病院写真拡大
サイト内検索
 ふれあいVol.15−Dr.だより 人工関節の最新治療
目次に戻る

股の痛みに悩んでいるあなたへ−人工関節治療の紹介−

こんな事で困っていませんか?


  • 階段や坂道など無理をすると股(また)の付け根が痛む
  • 和式トイレや床に腰を下ろすのがきつい
  • 歩くとき足をついた方に上半身が傾き左右に揺れる
  • 病院に行ったら無理をしないようにと言われて痛み止めと湿布をもらった
  • 少しずつ悪くなってきて時にはかなり痛むので困る
  • かばいながら生活をしていたら腰や膝も痛くなってきた
  • そして家にこもりがちになり好きな旅行にもいかなくなった

このような悩みを抱える方の多くが股関節に問題を抱えています。股の痛みに対する効果的な治療方法の一つが人工関節です。しかし人工関節治療に関する情報はまだまだ不十分で痛みに苦しみ普通の日常生活ができないと悩んでいる方が大勢います。

人工関節とは、どんな治療?

簡単に言うと悪くなって使えなくなった関節を人工的に作った新しい関節に取り替える治療法です。悪くなった骨をけずりとり人工関節をはめ込むことにより、痛みはなくなります。人工関節の手術はよく虫歯の治療にたとえられます。歯が痛むとき、なにもしないでおくとどんどん痛みはきつくなります。しかし、虫歯を削って金属のつめものをすれば痛みはなくなります。股関節もそれと同じです。

どうして痛むの?

関節の骨の表面は「軟骨」と呼ばれる表面がつるつるの軟らかい骨で覆われています。軟骨はクッションとしてのはたらきと関節の円滑な動きに役立っています。若い頃は軟らかく滑らかだった軟骨が傷んですり減ってしまい、ひどくなると骨が関節内に直接むき出しになります。そして年を重ねると、さらにどんどん削れて、穴があいたり、もろくなった骨が小さな骨折を起こしたりして痛みがきつくなっていきます。50歳以下でまだ軟骨がある程度残っている場合には骨切り術などの人工物を使わない手術がすすめられます。軟骨がなくなり土台の骨が削れてしまった場合は人工関節治療が最も効果があります。

人工関節治療を受けた方のお話

若い頃は全く元気でなんともなかったのに結婚して子供を産んだ頃から痛くなってきて、病院にいっても湿布や痛み止めをもらうだけで少しずつ悪くなっていきました。夜は痛くて眠れず、朝はささえになるものをつかみながらゆっくり起きあがるのが精一杯でした。服の着替えも一苦労で、いそぐ時も早く歩けません。階段がきつく車の乗り降りも不自由になりました。しゃがめないのでトイレは大変、洋式トイレでも股が開かないので太ももがぬれてしまう事がありました。

毎日薬に頼らないと生活できないような状態でなんとかならないかと、別の先生に診てもらった時、人工関節という治療方法があるといわれました。でもあなたはまだ若く1回の手術ではすまないから人工関節の手術はしない方がいいと言われました。またつらい日々が続きました。その後何人かの先生に同じように言われました。

そして人工関節を専門にしている医師に診てもらったら、痛みを我慢して何もしなければ病気は悪くなるだけです。若いからこそ治療をして普通の生活をできるようにしたほうが良いと人工関節を勧められました。今までの先生と逆の事をいわれているようで驚いたのですが、よく考えて手術をしてもらうことにしました。

手術後は普通に歩けるようになり、股の痛みはほとんどなくなりました。人工関節がある事を忘れてしまうほどです。思ったより早く職場に復帰できました。両親や夫、子供など周りの人が明るくなったような気がします。私自身も明るく前向きに生活ができるようになりました。今では自分と同じような痛みに悩んでいる人をみると手術を勧めています。


治療の現状は?

人工関節は関節の痛みをとる有効な治療方法として注目を浴びています。全国で治療を受ける方は年々増えてきており、年間約8万人が人工関節の手術を受けています。そのほとんどが股関節と膝関節にたいしてで、その数は5年前の約2倍となっています。人工関節はここ数年で目覚ましく進歩しました。人工関節の材質は従来のものより耐久性がよくなってきています。最近では単に傷を小さくすることよりも、筋肉や神経などの組織を傷つけない、手術時間を短くする、出血を少なくする、正確な位置と角度に人工関節を設置するなどいろいろな観点から検討がなされ手術方法は改良されています。手術後のリハビリも速く行え、従来1ヵ月以上要した入院期間も短く2〜3週間で退院できる方が増えてきています。

手術をすすめるポイントは?

クッションである軟骨がなくなり土台の骨が削れてきている状態です。このような状態で足に充分な体重をかけられず骨が弱ってきているときは手術をすすめています。痛みについては、股が痛む方もいれば、股関節をかばうことによって腰が痛んでいる方もいますし、股が開かなくて膝がエックス脚になって膝の外側が痛んでいる方もいます。


整形外科部長:川口 洋

「階段や坂道などで無理をすると股(また)の付け根が痛む」などで困っていませんか。このような悩みを抱えている方の多くは股関節に問題があるといわれています。

手術をする年齢は?

人工股関節の手術は20代から90代まで幅広い年齢に行われています。外来で診療をしていると人工関節は耐久性の問題から60歳以上でなければ手術出来ないと説明されて、他に治療方法はないからずっと我慢してきたという患者さんに時々出会います。そういう患者さんに手術を説明すると治療できる手段があるということだけで明るく前向きになられるのを感じます。そして手術をするとほとんど痛みがなくなって、人工関節が入っていても気にならないと多くの方が言われます。もちろん手術後の状態は個人によって差があり、必ずある程度の痛みや、動きにくさが残るものなのですが。逆に60歳になるまで十数年我慢されてから手術をされた場合、腰や膝が痛んでしまったり、人工関節の土台となる骨がもろくなったりして手術後の経過がそれほど思わしくないことがあります。年齢にとらわれず適切な時期に手術をおこなうことが大切です。

専門の医師にご相談を・・・

人工関節の治療はかぜの治療のように薬をもらって治ったらそれで終わりというものではありません。これから長い人生の中でいかに快適に長く暮らせるかという長期的な視野をもって治療を行います。治療にあたっては人工股関節を専門として手術を実際に行っている専門医に相談されることをおすすめします。

Copyright(C)2004 Kurashiki Riverside Hospital. All rights reserved.