「女性医師の働きやすい環境作り委員会」委員長からのメッセージ
2008.5.15
委員長 有田真知子(呼吸器内科部長)
委員会発足の目的:男女共生の時代を実現する仕組みと風土を
当院にも、昨年、 "女性医師の働きやすい環境作り委員会"が発足しました。「なんで女性だけ」という声もありますが、女性医師の働きやすい環境は共に働く男性医師や他の医療従事者にとって働きやすいはずと思っています。
年々医学部に入学する女性の比率が増えていることを反映して、当院のジュニアレジデントの女性は20%前後で推移しています。シニアレジデントでは28%前後に達しています。わが呼吸器内科でも16人中4人を占めるまでになりました(25%)。
当院では整形外科や心臓血管外科等の外科系にも女性のシニアレジデントが活躍しています。私が駆け出しの頃には一人も見かけませんでした。時代は変わりつつあります。そして、私たち医師の働き方にも変革が必要な時かもしれません。その入口が、家事・育児を主として担い、医師としての仕事とのバランスに悩み、リタイアしていく率の高い女性医師の働き方の見直しではないでしょうか? 委員会の活動を通して、真に「男女共生の時代」を実現する仕組みと風土を作りたいと思っています。
「仕事と家庭」の両立とは:面白いから難しい
実習や見学に来院される女子学生の皆さんからよく"仕事と家庭と両立できますか?"と聞かれます。私は13歳になる娘を育てながら働いてきました。そして、この問いが自分のpowerを10として、そのすべてを仕事に振り向けられますかというのなら、答えは残念ながら"NO"です。
私はpowerを仕事と家庭に配分しながらやってきました。いわゆるワークライフバランスです。バランスはその時々で、8:2であったり、4:6であったりと変化しますが、私にとっては仕事も育児も大切で面白くて、どちらかを止めようとは思ったことはありません。しかも、私自身はこの微妙なバランスの中での日々を、忙しいけれど充実したものと感じ、楽しんできたように思います。それが可能だったのは、上司、同僚、コメディカルの方々、さらに家族の理解と協力と、当院の24時間保育制度という恵まれた環境があったからです。そして、何より、一緒に働く病棟の育児もしながら生き生きと働くたくさんの看護師さんや看護師長さん方が、お互いに出産や育児の時には支え合って当たり前という風土を作っていたのが心強かったように思います。
それでも、子供が小さい時には、もう少し子供に関わりたいと思い、育児休暇を取っている看護師さん達がうらやましかったこともあります。その当時から看護師さん達の育休取得率の高かった当院でも、医師が育休を取ったことはなく、私自身にも抵抗がありました。しかし、最近では医師の数も増えて余裕が出てきたためか、また、制度や社会全体の意識の変化の後押しもあってか、育休を取る女性医師も増えています。希望する女性医師全員が取得すれば、それが当院のスタンダードとなっていくでしょう。そうなるよう病院全体として休暇のシステムや人の補充なども含め支援体制を整えようとしています。ゆくゆくは、男性医師もパパになったら育休を取得するようになって、男女共生が「ホンマモン」になっていけばいいなと思います。
現在の活動内容と今後の展望
当院では委員会の発足以来、女性医師のキャリア維持、キャリアアップのための仕組みや風土を作るために、育休取得の促進や病児保育の充実を始めとした育児支援などを進めています。さらに、生活とのバランスに配慮したフレキシブルな働き方を提案したり、途中で休職した場合の復職支援や専門医取得のためのプログラムを用意したり、復職前の在宅研修にeラーニングの導入を図ったり様々な制度を整備する予定です。また、それぞれのニーズに応じて、当院での研修や就労を含めた長期にわたるキャリアプランニングの支援もしていく予定です。
いずれも、医師一人一人が、生活も大切にしながら、生命を預かる仕事に誇りをもって生き生きと取り組んでほしい、それを通して医師として成長できるようにと願っての取り組みです。そして、ゆくゆくは、当院にも多くの科で女性の主任部長が誕生し、日本のみならず世界に通用する医師が誕生することを期待したいと思っています。
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