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大原孫三郎氏の唱える、「病院くさくない明るい病院」における「完全なる診療と懇切なる看護」との理念は、病院の隅々まで広がっています。熱帯植物が繁茂する温室には噴水があり、また院内にはせせらぎや滝が、さらには色とりどりの熱帯魚やサンゴ・イソギンチャクの戯れる大きな水槽もあります。これらの設備は、ともすれば沈みがちになりがちな患者さまの気分をお慰めするため、また入院患者さまの退屈なひと時をまぎらすために設けられています。
しかし、もちろんこれらの外形的要素がやさしさの本質であるわけではありません。私達の病院には、病む人々への自然なやさしさが、満ち溢れています。医療を志す多くの人たちは、人の痛みを我が痛みとして知り、人の喜びを我が喜びとして味わう感性の持ち主が多かったに違いありません。しかし、皆さんが歩んできた路の多くで、皆さんが今まで経験してきたごとく、現代高度医療の進歩は、いつの間にかその渦中に非人間的要素を包含してしまっています。人類の英知と持てる技術の最善を尽くした結果が、高度医療機器に囲まれてスパゲッティ状態で最後の時を迎えることだとしたら、これほど皮肉なことはありません。
もちろん当院がベストであると語るほどの自信はありません。しかし、当院にはこのような、医療における問題を共有できる文化があります。そしてよりよい方向に向かっていくだけのエネルギーもあります。もし皆さんが医師を志したその動機の中に「人へのやさしさ」があり、そして今までの経験の中でそれが満たされない思いを持っているとしたら、当院はその思いを満たす場を提供できると信じております。
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