2019年度 倉敷中央病院 病院指標
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 1,876 | 638 | 874 | 1,197 | 1,757 | 2,206 | 4,926 | 8,629 | 5,256 | 1,066 |
※対象:2019.4.1~2020.3.31退院患者
※入院した時点での年齢で集計
◆解説
社会の高齢化を反映して、当院の入院患者は70歳代がもっとも多く、80歳代、60歳代が続いていますが、全年齢層にわたって多くの患者さんを受け入れています。当院小児科では、新生児集中治療室(NICU)を有しており、他施設からの紹介も多いために、0歳代の入院患者が多くなっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
小児科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040090xxxxxx0x | 気管支炎に対する治療 | 109 | 5.66 | 6.19 | 0.00% | 0.69 | |
040100xxxxx00x | 喘息に対する治療 | 101 | 5.04 | 6.64 | 0.00% | 3.64 | |
0400801199x00x | 肺炎(1歳以上15歳未満)に対する治療 | 65 | 5.62 | 5.69 | 0.00% | 3.23 | |
110310xx99xx0x | 尿路感染症に対する治療 | 55 | 9.09 | 12.58 | 3.64% | 2.00 | |
140010x199x00x | 早産児、新生児に関連する障害(出生時体重2500g以上)に対する治療 | 53 | 6.87 | 6.17 | 15.09% | 0.00 |
◆解説
年間およそ2,000名の入院の約50%が喘息、気管支炎、肺炎などの呼吸器疾患、熱性けいれんといったいわゆる一般小児科疾患で、それらの治療にあたっています。残りの約50%で、新生児・早産児(1,000g未満の超低出生体重児を含む)、循環器、腎臓、血液・腫瘍、アレルギー、内分泌代謝疾患、心身症など幅広く専門分野の診療をおこなっています。小児の、いわゆるcommon diseaseを幅広く診療しながら、それに加えて、それぞれの専門分野においても高い水準の医療を提供しています。
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060335xx02000x | 胆のう炎に対する腹腔鏡下手術 | 143 | 6.64 | 7.13 | 4.20% | 66.10 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 |
060150xx03xxxx | 虫垂炎に対する手術 | 142 | 5.46 | 5.45 | 0.70% | 41.15 | 虫垂切除術 小児外科 虫垂切除術(穿孔なし) |
060160x001xxxx | 鼡径ヘルニアに対する手術 | 132 | 4.30 | 4.85 | 2.27% | 71.10 | 鼠径ヘルニア根治術 腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術 |
060035xx01000x | 結腸の悪性腫瘍に対する手術 | 115 | 12.98 | 15.02 | 7.83% | 72.15 | 結腸手術(RS含む) 結腸手術(RS含む) 経口補水 |
060020xx02x00x | 胃の悪性腫瘍に対する手術 | 97 | 12.51 | 16.12 | 4.12% | 67.97 | 胃切除術 腹腔鏡下胃切除術 |
◆解説
消化器、乳腺疾患および小児に対する手術、化学療法から緩和ケアまでを行っています。
2019年の手術総数は2,048例で、そのうち癌に対する手術は約650件でした。
救急医療にも力を入れており、急性虫垂炎・急性胆嚢炎・穿孔性腹膜炎などの急性腹症に対する緊急手術を666例に行いました。
小児外科常勤医が2名に増えたのと、泌尿器疾患も手術可能となったことで、小児外科手術件数は2016度から150例、208例、249例、256例と増加しています。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx01xxxx | 大腿骨近位部骨折に対する手術 | 195 | 19.80 | 25.94 | 90.26% | 80.33 | |
070230xx01xxxx | 膝関節症に対する人工膝関節置換術 | 123 | 25.62 | 23.56 | 19.51% | 75.40 | |
160610xx01xxxx | 外傷性肩腱板断裂に対する手術 | 122 | 20.92 | 17.74 | 62.30% | 68.56 | |
070050xx97xxxx | 肩関節炎、腱板断裂に対する手術 | 120 | 24.92 | 22.91 | 50.00% | 70.84 | |
07040xxx01xxxx | 大腿骨頭壊死、股関節症に対する人工股関節置換術 | 113 | 22.77 | 21.53 | 21.24% | 69.60 |
◆解説
高齢者の大腿近位部骨折が多く、地域連携パスを使用し、早期転院、早期リハビリを行っています。
股関節、膝関節の人工関節置換術や、肩腱板手術のための入院も多くみられます。
皮膚科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080010xxxx0xxx | 急性膿皮症 | 51 | 12.29 | 12.55 | 3.92% | 67.55 | |
080020xxxxxxxx | 帯状疱疹 | 29 | 9.24 | 9.00 | 0.00% | 72.38 | |
080100xxxx0xxx | 薬疹 | - | - | - | - | - | |
161070xxxxx00x | 薬剤アレルギー | - | - | - | - | - | |
080110xxxxx0xx | 自己免疫性水疱症 | - | - | - | - | - |
◆解説
急性の細菌感染症(急性膿皮症)やウイルス感染症(帯状疱疹など)は、主として点滴で治療します。重症の薬疹では、ステロイドの内服(ときに点滴)を行うことが多いです。必要に応じて原因薬の検索も行います。天疱瘡や水疱性類天疱瘡などの自己免疫性疾患では、ステロイドや免疫抑制剤(おもに内服)のほか、免疫グロブリンの大量投与(点滴)を行うこともあります。皮膚の悪性腫瘍では、腫瘍の種類や進行度などに応じて、点滴を中心とした治療が選択されます。
泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110070xx0200xx | 膀胱がんに対する経尿道的膀胱腫瘍切除術 | 209 | 4.73 | 7.07 | 0.00% | 75.24 | TURBT(腰麻) |
11012xxx020x0x | 腎臓または尿管の結石に対する経尿道的内視鏡手術 | 73 | 5.75 | 5.61 | 1.37% | 64.71 | |
110080xx01xxxx | 前立腺がんに対する手術(ロボット支援手術または開腹による手術) | 65 | 9.88 | 12.18 | 0.00% | 68.23 | ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術 |
11001xxx01x0xx | 腎がんに対する手術 | 58 | 9.38 | 11.14 | 0.00% | 69.02 | |
110200xx02xxxx | 前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺手術 | 49 | 7.59 | 8.52 | 2.04% | 73.57 | 経尿道的前立腺切除 ホルミウムレーザー前立腺核出術 TURBT(全麻) |
◆解説
1番目に多い治療は、膀胱がんに対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)です。当院は膀胱がんの年間新患数が100~120人と非常に多いため、TUR-Btの手術件数(入院・外来を合わせて)は年間220~250件あります(表の数字は入院の件数です)。膀胱がんは初回手術後2年以内の再発率が高いため、再発腫瘍に対するTUR-Btの手術件数も多いのが特徴です。
2番目に多い治療は、腎尿管結石に対する経尿道的砕石術です。細径の内視鏡を用いてレーザーで結石を破砕します。当院には体外衝撃波結石破砕装置もありますが、砕石効果の確実性から最近では経尿道的砕石術のほうが主流になっています。
3番目に多い治療は、前立腺がんに対する根治的前立腺全摘除術です。現在、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(ダヴィンチ手術)が大多数を占めており、開腹手術は医学的理由からダヴィンチ手術が適応とならない場合に限られています。
4番目に多い治療は、腎がんに対する根治的腎摘除術あるいは腎部分切除術です。根治的腎摘除術の多くは腹腔鏡下手術で施行し、腎部分切除術はロボット支援腎部分切除術(ダヴィンチ手術)で行っています。
5番目に多い治療は、前立腺肥大症に対する経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術です。出血量が少なく、非常に大きな前立腺肥大でもほとんど合併症を起こさず手術できる優れた方法ですので、当院ではほぼ全例この方法で行っています。
