行います。必要に応じて循環器内科に依頼して心臓冠動脈の精密検査を行います。

    13. メタボリック シンドロームの検査
    14. 血圧・血清脂質・腹囲測定・CTによる内臓脂肪測定を行います。

  3. 糖尿病の治療
    1. 糖尿病内科では食事療法・運動療法を基本とし、積極的な薬物療法を行っています。血糖の高い時には入院をお勧めし、インスリンで血糖を下げたのち個々に合った治療法を決定します。2型糖尿病では経口薬またはインスリン、もしくは両者の併用で治療します。インスリンの打ち方は眠前1回法か朝夕2回法の他、最近では1日に3回〜4回のインスリン治療法も増えてきました。経口薬を長く服用しても血糖がコントロールできなくなった時や、ヤセが進んできた人ではインスリン治療が必要です。多数の患者さんの検査結果を分析したところ、糖尿病の病歴が20年以上、あるいは朝食後2時間CPRの値が2.5ng/ml未満であればおよそ80%の方で1日2回以上のインスリン注射を必要とすることがわかりました。

      一方、1型糖尿病では、ほぼ全員に頻回インスリン療法(1日4回か5回注射)またはCSII(持続皮下注入療法)を行っています。

      2009年に入院した453人の退院時治療法の内訳は、インスリン治療290人・SU薬58人・α-グルコシダーゼ阻害薬115人・グリニド薬104人・食事療法のみ8人でした(図3)(のべ人数)。1型糖尿病46人に限れば、1日4回のインスリン療法が24人、5回が11人、CSU5人でした。

      図3 2009年 糖尿病内科 退院時治療法(453人)(のべ人数)
      糖尿病内科退院時治療法

  4. 治療目標値
    1. 以下に示す目標値を達成・維持することで糖尿病合併症の発症・進行を防止することができます。

    2. 体 重
    3. 特に肥満傾向の方は適正な減量が必要です。やせすぎの人は血糖が高くて体重が減ったのかもしれません。正しく血糖コントロールすることで適正体重までもどしましょう。何kgが適正かは人により様々ですので担当医にたずねましょう。

    4. 血 圧
    5. 130〜80mmHg未満が基準です。食事の塩分やお酒を控えることが基本ですが、多くの方で降圧薬が必要です。

    6. 血清脂質
    7. LDLコレステロール120mg/dl未満に、中性脂肪を150mg/dl未満に低下させます。食事療法に加え、多くの方ではスタチン薬(コレステロール低下剤)などを服用します。

    8. ヘモグロビンA1c(JDS値)
    9. まず7%を切ること。次に6.5%未満をめざし、最終目標は5.8%未満です。

    10. 血 糖
    11. 食前110mg/dl未満、食後2時間で140mg/dl未満をめざします。

  5. 糖尿病合併症頻度
  6. 糖尿病内科での2009年の糖尿病入院患者の分析では、糖尿病性腎症28%、糖尿病網膜症40%、末梢神経障害51%の合併症頻度でした。他に高血圧症44%、脂質異常症45%、虚血性心疾患15%、脳血管障害11%の併発を認めました(のべ人数)。

  7. 糖尿病教室
    1. 外来糖尿病教室
    2. 外来に通院中の患者の皆さまを対象に、毎週木曜日の午後2時から3時まで外来3階の第1会議室で、糖尿病教室を下記のスケジュールで開いています。患者の皆さま・ご家族お誘いあわせの上ご来場ください。もちろん入院中の方もお越しください。

      曜日担当
      第1木曜看護師
      第2木曜管理栄養士
      第3木曜薬剤師・臨床検査技師・理学療法士(交替)
      第4木曜糖尿病内科医師
      第5木曜糖尿病内科医師

      <内 容>
      医師糖尿病とは何か・糖尿病の治療法・糖尿病の合併症
      看護師糖尿病のある人生・日常生活の注意・フットケア・低血糖の注意
      薬剤師糖尿病の薬・低血糖・インスリンの使い方・薬の副作用
      管理栄養士食事療法・食品交換表・外食の注意点・年末年始の注意・おやつ
      臨床検査技師糖尿病の検査・血糖コントロールとは・血中脂質・コレステロール
      理学療法士糖尿病と運動・肥満と運動・運動処方・運動時の注意
    3. 入院糖尿病教室
    4. 糖尿病の検査・治療のために入院すると、2週間または1週間のコースで糖尿病教室に参加していただきます。ここでは、糖尿病内科医師・薬剤師・看護師・管理栄養士・臨床検査技師・理学療法士・歯科衛生士がそれぞれの立場から糖尿病についてのお話をします。場所は9棟7階の教室です。この病棟は糖尿病内科の入院病棟として運営されています。

      <スケジュール>
      第1週午前(11時〜12時)午後(2時〜3時)
      (月)なぜ糖尿病になるのか?
          (医師)
      食品交換表って何?
          (管理栄養士)
      (火)糖尿病と日常生活
          (看護師)
      糖尿病と臨床検査
          (臨床検査技師)
      (水)歯の手入れ
          (歯科医師・衛生士)
      献立を立ててみよう
          (管理栄養士)
      (木)糖尿病と目
          (医師)
      院内教室(第1会議室へ)
      (金)(総回診)低血糖の予防と対処
          (看護師)
      第2週午前(11時〜12時)午後(2時〜3時)
      (月)糖尿病の歴史
          (医師)
      糖尿病の合併症
          (医師)
      (火)調理のポイントABC
          (管理栄養士)
      足の手入れ
          (看護師)
      (水)糖尿病と腎臓の病気
          (医師)
      糖尿病のお薬
          (薬剤師)
      (木)外食とおやつ
          (管理栄養士)
      院内教室(第1会議室へ)
      (金)(総回診)運動療法について
          (理学療法士)

  8. 糖尿病専門外来
  9. 糖尿病専門医が月曜から金曜まで初診と再診で外来診療を行っています。初診の方はそれまでの糖尿病経過を記載した紹介状をお願いしています。再診は予約制です。初診の方も地域医療連携室を通じて予約制を進めています。
    土曜日は、内科系各科の医師が交替で診療しています。


その他

  1. 施設認定
    • 日本糖尿病学会認定教育施設
    • 日本老年医学会認定施設


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