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2010.5.26

ハイブリッド型手術室を導入 −中四国では初
経カテーテル生体弁による大動脈弁置換手術の治験を開始

 

倉敷中央病院では、5月19日より、ハイブリッド型手術室が稼動しました。
ハイブリッド型手術室とは、手術室に天井吊り下げ型の3D−CT撮影可能な血管造影装置を統合させたものです。カテーテルを使う内科的治療と外科手術による治療法とを一つの部屋で行うことができ、心臓外科、脳神経外科、血管外科などの分野を中心に注目され始めています。
当院の導入は、中四国では初となります。
具体的な利点を挙げますと、現在、手術中に血管造影が必要な胸部大動脈瘤や腹部大動脈瘤に対するステントグラフトなどの手技では、移動式の血管撮影装置(DSA)を用いて行ってきましたが、

  • 手動で透視装置を動かすために、術野(治療する場)の位置決めが難しい
  • 透視性能が悪く、ガイドワイヤーなどの位置が把握しづらく、また視野も狭い
  • 長時間の使用ができないので、手術を中断せざるを得ない場合がある

などの欠点がありました。
ハイブリッド型手術室では、術中に透視や血管造影を行うことができ、さらにはCTを撮影してその場で3D画像を構築することができるので、術中に治療の修正が容易になります。

また、当院がハイブリッド型手術室を導入したもうひとつの目的は、大動脈弁狭窄症の患者さんに、経カテーテル生体弁による大動脈弁置換手術の治験を行うことです。この新しい手術は、小さな切開創からカテーテルを用いて、透視や血管撮影を行いながら、カテーテル内に挿入された人工弁を植え込むため、侵襲の少ない、画期的な手術方法です。大動脈弁狭窄症の多くは加齢によるもので、患者さんの多くが高齢です。通常の開胸による大動脈弁置換術を行うにはリスクの高い患者さん(高齢者、腎障害、呼吸障害など)に対して非常にメリットの大きな治療方法になることが期待されています。
ヨーロッパではすでに2003年から治験が開始となり、その成績が良好なことから2007年にCEマーク(商品がすべてのEU加盟国の基準を満たすものに付けられるマーク)承認され、すでに販売が開始されています。アメリカでも大々的に治験が行われており、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可が近々行われる見通しです。
この新しい手術を行うためにはハイブリッド型手術室があることが条件であり、日本における治験は、当院と大阪大学、榊原記念病院(東京都)の3施設が実施施設に選ばれ、本年4月から開始となりました。当院では心臓血管外科と循環器内科が合同でこの治療を行うことになっています。 欧米の施設においては、すでにステントグラフトの市場の拡大、および経カテーテル生体弁による大動脈弁置換手術の有望性から、固定型の血管撮影装置を備えたいわゆるハイブリッド型手術室を備えるところが増えています。日本においても下記の施設ですでに導入されています。

現在国内でハイブリッド手術室が稼動している主な施設
  大阪大学
  慈恵医大
  埼玉医科大学
  仙台厚生病院
  三井記念病院

なお当院では、ハイブリッド型手術室で整形外科や脳神経外科の手術も予定しています。

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