産婦人科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120180xx01xxxx | 帝王切開後の妊娠、骨盤位、前期破水に対する帝王切開手術 | 191 | 9.73 | 9.66 | 0.00% | 32.11 | 帝王切開 |
120260xx01xxxx | 分娩停止、胎児ジストレスに対する帝王切開手術 | 116 | 9.07 | 9.53 | 0.00% | 32.34 | 帝王切開 |
120170xx99x0xx | 切迫早産に対する治療 | 64 | 18.81 | 19.06 | 3.13% | 30.86 | |
12002xxx02x0xx | 子宮頸部の悪性腫瘍に対する手術 | 53 | 2.94 | 3.13 | 0.00% | 44.75 | 円錐切除2泊3日 |
120060xx02xxxx | 子宮の良性腫瘍に対する手術 | 49 | 7.55 | 6.09 | 0.00% | 43.39 | 腹腔鏡下子宮全摘(TLH) |
◆解説
当院産婦人科は、総合周産期母子医療センターに指定されていることもあり合併症妊娠や切迫早産の方を多く取り扱っています。合併症としては、糖尿病や甲状腺機能異常、高血圧、心疾患などの内科的合併症のある方やこれまでに早産や妊娠高血圧症候群などを発症されたことのある方など、多岐にわたります。また急に発症した胎盤機能不全や胎盤早期剥離などで救急搬送される症例も多くあります。婦人科に関しては卵巣の腫瘍、子宮の腫瘍に対して腹腔鏡手術を含む手術療法を中心とした治療を行っています。悪性腫瘍に対しては、必要に応じて手術、化学療法、放射線療法を組み合わせて集学的治療を行っています。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障に対する手術(片眼) | 460 | 2.98 | 2.78 | 0.00% | 73.87 | 白内障短期(3日間) |
020110xx97xxx1 | 白内障に対する手術(両眼) | 334 | 4.96 | 5.09 | 0.30% | 76.11 | 白内障手術(5日間) |
020220xx97xxx0 | 緑内障に対する手術 | 67 | 11.45 | 7.53 | 0.00% | 65.36 | |
020160xx97xxx0 | 網膜剥離に対する手術 | 44 | 13.66 | 9.33 | 4.55% | 59.23 | |
020200xx9710xx | 網膜前膜・黄斑円孔に対する手術 | 40 | 7.18 | 6.71 | 0.00% | 70.88 |
◆解説
保存的治療では不十分な重症の緑内障に対する緑内障手術を多く行っています。また、急性期病院である当院の眼科は、緊急手術が必要な網膜剥離を多く治療しています。黄斑円孔や黄斑前膜など視力に重大な影響を与える黄斑疾患の治療には、硝子体手術を行い多くの患者さんを治療しています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030230xxxxxxxx | 慢性扁桃炎、扁桃肥大に対する手術 | 161 | 6.66 | 7.80 | 0.00% | 22.79 | 口蓋扁桃摘出手術(小児) 口蓋扁桃摘出手術(成人) アデノイド切除,鼓膜チューブ留置術 |
030440xx01xxxx | 耳炎性疾患に対する中耳手術 | 99 | 6.62 | 7.85 | 0.00% | 46.47 | 鼓室形成術 |
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎に対する治療 | 74 | 5.12 | 5.45 | 1.35% | 46.51 | |
030150xx97xxxx | 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍に対する手術 | 70 | 6.16 | 7.24 | 0.00% | 55.26 | ELPS・TOVS 唾液腺手術(耳下腺・顎下腺) 鼻手術(全麻,両側) ラリンゴマイクロ手術 |
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎に対する内視鏡手術 | 69 | 6.74 | 6.80 | 0.00% | 58.04 | 鼻手術(局麻,両側) 鼻手術(全麻,両側) |
◆解説
当院耳鼻咽喉科・頭頸部外科では、他院からの紹介患者の手術中心の診療を行っています。扁桃摘出術、鼓室形成術、甲状腺悪性腫瘍手術が最も多く、その他、頭頸部悪性腫瘍手術、副鼻腔内視鏡手術、唾液腺腫瘍手術、喉頭声帯手術など、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域のほぼ全ての手術を行っています。
形成外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080006xx01x0xx | 皮膚悪性腫瘍に対する手術 | 36 | 5.36 | 7.90 | 0.00% | 74.83 | 皮膚・皮下腫瘍切除術(局麻) |
070010xx010x0x | 軟部腫瘍に対する手術 | 32 | 2.56 | 5.41 | 0.00% | 50.66 | |
180060xx97xxxx | 皮膚腫瘍に対する手術 | 30 | 2.43 | 6.39 | 0.00% | 34.67 | |
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂に対する手術 | 27 | 2.15 | 3.10 | 0.00% | 71.26 | 局所麻酔手術(眼瞼) |
100100xx97x0xx | 皮膚潰瘍に対する手術 | 23 | 17.70 | 24.27 | 8.70% | 64.00 |
◆解説
当院では皮膚悪性腫瘍の手術加療は基本的に形成外科が担当しております。局所麻酔での局所皮弁手術では1泊2日のこともあれば、植皮術を行う場合には10日間ほどの入院を要することもあります。
脂肪腫をはじめとする、軟部腫瘍は基本的に入院手術で対応しており、小範囲のものは1泊の局所麻酔下の入院手術となり、広範囲の場合は全身麻酔下での対応で2泊以上での入院治療となります。
良性の皮膚・皮下腫瘍切除の場合でも小児では入院全身麻酔を要します。また、比較的大きな病変の場合には局所麻酔手術でも1泊入院を要することがあります。
眼瞼下垂症は高齢化社会、またQOL(生活の質)の意識向上とともに増加してきている疾患です。当院形成外科では両側の場合には基本的に1泊から2泊の入院手術で対応していますが、片側の場合は外来手術を行うこともあります。
糖尿病性足病変、慢性皮膚潰瘍に対しては、入院のうえ、感染制御、創傷管理を行い、極力短期間での日常生活復帰、患肢温存を目指しています。
心臓血管外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050080xx01010x | 弁膜症に対する手術 | 95 | 19.13 | 23.77 | 14.74% | 68.32 | 心血管手術(軽症・中等症) |
050163xx02x10x | 腹部大動脈瘤人工血管置換術(非破裂) | 41 | 15.49 | 19.82 | 9.76% | 70.85 | |
050161xx97x10x | 解離性大動脈瘤人工血管置換術 | 40 | 22.25 | 27.88 | 45.00% | 72.08 | |
050163xx03x0xx | 腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿入術(非破裂) | 40 | 8.88 | 11.75 | 7.50% | 78.63 | ステントグラフト内挿術 |
050163xx03x10x | 腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿入術(非破裂)、処置あり | 24 | 9.88 | 15.67 | 16.67% | 77.67 |
◆解説
弁膜症は複合例を含めると年間276例あり、形成術を積極的に行っています(僧房弁形成:57例、大動脈弁形成:18例)。小切開MICS手術も47例施行しています。2017年に3D内視鏡を導入し、完全内視鏡下手術を開始しました。経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は年間100例を循環器内科との合同チームにて行っています。大動脈弁狭窄症の患者さんで80歳未満の場合は、外科的人工弁置換、80歳以上の場合はTAVIの適応を考慮するようにしています。
大動脈瘤についてはステントグラフト施行率は胸部瘤で23%、腹部瘤では50%で、症例を選択して行っています。解離性大動脈瘤の緊急手術は近隣県からの紹介も多いです。冠動脈バイパス術は複合例を含めて、年間90例です。病変の進行度が軽ければカテーテル治療を勧めています。糖尿病や腎臓病を合併する場合は病変の進行も早く、バイパス術の適応になることが多くなります。
呼吸器外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx97x0xx | 肺の悪性腫瘍に対する手術 | 236 | 10.32 | 11.51 | 0.85% | 70.67 | 肺葉・肺区域切除術 肺部分切除術 |
040200xx01x00x | 気胸に対する手術 | 35 | 9.57 | 10.18 | 2.86% | 24.94 | 気胸手術 肺瘻閉鎖術 肺部分切除術 |
