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このたび、2008年4月〜2013年3月の5年間の倉敷中央病院新中期計画を策定するにあたり、私達は「病院中期戦略策定・推進委員会」を組織し、検討を進めてきました。委員会の中で、私達はこの財団法人倉敷中央病院が「どのような病院でありたいか」「どのような病院に変わりたいか」「自分達の力でどのような病院にしたいのか、できるのか」を基本に、当院の地域における役割と期待、また強みと弱点とは何か、当院を取り巻くさまざまな環境の変化をとらえた今後の機会・脅威は何か、予想される問題・課題は何か等について幅広くメンバーで議論を行ってきました。
1年以上にわたる議論をふまえ、2007年9月には委員会メンバーと全診療科主任部長との合同合宿を行い、そこでのさらなる議論を経て、新中期計画をここに策定しました。今年当院は創立85周年を迎えますが、今後さらなる発展をはかるため、10年後、20年後の諸情勢を見据えて、2500人の職員全員が一丸となってこの5年間、目指すべき方向、病院のとるべき施策をこの新中期計画に示しました。
今や日本を取り巻く世界の状況はまさに激動の時代にあります。私達は時代を取り巻く社会の急速な変化の流れの中で、倉敷中央病院の役割とあるべき姿を見失わず、果敢にチャレンジしていきたいと考えます。この新中期計画に示した内容、計画、目標を私達全員で達成し、5年後の2013年には自他共に認める日本のトップ病院として、医療の質の高い、倫理性を持った品格ある病院となるよう、その実現に向けた努力を行っていきたいと考えます。そして引き続き、持続的成長可能な真に時代に相応しいエクセレント病院として100周年を迎えられるよう発展していきたいと考えます。
- 前中長期ビジョン(2003年4月〜2008年3月)の評価
前中長期ビジョンは世界水準の医療を目指した地域ナンバーワン急性期基幹病院となることを目標として、それに相応しい施設・設備の整備を推進してきました。また、それを支える人材として医療職の採用も医師、看護師を中心に注力し充実させてきました。あわせて、近隣病院、診療所との地域医療連携の強化にも取り組み、2008年度には、中長期ビジョンの目標のひとつであった念願の地域医療支援病院認定の要件を満たすまでとなりました。これら量的な拡大と地域医療機関のご協力のもと、岡山県西部地域における急性期基幹病院としての支持をいただくことができたのではないかと考えます。
一方、質の面においては、医療安全対策をはじめ、各方面で質的向上の施策を実施してきましたが、いわゆる「医療の質」においては未だ多くの課題を残している状況です。人材育成、能力開発における全病院的取り組み、地域に開かれた病院として、地域の皆さまとのコミュニケーションのあり方の再検討も引き続き今後の課題と考えます。
- 新中期計画において取り組むべき課題と施策
- ミッションと医療倫理
課題1 ミッションの再認識と医療倫理の徹底
中期計画における施策
- ミッションステイトメントの作成
- 「財団法人倉敷中央病院倫理指針」及び「職業倫理規定」の見直し
- ミッションの職員への浸透と倫理教育の推進
- 質の高い効率的な医療提供体制の構築
課題2 医療技術水準のレベルアップ
中期計画における施策
- 国際交流による世界水準の医療の確保と地域への提供
- 病院トータルなデータベース(DWH)の構築と活用・評価
- ECM(治験、臨床研究、高度先進医療)への参加と推進
- 国内及び海外先進医療機関との交流推進
- 臨床医学研究所設立を視野に入れての臨床研究推進
- 化学療法センター(仮称)の設立
課題3 医療の質管理システムの構築
中期計画における施策
- 医療安全の確保
① ハイリスク部門ないしハイリスク作業の安全確保の推進
② インシデント・アクシデント分析と危険予知への活用
③ 安全教育の徹底
- EBMと診療ガイドラインとの整合性の取れた医療の推進
―EBMに基づくガイドラインの遵守とプロフェッショナルとしてのガイドラインを 超えた高度な管理された医療の実践、クリティカルパスの改良と実践
- クリニカルインディケーターの作成とベンチマークの推進
- ピアレビューの実施と推進(全病院的デスカンファレンスの実施)
- 他職種の尊重、連携によるチーム医療の実施(ケアプロセスの多職種共働による実践)
- 医療の質管理組織の設置
課題4 説明ある安心な医療の実践
中期計画における施策
- 患者参加システムの確立
- ガイドライン不適用治療、ハイリスク治療に対するインフォームドコンセントのレベルアップと実践
