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レジデント広場
先輩のアドバイスでトレーニングも充実
倉敷中央病院では、2004年の公募による卒後臨床研修必修化に先駆けて、2001年から独自で公募の研修医を採用しましたが、それに合わせて、マイクロサージェリー室を開設しました。現在、同室には3台の練習用顕微鏡が設置され、脳神経外科、整形外科、形成外科などのシニアレジデントが中心となって訓練を重ねています。
この部屋の開設に尽力した、当院副院長 山形専のコメントを紹介します。
「私は卒後1年、研修医を終えて北野病院に就職しましたが、そのときは地下で、自分たちでラットを飼って、直径1mmの血管吻合の顕微鏡手術の練習をしました。トレーニングのおかげで、実際に手術を行う機会に恵まれました。訓練で血管の取り扱いがよく分かっていたので、手術を重ねることで、スキルアップも早かったです。
マイクロ手術は若いうちのトレーニングが効果的です。研修医の勉強のために、ぜひ必要だと思い、マイクロサージェリー室を作りました。練習の結果がすぐ出ますし、実際に臨床に出てからの技術の伸びが違います。脳神経外科をはじめ多くの診療科の医師たちが大勢使ってくれていて、うれしいです」
倉敷中央病院における微小血管吻合の練習について
脳神経外科 シニアレジデント3年次 佐野徳隆
微小血管吻合は脳神経外科領域における浅側頭動脈-中大脳動脈(STA-MCA)吻合術、形成外科領域における血管付き組織の移植、整形外科領域における手の外科をはじめとして幅広い分野で必須の手技とされています。練習を繰り返し行えば確実に技術の向上が得られるが、ほとんどの施設ではその練習をする場がなく、実戦に向けた練習が十分に行えていないのが現状です。
倉敷中央病院では、以前よりマイクロサージェリー室で脳神経外科や整形外科、形成外科の若手医師が微小血管吻合の練習を行っています。脳神経外科では特に、実戦でSTA-MCA吻合術を行うまでにラットで良好なpatencyを持ったhalf-ring bypassを行えるように練習しているので、今回当科で行っている方法を含め紹介します。
我々のマイクロサージェリー室には、3台の練習用顕微鏡が設置されており、毎週平均で8−10人程度がそれぞれ1−2回継続的に使用しています。血管吻合手技に必要な10-0/11-0の糸針やクリップなどが常備されていますが、マイクロピンセットやマイクロ煎刀など破損しやすいものや、糸付きの綿花などの消耗品は各自購入、もしくは手術室で余った汚染していないものをもらって使用しています。また練習用のラットは250g前後のものを毎週必要分だけ購入し、半額は教育研修部から、残りを各自で負担することにしています。
fig1. half-ring bypass
脳神経外科における練習方法としては、まず左右の総頚動脈を全周性に剥離し、一側の総頚動脈を切離し対側にfig.1のようなhalf-ring bypassを確実に行うことを基本としています。またある程度確実性が上がってくれば、深く狭い術野を想定した箱の中にラットを入れた吻合練習や、様々な吻合血管の方向を想定した方法を行います。さらに技術の向上が得られれば、もやもや病などの非常に脆く細い血管を想定し大腿動脈-静脈のシャント作成を行ったり、左手を用いた吻合の練習などを行ったりしています。
以上のような手技を100例以上行っている当科のレジデントは、全員が100%のpatencyのあるbypass作成をラットにおいて習得し、実際のSTA-MCA吻合術を執刀し、現在まで全員が成功しています。
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