040200xx99x00x | 気胸に対する手術以外の治療 | 33 | 7.48 | 9.11 | 3.03% | 33.88 | |
040040xx9905xx | 肺の悪性腫瘍に対する化学療法 | 25 | 21.04 | 20.04 | 0.00% | 69.92 | |
040310xxxxxxxx | 肺結節に対する手術 術後肺瘻・気管支瘻に対する手術 |
21 | 12.33 | 10.53 | 0.00% | 67.19 |
◆解説
「肺の悪性腫瘍に対する手術」:当院呼吸器外科は原発性肺癌の手術件数において、全国でも有数のハイボリュームセンターとして知られています。特徴としては、患者の平均年齢は70歳以上であるにもかかわらず(80歳以上も毎年30人以上)、平均在院日数は10日台と短く、しかもそのほとんどが転院ではなく自宅へ退院されている点にあります。これは低侵襲な胸腔鏡手術が主体となっていることと、手術の合併症が少ないことによります。 また昨年度からはロボット支援下胸腔鏡下肺癌手術も開始し、順調に症例数を伸ばしております。一方、ⅢA期の局所進行肺癌に対しても呼吸器内科・放射線科と協力して術前導入療法後に積極的に手術に持ち込み、その根治性の向上に努めています。また近年脚光を浴びている免疫チェックポイント阻害剤を術前治療に使用して更なる成績向上を狙ったグローバルな治験にも参加しています。
「気胸に対する手術」:当科の気胸の手術の特徴は、若年者には細径胸腔鏡(3mm径)を用いて、手術創が極力残らないような配慮をしている事、また高齢者が主体の難治性の気胸に対しても手術の意義があると考えられる患者さんには積極的に手術を行なっている点です。
「気胸に対する手術以外の治療」:初発の自然気胸・高度肺気腫などによる続発性気胸には初回治療として原則的には手術ではなく、保存的治療(胸腔ドレナージ・胸膜癒着・EWS等)を行なっています。
「肺の悪性腫瘍に対する化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)」:当院では術後の補助化学療法は原則的に呼吸器外科で実施しており、初回コースの化学療法、高齢者等で外来化学療法が困難な患者様には入院の上、加療しています。
「膿胸や肺膿瘍に対する手術」:当科の特徴の一つに、肺がんをはじめとする肺悪性腫瘍の手術のみならず、感染症手術(膿胸や肺膿瘍に対する手術)も多岐にわたり実施している点です。特に肺アスペルギルス症や線維空洞型非結核性抗酸菌症など、手術難度が高く、また全身状態も不良な症例も多くみられますが、内科的治療で行き詰まった場合などに当科では積極的に外科療法を施行しています。このような症例は術後も厳重な管理が必要で、どうしても在院日数は長くなる傾向があります。
循環器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050050xx02000x | 狭心症、慢性虚血性心疾患に対するカテーテル手術 | 640 | 3.01 | 4.40 | 0.78% | 71.41 | PCI |
050050xx99100x | 狭心症、慢性虚血性心疾患に対するカテーテル検査 | 570 | 2.21 | 3.01 | 0.53% | 71.47 | 不安定狭心症 入カテ 橈 上 正常腎機能 |
050070xx01x0xx | 頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術 | 543 | 3.74 | 5.02 | 0.74% | 64.95 | AF3日パス(高周波or balloon) |
050130xx99000x | 心不全に対する治療 | 329 | 16.36 | 17.71 | 23.40% | 81.27 | ペースメーカ抜去術パス |
050210xx97000x | 徐脈性不整脈に対するペースメーカー留置術 | 282 | 8.73 | 10.80 | 8.16% | 78.89 | ICD新規植込み 7日間 ペースメーカー植込み 5日間 CRT CRT-D新規植込み 7日間 |
◆解説
循環器内科で、最も多い疾患は狭心症です。狭心症診断は現在、外来で、非侵襲的画像検査として、冠動脈CTや心臓MRIが行う場合が増えてきていますが、最終診断を得るためには冠動脈造影が必須です。入院の上、冠動脈造影を行い、その所見などから、血行再建術として、低侵襲治療である冠動脈インターベンション(PCI)を行う機会が多い現状です。現在は、ほとんどの症例で、再狭窄予防効果の強い、薬剤溶出性ステントを使用しています。また、当科では、安定型の冠動脈疾患に加え、ST上昇型急性心筋梗塞を含む、急性冠症候群に対しても、多くのPCI症例を行っています。
不整脈疾患では、非薬物療法治療として、カテーテルアブレーションを行っていますが、その中で、最も多い疾患は心房細動です。従来の高周波カテーテルアブレーションに加え、新しいタイプのクライオアブレーションも導入し、手技時間の短縮が可能となっています。
脳神経内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸症候群に対する検査と治療 | 307 | 2.00 | 2.03 | 0.00% | 59.98 | |
010110xxxxx40x | 免疫介在性・炎症性ニューロパチーに対するガンマグロブリン療法 | 73 | 10.14 | 15.90 | 2.74% | 63.33 | |
010080xx99x001 | 脳炎・髄膜炎に対する治療(15歳以上) | 42 | 13.60 | 12.00 | 2.38% | 42.95 | |
010090xxxxx00x | 多発性硬化症・視神経脊髄炎に対する治療 | 27 | 12.59 | 14.46 | 11.11% | 38.67 | |
010230xx99x00x | てんかんに対する治療 | 26 | 8.77 | 7.10 | 3.85% | 60.42 |
◆解説
神経炎症性疾患が多いのが特徴と言えます。ギラン・バレー症候群(GBS)、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)を代表とする、免疫介在性・炎症性ニューロパチーに関しては特に経験は豊富です。脳脊髄の炎症性疾患(脳炎・脊髄炎・多発性硬化症)も経験は豊富です。運動ニューロン疾患、パーキンソン症候群などの変性疾患も診断を中心として多く経験があります。てんかん診療も豊富な経験があります。
消化器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060340xx03x00x | 胆管結石、胆管炎に対する内視鏡手術 | 451 | 7.59 | 9.79 | 5.32% | 73.42 | ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影) 経皮経肝胆管ドレナージ、経皮経肝胆嚢ドレナージ |
060020xx04x0xx | 胃の悪性腫瘍に対する内視鏡手術 | 230 | 6.88 | 8.27 | 0.00% | 73.12 | 内視鏡的胃粘膜切除術(当日入院) |
060100xx01xx0x | 大腸の良性腫瘍に対する内視鏡手術 | 209 | 2.29 | 2.63 | 0.00% | 67.72 | 大腸ポリペクトミー(トランサミンなし) 大腸ESD(粘膜下層剥離術) |
060210xx99000x | 腸閉塞に対する内科的治療 | 113 | 7.59 | 8.89 | 2.65% | 69.88 | |
060340xx99x00x | 胆嚢炎、胆管炎に対する治療 | 82 | 9.26 | 9.68 | 10.98% | 72.07 |
◆解説
当院は岡山県西部地域の救急医療の最後の砦として多数の救急患者が搬送され、年間の救急車の受け入れ台数は1万台を超えます。消化器内科には、胆石発作、胆管炎、腸閉塞などの患者さんが多数搬送されており、数多くの患者さんが入院されています。一方で、癌拠点病院として多くの消化器系の悪性腫瘍の患者さんが入院されており、なかでも胃癌はまだまだ少なくなく、多くの方が早期胃癌で内視鏡的に切除を受けられています。また、多くの大腸ポリープの内視鏡切除術も行われています。当院が救急拠点病院だけでなく、地域がん診療連携拠点病院としても地域で重要な役割を担っている特徴が非常によく反映されたものと思います。
呼吸器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040110xxxxx0xx | 間質性肺炎に対する検査・治療 | 275 | 16.99 | 18.84 | 5.82% | 73.54 | |
040040xx9910xx | 肺の悪性腫瘍に対する検査・治療 | 119 | 3.79 | 3.34 | 0.84% | 73.29 | |
040040xx9900xx | 肺の悪性腫瘍に対する治療 | 100 | 19.29 | 14.62 | 23.00% | 74.43 | |
040081xx99x00x | 誤嚥性肺炎に対する治療 | 80 | 20.44 | 20.84 | 51.25% | 84.30 | |
040120xx99000x | 慢性閉塞性肺疾患に対する治療 | 58 | 9.93 | 13.61 | 6.90% | 75.79 |
◆解説
当科は各種の間質性肺炎の診断・治療に注力しており、呼吸器内科の診断群分類別患者数では、間質性肺炎が一番多くなっています。また、数多くの肺癌患者を受け入れており、診断のために短期間入院していただくことや、手術できない肺癌については外来および入院で化学療法や放射線療法を行っています。高齢者人口の増加を反映して、誤嚥性肺炎や慢性閉塞性肺疾患の入院も多くみられます。
