- FDG-PET/CTとは
PET(Positron Emission Tomography)は核医学検査の一つですが、より解像度に優れた画像を得ることができます。当院では放射線医薬品メーカーによるFDGの商用供給を受けて検査を施行します。
FDGとはブドウ糖の類似体で、陽電子放出核種であるF-18(フッ素)で標識された放射性薬剤です。物理的半減期は約2時間です。腫瘍細胞では、一般に糖代謝が亢進しており、FDGはブドウ糖と同様のメカニズムで細胞内に取り込まれ、PET装置によって画像化されます。
当院に導入されたPET/CTは、16列CTとPET機を一体化した装置で、全身の高画質のCT画像とPETの情報を重ね合わせることができ、より高精度の診断が可能となります。およそ15〜20分程度で頭部から大腿部付近までの撮影が可能です。
- 検査の施行法
前処置として最も重要なのは、検査前4時間以上の絶食です。
検査当日は、まずFDG注射を行い、45〜60分間安静に待機の後撮影となります。撮影後も30分〜1時間程度待機していただきます。当日の所要時間は全体で約2時間〜3時間です。
- 臨床的適応について
現在、以下の腫瘍において健康保険の適用が認められていますが、それぞれの場合に適用となる条件が細かく規定されています。
(適用)肺癌・乳癌・大腸癌・悪性リンパ腫・頭頸部癌・膵癌・悪性黒色腫・原発不明癌・脳腫瘍
また、外科的治療を前提とした部分てんかん焦点の診断、および虚血性心疾患の心筋バイアビリティ診断にも保険適用は認められていますが、とくに後者については特別な検査法が必要であり、現在当院では施行していません。
FDGは脳、心臓、腎〜尿管〜膀胱、などの正常臓器に生理的に集積するため、これらの臓器の病変の評価は困難な場合があります。活動性の炎症や良性腫瘍にも集積する場合があり、病変の良悪性の判別が困難な場合もあります。また、一般には1cm以下の病変については集積の程度によっては検出困難です。PET/CTにも診断上の一定の限界が存在することをご理解ください。
- 安全性
PET/CT検査での被曝量の多くの部分はCT撮影による被曝で、これにより身体に放射線障害を起こすことはありません。また、FDGの薬剤としての安全性も極めて高く、ショックなどの重篤な副作用を生じた例は世界的にも知られていません。
- 運用にあたって
近年増加の一途をたどる悪性腫瘍症例の診療において、FDG-PET/CTは他の画像診断では得られない非常に有用な情報を提供します。当院においては、保険適用となる疾患の診断を中心に運用していきますが、総合保健管理センターとも連携した「PETがん検診」も行なってまいります。