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急性期基幹病院として専門医育成を意識 03年度から後期研修もスタート
岡山県西部圏域(人口約80万人)の急性期医療を担う
倉敷中央病院が、臨床研修にかかわった歴史は長い。インターン制度廃止後間もない1968年に臨床研修病院の指定を受け、01年には初期研修医の全国公募に踏み切った。
新医師臨床研修制度では、精神科研修だけ他院で行う単独型施設として、内科系(15人)と外科系(10人)の2コースの研修プログラムをもつ。本年度の採用枠はすべてマッチングで埋まり、05年度の採用も引き続き25人を採用する方針だ。
同院は、病床規模が1116床。平均在院日数が約16日、1日平均在院患者数が約1100人、救急医療センターの受診患者が年間約5万5000人。急性期の基幹病院という役割を踏まえて、必修化以前から専門医育成を意識した研修を行ってきた。
1年目の研修は、内科(6か月)、外科(3か月)、麻酔・救急(3か月)を2コース共通で消化。2年目は、小児、精神、産婦人科など残りの必修プログラムをこなし、内科系は4か月、外科系は5か月をそれぞれより専門的な研修にあてる。救急医療センターでの2か月の研修は2年目の最後に実施する。
01年から始めた全国公募による初期研修は、修了時期に合わせ03年度からシニアレジデントの養成プログラムに発展。内科系では15人中11人が同院に残り、必修化第1期生の上級医として「屋根がわら方式」を支える。
シニアレジデントは年々入れ替わるため、特定の医師に継続的な負担がかからない体制もとれる見通しだ。
公募の時代から意欲が高い研修医が集まったため、上級医が熱心になるなどして、病院全体の活性化にもつながった。必修化後も、指導医や上級医の熱意に支えられ、馬場清副院長・研修管理委員長(写真)は、「いまのところはとくに大きな問題は生じていない」と語る。
馬場副院長は、新制度を機に導入されたマッチングの効果については、@研修医の臨床能力に幅ができるA指導医の能力が向上するB病院が活性化するC医局にとらわれない人事が可能になる−などをあげたが、課題も少なくないという。
馬場副院長個人としては、卒後の1年間は公費でインターンとしてある程度の臨床経験を積み、志望を固めたうえでマッチングを実施するのが本来の姿ではないかと考えている。
◎学生の意識に微妙な変化も
ただ、現状は必修の基本診療科を回ることが重視されがち。このため馬場副院長は、「この学生はなにを目標にしているのか、ということがわからないことが多い。どんな理由で研修先を選んだのか、という意識が少し薄い気がする」と、病院見学などで訪れる医学生の印象を分析する。
必修化で医学生の意識が微妙に変化しているとの受け止め方だ。応募してくる医学生も、同院だからこそというのではなく、経験できる症例数の多さをあげるケースなどが増えており、馬場副院長も「教える側としてはなんとなくすっきりしない」という。
そのうえで馬場副院長は、「新制度が定着すると、志望を決めない人が増えるかもしれない」と、制度が定着するにつれて、2年間の研修が社会人になることへの一種のモラトリアム(猶予期間)になる可能性も示唆した。
指導体制の面では、問題のある研修医への対応が制度的な課題になると考えている。
「どの病院に聞いてもはっきりした指針をもっているわけではない」とし、他院や研究機関などを含めた受け皿を確保する必要性を指摘した。
そのほか、研修医が特定の志望科や出身校に偏る可能性に触れ、「志望の少ない診療科の指導医などが“どうせ志望されないんだから”と意欲がそがれることにもなりかねない」などと危惧した。(完)
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