糖尿病内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
100070xx99x100 | 末梢循環不全のない2型糖尿病患者に対するインスリン療法 | 78 | 12.71 | 13.72 | 0.00% | 65.41 | 糖尿病教育入院 |
100071xx99x110 | 末梢循環不全や慢性腎不全を併発した2型糖尿病患者に対するインスリン療法 | 51 | 16.59 | 14.74 | 1.96% | 69.53 | |
100070xx99x000 | 末梢循環不全のない2型糖尿病患者に対する教育入院 | 36 | 9.86 | 10.84 | 0.00% | 57.50 | |
100040xxxxx00x | 高血糖性昏睡に対する治療 | 33 | 15.39 | 13.41 | 9.09% | 55.45 | |
100070xx99x110 | 末梢循環不全のない慢性腎不全を併発した2型糖尿病患者に対するインスリン療法 | 14 | 12.57 | 15.20 | 0.00% | 66.64 |
◆解説
2型糖尿病は年間300症例前後の新規入院があり、1型糖尿病の入院患者も比率的に多く、また急性期病院としての特徴です。
糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡の入院加療も、救急部との協力体制のもと積極的に行っています。
腎臓内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110280xx99000x | 慢性腎炎の薬物療法、慢性腎不全教育入院 (合併症精査、食事指導、透析療法の説明など) | 141 | 9.82 | 11.67 | 7.09% | 65.91 | ステロイドパルス(1クール:3日間) ステロイドパルス(2クール:10日間) 慢性腎不全教育入院 |
110280xx991x0x | 腎生検入院(腎炎の精密検査) | 68 | 4.22 | 7.00 | 0.00% | 48.16 | 腎生検(4日間) |
110280xx99010x | 透析導入(血液透析、腹膜透析の開始) | 64 | 14.70 | 14.23 | 10.94% | 69.77 | 透析導入期指導連携 |
110280xx02x00x | 腎不全に対する内シャント設置術、修復術、拡張術 | 64 | 6.25 | 8.48 | 4.69% | 70.22 | シャント手術(1泊) |
110260xx99x0xx | ネフローゼ症候群に対する治療 | 48 | 21.69 | 20.93 | 6.25% | 67.35 |
◆解説
腎臓内科では腎炎の薬物療法、腎不全の精査・教育入院が多く、ネフローゼの場合は利尿薬、食事指導が重要となります。腎炎の原因精査は腎生検で行います。透析関連ではシャント作製・修復術と透析導入時の入院が多くなっており、手術、透析導入後は最寄りの透析施設で透析を続けていただきます。
血液内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
130030xx99x40x | 非ホジキンリンパ腫に対するリツキシマブ併用化学療法 | 210 | 14.51 | 15.79 | 9.05% | 74.60 | |
130060xx99x4xx | 骨髄異形成症候群に対する化学療法(アザシチジン) | 122 | 11.25 | 10.43 | 0.00% | 74.15 | |
130010xx97x2xx | 急性白血病に対する輸血を要した化学療法 | 94 | 41.22 | 39.36 | 2.13% | 60.62 | |
130030xx99x30x | 非ホジキンリンパ腫に対する化学療法のみでの治療 | 72 | 13.81 | 16.50 | 4.17% | 66.58 | |
130060xx97x40x | 骨髄異形成症候群に対する輸血を要した化学療法(アザシチジン) | 53 | 20.89 | 20.30 | 1.89% | 70.43 |
◆解説
当院血液内科に入院される方の疾患で最も多いのは非ホジキンリンパ腫ですが、その中でもB細胞性リンパ腫に対しての、抗CD20抗体であるリツキシマブを含んだ化学療法が中心になります。平均年齢が70歳を越えますが、初回治療は入院で行い、問題がないことを確認して外来診療に変更し、治療の安全性確保と在院日数の短縮を心がけています。骨髄系腫瘍では、骨髄異形成症候群に対するアザシチジンを用いた治療が非常に増加しており、次いで急性白血病に対する化学療法となります。
内分泌・代謝内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
100140xx99x2xx | バセドウ病に対する放射性ヨード内用療法 | 30 | 9.73 | 9.43 | 0.00% | 50.50 | バセドウ病放射性ヨード内用療法 |
100180xx990x0x | 原発性アルドステロン症を含む、機能性副腎疾患に対する検査および治療 | 21 | 5.14 | 6.24 | 0.00% | 56.33 | |
100180xx991xxx | 原発性アルドステロン症に対する副腎静脈サンプリング検査 | 18 | 4.83 | 3.80 | 0.00% | 52.94 | |
100220xx99xxxx | 原発性副甲状腺機能亢進症に対する検査 | 18 | 4.39 | 10.28 | 0.00% | 64.00 | 原発性副甲状腺機能亢進症 |
100250xx99100x | 下垂体機能低下症に対する下垂体前葉機能検査 | 10 | 4.70 | 3.65 | 0.00% | 45.30 |
◆解説
多くのバセドウ病患者は外来で薬物療法を行いますが、難治例や有害事象のため薬物を継続できない場合は入院の上、放射性ヨウ素内用療法を施行しており、主要な入院疾患(30名、15%)となっています。また、原発性アルドステロン症は日本人の高血圧症の5~6%にのぼる頻度の高い疾患であることやそのスクリーニング法が周知されるようになったことから、当科でも原発性アルドステロン症の確定診断のための副腎機能検査(内分泌負荷試験)を行う機会が増え、入院患者の多くの割合(21名、10%)を占めるようになっています。これに伴い、原発性アルドステロン症の患者に対し局在診断のための副腎静脈サンプリングを施行する機会も増え、2019年度は18名に施行いたしました。さらには原発性副甲状腺機能亢進症の患者に対し手術適応の判定や副甲状腺腫瘍の局在診断を行うための入院や下垂体機能低下症に対し下垂体前葉機能検査(内分泌負荷試験)を行う入院が多くなっています。
リウマチ科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
070560xx99x00x | 膠原病に対する診断と治療 | 34 | 21.82 | 15.48 | 8.82% | 69.32 | |
070470xx99x0xx | 関節リウマチに対する治療 | 27 | 19.52 | 16.09 | 33.33% | 73.07 | |
070560xx99x6xx | 膠原病に対する大量ガンマグロブリン療法 | 15 | 44.87 | 25.15 | 26.67% | 66.00 | |
070560xx99x01x | 口腔カンジダ症を発症した膠原病に対する治療 | 13 | 42.38 | 25.61 | 23.08% | 64.54 | |
110310xx99xx0x | 急性腎盂腎炎、尿路感染症に対する治療 | - | - | - | - | - |
◆解説
膠原病症例が最多で、他科と連携して診断・治療を進めています。膠原病ではステロイド大量療法や免疫抑制剤を用いて治療しています。次いで関節リウマチの入院が多くなっています。生物学的製剤の導入時は2日の入院です。その他、尿路感染症など感染症の入院があります。
脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010060x2990201 | 脳梗塞 | 181 | 14.51 | 16.16 | 43.65% | 71.59 | |
160100xx97x00x | 頭部外傷 | 101 | 4.35 | 9.67 | 14.85% | 79.37 | 穿頭血腫除去術(同日) |
010040x099000x | 脳内出血 | 77 | 16.32 | 18.81 | 71.43% | 68.22 | 脳血管撮影 |
010060x2990211 | 脳梗塞 | 75 | 13.17 | 18.54 | 38.67% | 78.12 | |
010030xx9910xx | 未破裂脳動脈瘤 | 49 | 3.39 | 3.01 | 0.00% | 64.92 | 脳血管撮影 |
◆解説
我々の施設では、年間の入院患者約1,400名のうち急性期脳卒中患者が入院の7割を占めており、多数の脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血患者の治療を行っています。また、三次救命救急センターに指定されており、頭部外傷患者も多数入院します。
救急科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160100xx99x00x | 外傷性頭蓋内損傷に対する保存的治療 | 52 | 6.00 | 7.34 | 17.31% | 53.81 | |
