
緩和ケアチームは、院長、院長補佐、呼吸器内科・消化器内科・外科のドクター、外科・婦人科・消化器内科・呼吸器内科の看護師長、訪問看護師、薬剤師、リハビリ、栄養士、歯科衛生士、メディカルソーシャルワーカー。さらには、がん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師、がん性疼痛認定看護師が集まって、がんによる痛みや嘔吐、便秘、倦怠感などに悩む患者さんをサポートするチーム医療を行っています。
毎週カンファレンスを行い、チームで病棟をラウンドして相談にもあたっていますが、がん緩和では、苦痛などの身体的支援に加え、精神的支援、在宅・家族支援などの社会的支援がとても重要になっています。以前、入院したくないという患者さんのご家族が相談に来られたことがあります。腎臓がんが骨転移して足にマヒがあり、表情も暗く、20分ごとにトイレに通う状況で家族も困っていると。痛みを我慢し過ぎるとうつ表情が出てきます。辛い痛みに耐えている患者さんの姿が目に浮かぶようでした。

さっそく訪問看護師が出向き、聞いた内容を受けて、ドクターが痛みのコントロールについて家族に説明し、家族から患者さんに話をしてもらうことで4日後に入院となりました。麻酔科のドクターを交えたカンファレンスで、痛みを我慢せず、生活に重点を置いた治療について意見を出し合い、入院中はフェンタネストを注射して痛みを除き、在宅後は貼り薬で痛みをコントロールするという方針を立てました。病棟のドクター・看護師とも協力して、入院時から在宅を見据えた治療を行い、20日後には退院。在宅に移ってから3カ月間、患者さんは自宅で穏やかに過ごされました。
痛みが取れたことで、ご自分のお葬式の準備を笑顔で段取りされたそうです。式では自分で選んだ若い頃の写真が飾られ、好きだった曲が流れる中、娘さんの綴ったエピソードが紹介されました。子どもたちを守っていることを伝えたかったと語っていた患者さん。痛みがなくなったからこそ、できたことだと思います。
痛みに悩んだり迷ったりしている患者さんは本当にたくさんいらっしゃいます。私にできることは、まず困っていることをお聞きすること。「体力がなくなり自信がなくなった」「味がわからない」「家族にどう頼っていいかわからない」「家族もどうサポートしていいかわからない」…。つらい気持ちを語ってもらい内面まで理解した上で、解決方法を一緒に考えていきたいですね。患者さんが自発的に療法を選び、「楽になった」と思ってもらえるように導くことが私の役目です。