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  ホルミウムレーザー前立腺核出術を始めました

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現在、前立腺肥大症の手術は経尿道的前立腺切除術(TURP)が一般的ですが、これは尿道から内視鏡を挿入して前立腺組織を電気メスで少しずつ削りとっていく方法です。最近、欧米を中心に始められた新しい内視鏡手術に、ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)があります。内視鏡を用いる点ではTURPと似ていますが、ホルミウムレーザーで止血しながら肥大部分を丸ごとくりぬいて取り除いてしまう画期的な方法で、患者さんへの身体的負担が少ないため、これまで内科的合併症のためTURPができなかった患者さんにも適用できます。治療効果はTURPと同等かそれ以上です。

当院でも2005年7月に同治療の装置を導入しました。4泊5日の入院治療です。

前立腺肥大症とは

前立腺肥大症と聞くと、前立腺全体が大きくなっているという風に漠然と思われるかもしれませんが、実際は違っています。正常の前立腺は栗の実の形をしていて中心部に尿道が通っています。前立腺組織は尿道の周囲に存在する内腺と、その外側にある外腺に分けられます。前立腺肥大症は内腺が肥大・増殖して結節性の良性腫瘍を作ったものですが、もともとあった外腺は圧迫されて皮のように薄くなってしまいます。この状態はみかんに例えることができます。肥大した内腺はみかんの実、外腺(外科的被膜)はみかんの皮で、実の内部を通る尿道は両側からペチャンコに押し潰されて尿が通りにくくなっています。肥大した内腺と外腺(外科的被膜)の間には、あまり出血せずに無理なく剥がれる面があります。

前立腺肥大症の手術

前立腺肥大症の手術には色々な方法がありますが、いずれも肥大した内腺組織を除去して尿の通りを良くすることを目的にしています。その際、尿道粘膜も一緒に取り除かれてしまう訳ですが、尿道粘膜は短期間に再生しますので心配ありません。

開腹手術

最近では開腹手術を行うことはほとんどなくなりましたが、非常に大きな前立腺肥大症に対しては適応となることがあります。下腹部を切開して前立腺表面を露出し、外科的被膜を切開して肥大した内腺を一塊にして摘出します。前述したように、肥大した内腺と外腺(外科的被膜)の間にはもともと無理なく剥がれる面がありますので、開腹手術ではどんなに大きな前立腺肥大症でも完全に摘出することができ、手術後の排尿状態は非常に良くなります。しかし、開腹手術であり、出血量もある程度多くなりがちですので、患者さんの体に与える侵襲は一番大きくなってしまうことが欠点です。

経尿道的前立腺切除術(TURP:ティーユーアールピー)

現在、最も多く行われている標準的な手術方法です。下半身麻酔(腰椎麻酔)をかけた後、尿道から手術用内視鏡を挿入し、半円形のループ状電気メスで少しずつ切除し、後で切除された組織を洗い出します。手術中には小血管から出血しますので、視野をきれいに保つために常に灌流液(かんりゅうえき)を流しながら切除と止血を繰り返します。体表にはメスを入れませんので開腹手術と比べると低侵襲ですが、肥大した内腺をきれいに切除するにはかなり熟練を要する手術です。副作用としては、出血量が多くなることがある、灌流液が体内に吸収されて血液中のナトリウム濃度が下がり血圧低下、吐き気、意識障害など水中毒と呼ばれる症状がでることがある、などがあります。心臓の機能が悪い場合は要注意です。また、大きな前立腺肥大症では副作用の危険が高くなるためTURPを行うのが躊躇されることがあります。

ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP:ホーレップ)

最近、欧米を中心に始められた新しい内視鏡手術です。ホルミウムレーザーは、組織の深部に熱の影響を与えずに、表面で切開と止血が同時にできるのが最大の特徴です。前述した内腺と外腺の間の無理なく剥がれる面に沿って、ホルミウムレーザーで切開・止血しながら内腺全体をくり抜く(核出する)ように剥がしていきます。核出され遊離した前立腺組織は、後で専用の器械を用いて細かく裁断して吸引除去します。一言でいうと、尿道から挿入した内視鏡によって開腹手術と同じ内容の手術を低侵襲で行うことが可能になった訳です。HoLEPでは出血や水中毒の危険性は大幅に減少しました。また手術後の痛みも少なくなっています。一番の利点は、これまで開腹手術が必要だったり、内科的合併症のためTURPができなかった患者さんにも適用範囲が広がったことです。ただし、無条件にすべての患者さんに適用できるものではありません。非常に高額の医療器械であるため、HoLEPを行うことができる病院は現時点ではまだそれほど多くはありません。

当院では2005年7月に本装置を導入しました。現在のところ、TURPより手術時間が少し長くかかっていますので、下半身麻酔ではなく全身麻酔で行っています。手術後の排尿状態はTURPと比べても同等以上ですが、手術後尿道カテーテルを抜いた後に一時的な尿もれが多くの患者さんで認められます。手術前日に入院していただき、手術の翌々日に尿道カテーテルを抜き"、次の日に退院するという4泊5日の入院治療で行っています(患者様用の説明書をご参照下さい)。さらに詳しくは泌尿器科外来でお尋ね下さい。

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