160100xx97x00x | 外傷性頭蓋内損傷に対する治療 | 25 | 7.80 | 9.67 | 16.00% | 66.80 | |
160400xx99x1xx | 胸部損傷に対する治療 | 17 | 16.88 | 15.53 | 52.94% | 73.59 | |
160400xx99x00x | 胸部損傷に対する保存的治療 | 14 | 8.43 | 8.73 | 14.29% | 61.43 | |
160990xx97x0xx | 多部位損傷に対する治療 | 13 | 21.08 | 17.20 | 69.23% | 70.15 |
◆解説
当院における救急科入院の対象は「複数科に跨る多発外傷」が主です。表にお示ししたものはこれらのうち上位5項目ですが、救急外来での初療から、集中治療を経て転院または退院まで、切れ目のない診療を行っています。
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110310xx99xx0x | 尿路感染症等に対する治療 | 91 | 12.85 | 12.58 | 24.18% | 73.44 | |
040081xx99x00x | 誤嚥性肺炎に対する治療 | 78 | 12.45 | 20.84 | 58.97% | 84.60 | |
161070xxxxx00x | 薬物中毒及び刺症等に対する治療 | 35 | 3.49 | 3.52 | 11.43% | 52.51 | |
100393xx99xxxx | 体液・電解質・酸塩基平衡障害に対する治療 | 30 | 13.37 | 9.96 | 16.67% | 74.07 | |
110290xx99x00x | 急性腎不全に対する治療 | 24 | 11.38 | 13.55 | 37.50% | 78.21 |
◆解説
細菌感染症に臓器障害を伴うと敗血症という病気になり入院加療が必要になります。高齢者の発熱の原因として肺炎や尿路感染症から敗血症に陥り入院を要することがあります。多疾患併存(マルチモビディティ)状態にある高齢者は、定期薬が多くなり多剤併用になりやすい傾向にあります。近年多剤併用による合併症で入院される患者さんが増えており注意が必要だと考えています。また夏は熱中症、冬は低体温で入院される患者さんも増えています。
初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数
初発 | 再発 | 病期分類 基準 (※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 296 | 29 | 50 | 131 | 42 | 64 | 1 | 8 |
大腸癌 | 115 | 64 | 129 | 150 | 57 | 123 | 1 | 8 |
乳癌 | 80 | 38 | 19 | 10 | - | 28 | 1 | 8 |
肺癌 | 198 | 49 | 100 | 256 | 42 | 205 | 1 | 8 |
肝癌 | 51 | 35 | 15 | 18 | 11 | 170 | 1 | 8 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※対象:2019.4.1~2020.3.31退院患者
※集計期間内の延患者数で集計
※UICC病期分類の第8版を使用
◆解説
2019年に外科で手術した初発患者数 胃癌:135例(StageI 72、StageII 24、StageIII 16、StageIV 13)、大腸癌:238例(StageI 73、StageII 78、StageIII 64、StageIV 23)、乳癌:147例(StageI 80、StageII 38、StageIII 19、StageIV 10)。手術件数としては胃癌・乳癌はやや減少、大腸癌は増加しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 40 | 10.30 | 56.20 |
中等症 | 214 | 12.83 | 75.57 |
重症 | 75 | 15.61 | 82.31 |
超重症 | 40 | 20.98 | 78.35 |
不明 | - | - | - |
※対象:2019.4.1~2020.3.31退院患者
※対象年齢は20歳以上
※重症度の各因子が1つでも「不明」の場合は「不明」と分類
※ショックがある場合は超重症とする
◆解説
市中肺炎とは、在宅で日常生活を送っている人に起こる肺炎ですが、その重症度は、年齢、脱水の有無、動脈血酸素飽和度、意識状態、血圧の5つの因子により分類されます。重症になるにつれて、入院期間も長くなる傾向があります。軽症例は、平均年齢は低くなっています。
脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 566 | 17.23 | 75.51 | 47.12% |
その他 | 77 | 15.36 | 72.40 | 4.82% |
※対象:2019.4.1~2020.3.31退院患者
※入院した時点での年齢で集計
◆解説
急性期脳卒中のハイボリュームセンターであり、24時間あらゆる脳梗塞に対応可能です。t-PA治療および血栓回収療法が治療の主軸となりますが、治療プロトコールを定め院内体制を整備することにより全急性期脳梗塞に対するt-PA治療を行った割合は15%を超えています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
小児科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K9131 | 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) | 41 | 0.00 | 55.07 | 4.88% | 0.00 |
K9132 | 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) | 19 | 0.00 | 50.32 | 0.00% | 0.00 |
K6153 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) | 14 | 1.71 | 1.00 | 0.00% | 9.14 |
K570-3 | 経皮的肺動脈形成術 | 12 | 2.08 | 10.00 | 8.33% | 2.50 |
K7151 | 腸重積症整復術(非観血的) | - | - | - | - | - |
◆解説
総合周産期母子医療センターNICUではハイリスク新生児の出生を多く管理しており、新生児仮死の蘇生にも24時間対応をしています。
救急センターでは、年間15,000人前後の小児救急患者を診療しており、腸重積症に対する非観血的整復術をはじめ、多くの緊急疾患に対応しています。
心房中隔欠損(二次孔欠損)に対しては、カテーテルによる経皮的心房中隔欠損閉鎖術も積極的に実施し、患児のQOL改善に努めています。
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 260 | 1.39 | 6.25 | 7.69% | 66.58 |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 151 | 1.19 | 1.30 | 0.00% | 46.01 |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 142 | 2.45 | 11.62 | 9.15% | 72.74 |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 141 | 0.44 | 3.98 | 0.71% | 40.98 |
K4762 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 93 | 1.00 | 2.35 | 0.00% | 64.27 |
◆解説
2019年は2,048件の手術を行っており、全身麻酔手術症例1,979例のうち1,182例(58%)に創の小さい鏡視下手術で行っています。
癌に対する手術は大腸癌199例(173例、87%が腹腔鏡下手術)、胃癌140例(85例、61%)、肝切除術92例(85例、92%)、乳癌160例、膵臓切除手術を53例(16例、30%)、食道癌手術を18例(17例、94%)、でした。 膵臓手術では腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術を2019年から再導入し、2例に施行しました。ダヴィンチ(ロボット支援下)手術は胃癌17例、直腸癌38例に行っています。
良性疾患で手術症例数が多いのは胆石症・胆嚢炎327例(280例、86%)、鼠径ヘルニア188例(97例、52%)、急性虫垂炎165例(155例、94%)でした。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術(肩、股、膝) | 255 | 1.80 | 22.95 | 20.00% | 73.13 |
K080-41 | 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) | 204 | 0.26 | 19.51 | 66.18% | 69.23 |