- インフォームドコンセント担当の専任コーディネーターの養成と病棟への導入
- 高度先進医療に対する患者へのインフォームドコンセントのレベルアップ
- 研究支援専門職(CRC)の養成と充実
- 患者の立場に立った分かりやすいインフォームドコンセントの実施(アニメーション等による患者への説明)
- 予期せぬ治療結果に対する、透明性のある説明の実施
- 地域完結型医療
課題5 地域完結型医療の推進
中期計画における施策
- 院内と地域との連携による地域チーム医療の実施と推進体制の構築
① 地域チーム医療の基礎となる患者データベース(Data Warehouse)の 構築
② 患者及び地域医療機関の視点に立った病々連携、病診連携の深化・ レベルアップ
③ 専門外来、紹介外来を中心とするための再来患者の逆紹介システムの 構築
- 4疾病5事業への積極的参加
- 入退院支援センターの設置によるペーシェントフローマネジメントの推進
- 緩和ケア医療の地域的展開と緩和ケア病棟の設置
- 医療提供基盤の整備
課題6 急性期基幹病院を支えるハード・システムの整備
中期計画における施策
- 第3棟、第5棟及び第1棟の更新建設計画の実施と推進
- 急性期病院を支える次世代電子カルテシステムの更新導入実施
- 高度先進医療を支える高額医療機器の新規導入及び更新
- 手術センターと集中治療センターのハード及び運営体制の改革
- 救命救急医療部門のハード・人員体制の拡充
- 総合周産期母子医療センターの拡充
課題7 人材確保と育成、学ぶ組織づくり、働きやすい職場環境づくり
中期計画における施策
- 国際交流の推進による優秀な若手医師の確保とモチベーションアップ、能力育成
- 海外派遣制度の新設や国際学会への参加奨励による医師、コメディカルの能力開発とモチベーションアップ
- 海外の先進医療を推進している医師の招聘、講演会開催の促進
- 各診療科の次世代の中心的役割を担う医師の採用
- 若手医師の安定的確保
―シニアレジデント、ポストシニアレジデントに焦点をおいた医師の採用体制 の充実
- 人材開発センターの設置
① 医師、コメディカル、事務職を含め全職種の採用を担当する部門の 設置検討
② 教育研修委員会を人材開発センター内に位置づけ、全職種の教育を 担当する
③ 教育研修機能の充実
④ 職員交流センターの設置
- 「女性医師の働きやすい環境作り委員会」・「院友会」等の提言を受け、女性職場環境の改善、フレキシブルな勤務条件の構築
- 各部門長の役割、権限を明確化し、処遇制度に反映した人事評価制度の見直し
- 休日増に向けた検討及び年休取得率の向上対策の実施
- 医療技術習得のためのシミュレーション設備の充実による医療技術の向上
- 学習支援システムの強化
―ガイドライン、最新医療情報へのアクセス支援(IT活用)
課題8 現場の自主性尊重と秩序との調和
中期計画における施策
- 各部門各診療科の中期計画、年次計画、診療方針、医療安全・人材育成の目標策定と自己評価システムの検討実施
- 各部門の責任・義務の明確化と部門の自由・自主性を尊重したマネジメントシステムの導入、実施
- 各部門の地域への貢献目標と評価の実施
- 内部統制機能の強化
- 安定した経営基盤の確保
課題9 医療費抑制政策に対応した増収策並びに低コスト構造の構築
中期計画における施策
- 病々・病診連携の推進による地域支援病院の認定取得と入外患者の紹介、逆紹介の徹底
- 7:1看護配置から6:1ないし 5:1への展望
- コスト管理を重視したマネジメントシステムの導入実施
課題10 病院リスク管理の徹底
中期計画における施策
- 重大医療事故、院内感染の防止対策
- 情報システムの災害対策、システムダウンからの迅速な復旧対応
- 情報セキュリティ対策
- 大規模災害発生に対応した設備、対策の充実(病院ライフラインの確保)
- 病院コンプライアンス体制の充実
−コンプライアンス監査室(委員会)の活動
- 地域社会への貢献
課題11 CSR(社会的責任)の追求
中期計画における施策
- 新公益法人制度によるガバナンス体制の見直し
- 病院から地域に対する情報発信、広報活動の実施と充実
- 地域モニター制度を設け、病院運営に対する意見交換の実施
- 市民公開健康講座、市民を対象とした医学講座の促進
- 僻地等地域貢献のあり方の検討
- 職員の地域活動に対する積極的支援
- 省エネ・省資源化等による地球環境への貢献
新中期計画の活動イメージ図
倉敷中央病院が目指すExcellent Hospital(すばらしい病院)の概念
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