K0461 | 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) | 142 | 3.13 | 15.36 | 76.76% | 77.31 |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕、下腿) | 130 | 2.62 | 8.90 | 22.31% | 62.20 |
K0731 | 関節内骨折観血的手術(肩、股、膝、肘) | 86 | 1.97 | 13.08 | 58.14% | 67.58 |
◆解説
股関節、膝関節、肩関節の人工関節置換術が多く、とくに近年人工肩関節置換術件数が増加しています。四肢骨折手術も多く、上肢下肢の偏りなく手術を行っています。このほかコード分類の仕方により表示されていませんが、脊椎手術も多いのが特徴です。
脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 118 | 0.24 | 3.72 | 16.10% | 79.09 |
K178-4 | 経皮的脳血栓回収術 | 68 | 0.10 | 18.96 | 76.47% | 80.18 |
K1771 | 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) | 47 | 1.23 | 21.79 | 29.79% | 59.77 |
K1781 | 脳血管内手術(1箇所) | 36 | 0.58 | 22.11 | 33.33% | 66.83 |
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) | 32 | 8.63 | 19.91 | 21.88% | 60.41 |
◆解説
高齢化やそれに伴う転倒、抗凝固薬内服患者の増加などが原因となり慢性硬膜下血腫症例が増加傾向にあります。急性期クモ膜下出血、未破裂脳動脈瘤に対しては、脳動脈瘤クリッピング術およびコイル塞栓術いずれの治療も可能であり各症例に適切な治療法を選択しています。脳腫瘍摘出術は小児から成人、良性から悪性まで幅広い脳腫瘍に対応しており、より低侵襲な内視鏡での摘出術が増加しています。頚動脈動脈硬化性疾患に対しては、頚動脈内膜剥離術を積極的に行っていますが、頸動脈ステント留置術は20年間の治療実績があり患者条件に合った治療法を選択することが可能です。
泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K8036ロ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) | 200 | 1.61 | 2.06 | 0.00% | 75.34 |
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) | 73 | 3.33 | 5.04 | 0.00% | 65.49 |
K843-4 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) | 66 | 1.23 | 7.64 | 0.00% | 68.23 |
K773-2 | 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 | 51 | 2.10 | 7.92 | 1.96% | 73.16 |
K841-21 | 経尿道的レーザー前立腺切除術(ホルミウムレーザー) | 47 | 2.02 | 4.64 | 2.13% | 73.47 |
◆解説
1番目に多い治療は、膀胱がんに対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)です。当院は膀胱がんの年間新患数が100~120人と非常に多いため、TUR-Btの手術件数(入院・外来を合わせて)は年間220~250件あります(表の数字は入院の件数です)。膀胱がんは初回手術後2年以内の再発率が高いため、再発腫瘍に対するTUR-Btの手術件数も多いのが特徴です。
2番目に多い治療は、腎尿管結石に対する経尿道的砕石術です。細径の内視鏡を用いてレーザーで結石を破砕します。当院には体外衝撃波結石破砕装置もありますが、砕石効果の確実性から最近では経尿道的砕石術のほうが主流になっています。
3番目に多い治療は、前立腺がんに対する根治的前立腺全摘除術です。現在、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(ダヴィンチ手術)が大多数を占めており、開腹手術は医学的理由からダヴィンチ手術が適応とならない場合に限られています。
4番目に多い治療は、腎がんに対する根治的腎摘除術あるいは腎部分切除術です。根治的腎摘除術の大多数は腹腔鏡下手術で施行し、腎部分切除術はロボット支援腎部分切除術(ダヴィンチ手術)で行っています。
5番目に多い治療は、前立腺肥大症に対する経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術です。出血量が少なく、非常に大きな前立腺肥大でもほとんど合併症を起こさず手術できる優れた方法ですので、当院ではほぼ全例この方法で行っています。
産婦人科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K8981 | 帝王切開術(緊急帝王切開) | 218 | 5.85 | 6.14 | 0.00% | 32.01 |
K8982 | 帝王切開術(選択帝王切開) | 171 | 6.83 | 6.06 | 0.00% | 32.26 |
K877-2 | 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 | 71 | 1.55 | 5.90 | 0.00% | 47.62 |
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) | 69 | 1.38 | 3.06 | 0.00% | 43.03 |
K867 | 子宮頸部(腟部)切除術 | 53 | 0.92 | 1.02 | 0.00% | 44.75 |
◆解説
当院産婦人科では、合併症妊娠などのハイリスク妊娠を多く取り扱う一方で、分娩施設の集約化に伴い、正常妊娠の方も多くなっています。当院では分娩に関しては、自然に経過を見るのを旨としていますが、正常妊娠の方も、急変する可能性はあり、さらにハイリスク妊娠ではおのずと帝王切開率が高くなるため選択的帝王切開および緊急帝王切開は多くなっています。
婦人科領域では、昨今では良性卵巣腫瘍のほとんどと子宮の良性腫瘍の多くは腹腔鏡での手術を行うようになっており、腹腔鏡下手術の占める割合が年々増加しています。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) | 765 | 0.92 | 1.86 | 0.13% | 75.05 |
K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) | 106 | 1.54 | 7.42 | 1.89% | 67.50 |
K2682 | 緑内障手術(流出路再建術) | 48 | 1.50 | 8.46 | 0.00% | 66.06 |
K2802 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) | 30 | 1.63 | 4.83 | 0.00% | 66.27 |
K220 | 結膜縫合術 | 13 | 0.92 | 8.69 | 0.00% | 62.85 |
◆解説
高齢化社会を反映して白内障手術が多く、術式は小切開を用いた超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術が大多数となっています。また、網膜剥離や黄斑疾患、糖尿病網膜症等、網膜硝子体疾患に対する複雑な手技を要する硝子体手術も多数行っています。保存的治療では不十分な緑内障に対する手術も多く、術式としては流出路再建術を多数行っています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 148 | 1.00 | 4.99 | 0.00% | 23.57 |
K3192 | 鼓室形成手術(耳小骨再建術) | 70 | 1.00 | 4.53 | 0.00% | 47.14 |
K309 | 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 | 38 | 0.95 | 1.21 | 0.00% | 8.11 |
K4631 | 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) | 37 | 1.30 | 5.97 | 0.00% | 59.11 |
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | 37 | 1.00 | 4.65 | 0.00% | 65.41 |
◆解説
当院耳鼻咽喉科・頭頸部外科では、他院からの紹介患者の手術中心の診療を行っています。扁桃摘出術、鼓室形成術、甲状腺悪性腫瘍手術が最も多く、その他、頭頸部悪性腫瘍手術、副鼻腔内視鏡手術、唾液腺腫瘍手術、喉頭声帯手術など、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域のほぼ全ての手術を行っています。
形成外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K0072 | 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) | 39 | 0.38 | 2.97 | 0.00% | 75.82 |
K0301 | 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、躯幹) | 34 | 0.38 | 1.18 | 0.00% | 53.76 |
K0051 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) | 20 | 0.55 | 1.05 | 0.00% | 29.05 |
K0841 | 四肢切断術(大腿、下腿、足) | 19 | 7.21 | 39.95 | 73.68% | 73.00 |
K2191 | 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) | 17 | 0.00 | 1.00 | 0.00% | 74.06 |
◆解説
皮膚悪性腫瘍の手術は単純縫合が可能な小範囲の場合を除いて、入院治療での対応となります。局所麻酔下での対応が可能な局所皮弁術を用いた手術では1泊入院の場合が多いですが、皮膚移植手術を要する場合や、広範囲で全身麻酔下の手術を要する場合には3日から10日間ほどの入院治療を要します。
脂肪腫をはじめとする、軟部腫瘍は基本的に入院手術で対応しており、小範囲のものは1泊の局所麻酔下の入院手術となり、広範囲の場合は全身麻酔下での対応で2泊以上での入院治療となります。
良性の皮膚・皮下腫瘍切除の場合でも小児では入院全身麻酔を要します。また、比較的大きな病変の場合には局所麻酔手術でも1泊入院を要することがあります。
難治性創傷の外科的治療として、完全な壊死を認めれば足趾切断を行うことがあります。肢切断では極力、遠位部での切断を選択し、歩行機能の温存に努めております。
眼瞼下垂症は高齢化社会、またQOL(生活の質)の意識向上とともに増加してきている疾患です。当科では両側の場合には基本的に1泊から2泊の入院手術で対応しています。挙筋前転法(挙筋短縮術)を行うことが多いですが、皮膚・眼輪筋切除や筋膜移植術で対応する場合もあります。
心臓血管外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K5551 | 弁置換術(1弁) | 55 | 5.84 | 17.13 | 20.00% | 73.67 |
K5607 | 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(その他)) | 47 | 2.62 | 16.36 | 14.89% | 71.60 |
K5612ロ | ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) | 38 | 2.45 | 5.50 | 7.89% | 79.87 |
K5522 | 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) | 26 | 5.12 | 36.50 | 30.77% | 70.69 |
K5603ニ | 大動脈瘤切除術(上行・弓部同時)(その他) | 26 | 1.73 | 20.19 | 42.31% | 70.77 |
◆解説
弁膜症は複合例を含めると年間276例あり、形成術を積極的に行っています(僧房弁形成:57例、大動脈弁形成:18例)。小切開MICS手術も47例施行しています。2017年に3D内視鏡を導入し、完全内視鏡下手術を開始しました。経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は年間100例を循環器内科との合同チームにて行っています。大動脈弁狭窄症の患者さんで80歳未満の場合は、外科的人工弁置換、80歳以上の場合はTAVIの適応を考慮するようにしています。
大動脈瘤についてはステントグラフト施行率は胸部瘤で23%、腹部瘤では50%で、症例を選択して行っています。解離性大動脈瘤の緊急手術は近隣県からの紹介も多いです。冠動脈バイパス術は複合例を含めて、年間90例です。病変の進行度が軽ければカテーテル治療を勧めています。糖尿病や腎臓病を合併する場合は病変の進行も早く、バイパス術の適応になることが多くなります。
呼吸器外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K514-23 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) | 112 | 3.41 | 6.71 | 2.68% | 71.29 |
K514-21 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) | 60 | 2.37 | 5.33 | 1.67% | 69.68 |
K5131 | 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) | 34 | 3.91 | 4.76 | 2.94% | 25.15 |
K514-22 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) | 31 | 2.58 | 5.29 | 0.00% | 70.19 |
K5143 | 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) | 27 | 4.44 | 10.67 | 0.00% | 72.15 |
◆解説
「胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える)」:当科の最も多く実施している手術であり、当科の特徴は「胸腔鏡手術」の中でも最も傷が小さく、低侵襲な「完全鏡視下手術」で実施している点です。このため平均術後日数は1週間を切っており、身体への負担が少なく、早期に退院されている事を示しています。 また昨年度からはロボット支援下胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術も開始し、順調に症例を伸ばしています。
「胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)」:これは主に転移性の肺腫瘍や極早期の悪性度の低い肺癌に対して行なっている手術です。
「胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)」: 主に自然気胸に対しての手術であり、当科の特徴は再発防止のために吸収性の材料で切除部分を被覆したり、若年者には美容上の観点から細径内視鏡(3mm径)を使用して、傷が目立たないような手術を心がけています。
「胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)」:これは末梢型の小型の肺癌や転移性肺腫瘍に対して肺機能の温存を目指して行なう手術で、全国的にも最近増えている術式ですが、当科ではかなり早い時期から症例を選んで、積極的に実施しています。手術としては肺葉切除よりやや複雑となりますが、当科ではこれも全例「完全鏡視下」で行なっており、より身体の負担の少ない手術となっています。
「肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える)」:これは肺癌の中でもやや進行した患者さんに行なう術式で、術前に化学療法や放射線治療を行ない、腫瘍を小さくしてから行なう場合や、周囲の臓器と合併切除を必要とする際に、開胸して行ないます。当科はこのような局所進行肺癌に対しては大抵は術前導入療法を行ったうえで、積極的に手術を行なっています。
循環器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) | 423 | 0.64 | 2.75 | 0.47% | 66.57 |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | 406 | 1.50 | 1.77 | 3.20% | 71.93 |
K5492 | 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) | 238 | 0.19 | 8.75 | 8.82% | 72.25 |
K5972 | ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) | 189 | 3.28 | 6.95 | 12.70% | 79.52 |
K5491 | 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) | 173 | 0.03 | 14.00 | 13.29% | 70.85 |
◆解説
当院循環器内科では、冠動脈疾患の治療として、個々の患者さんに応じて、薬物治療、冠動脈インターベンション、冠動脈バイパス術の選択を行っています。狭心症などの安定型の患者さんでは、症状や心筋虚血を確認の上、血行再建術を行っておりますが、低侵襲の血行再建術である冠動脈ステント留置術を行う機会が多い現状です。急性心筋梗塞や不安定狭心症の患者さんでは、迅速な血行再建の可能なほとんどの方で、冠動脈ステント留置による緊急の血行再建術を行っています。
頻脈性不整脈の治療として、最近では、薬物療法に加え、カテーテルアブレーションでの治療を行う機会が増加しています。その中でも、心房細動に対するカテーテルアブレーション症例が最も多く、最近では、手技時間の短縮が可能なクライオバルーンによるアブレーションを積極的に行っています。
最近の高齢化に伴い、房室ブロックや洞不全症候群などの徐脈をきたす患者さんが増加しており、永久型ペースメーカー埋め込み術を行う症例が増加してきています。
脳神経内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) | 11 | 20.00 | 29.09 | 72.73% | 67.27 |
K386 | 気管切開術 | - | - | - | - | - |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | - | - | - | - | - |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | - | - | - | - | - |
K2191 | 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) | - | - | - | - | - |
◆解説
神経変性疾患等で、嚥下障害のある場合、消化器内科と協力の上、胃瘻造設術も行っています。呼吸機能の低下している方の場合、喉頭気管分離術等を行うこともあります。その他、疾患に応じて経皮的冠動脈ステント留置術は循環器内科で、内視鏡的消化管止血術は消化器内科で、眼瞼下垂症手術は眼科で行っています。
消化器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 268 | 1.53 | 9.44 | 7.46% | 73.30 |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) | 234 | 0.44 | 5.49 | 0.00% | 73.23 |
K6871 | 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) | 213 | 1.23 | 5.86 | 7.98% | 74.25 |
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 175 | 0.15 | 1.21 | 0.00% | 68.57 |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 154 | 1.03 | 8.62 | 8.44% | 73.08 |
◆解説
消化器内科入院の患者さんが受けられる手術で最も多かったのは、胆石や膵臓癌などで胆管という肝臓と十二指腸をつなぐ管がつまって黄疸を起こした方に、狭くなった胆管にステントというチューブを通して、通りをよくする手術でした。胆石や膵臓癌は年々増加傾向ですので、この手術件数は今後ますます増えていくと思われます。また、地域がん診療連携拠点病院として、早期胃癌を中心に、食道癌、大腸癌など多くの早期消化器癌を内視鏡によって切除する手術を行っています。大腸癌の前癌病変である大腸ポリープの内視鏡切除術もさらに増えてきています。当院は癌診療だけでなく救急医療の拠点病院でもあり、心臓や脳の病気で血をさらさらにする薬を飲んでいる方の増加に伴い、吐血や下血、血便で運ばれてくる患者さんも多く、内視鏡による止血術もまだまだ多い状況です。
呼吸器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K6153 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) | 20 | 4.10 | 2.30 | 0.00% | 65.10 |
K386 | 気管切開術 | - | - | - | - | - |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | - | - | - | - | - |
K6151 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) | - | - | - | - | - |
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) | - | - | - | - | - |
◆解説
喀血を起こした症例では、血管内カテーテルを用いた塞栓術を用いて、出血の治療および予防を行います。合併症としての消化管出血に対しての処置もあります。人工呼吸が長期になる場合は気管切開を行います。肺癌の脳転移に対して手術を行う場合もあります。
腎臓内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K610-3 | 内シャント設置術 | 103 | 5.81 | 7.11 | 8.74% | 69.78 |
K635-3 | 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 | 23 | 10.43 | 23.52 | 13.04% | 68.61 |
K616-4 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 | 16 | 3.00 | 4.06 | 6.25% | 72.06 |
K6147 | 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) | - | - | - | - | - |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | - | - | - | - | - |
◆解説
内シャント作製術・修復術・血管拡張術(シャントPTA)は腎臓内科、心臓血管外科の両科で行っています。入院は腎臓内科です。入院中でシャント作製を急ぐ人は腎臓内科、外来で時間の余裕がある人は心臓血管外科で行うことが多くなっています。
血液内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K9212ロ | 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) | 16 | 17.38 | 3.63 | 0.00% | 54.88 |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | - | - | - | - | - |
K154-3 | 定位脳腫瘍生検術 | - | - | - | - | - |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) | - | - | - | - | - |
K1422 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) | - | - | - | - | - |
◆解説
多発性骨髄腫で移植適応年齢の場合は標準的な治療として、また再発難治の悪性リンパ腫の場合も、あらかじめ末梢血幹細胞を採取し、凍結保存して、自家末梢血幹細胞移植を行っています。
救急科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K6151 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) | 10 | 0.10 | 25.30 | 60.00% | 79.70 |
K1422 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) | - | - | - | - | - |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕) | - | - | - | - | - |
K6072 | 血管結紮術(その他) | - | - | - | - | - |
K0463 | 骨折観血的手術(鎖骨) | - | - | - | - | - |
◆解説
複数の専門診療科に跨る多発外傷が多数搬送されてきます。そのようなケースでは病態が刻一刻と変化しますので、各科と連携を取りながら、その時々に選びうる最善の手術や血管内治療を行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | – | – |
異なる | – | – | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 37 | 0.13% |
異なる | 10 | 0.04% | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | – | – |
異なる | – | – | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 296 | 1.04% |
異なる | 20 | 0.07% |
※対象:2019.4.1~2020.3.31退院患者
※発生率は全退院患者数に対する発生率
◆解説
ここでは、ある一定の割合で起こってくる重要な病態として、「播種性血管内凝固症候群」、「敗血症」、「その他の真菌症」、「手術・処置等の合併症」の4つの指標を挙げています。「入院の契機」のところで「同一」とありますのは、入院時にすでにその病態が起こっていたために入院となったことを示しており、「異なる」とあるのは、入院後に新たに発症したことを示しています。
更新履歴
- 2020.9.29
- 2019年度 当院 病院指標を公開しました。
- 2019.9.30
- 2018年度 当院 病院指標を公開しました。
- 2018.9.28
- 2017年度 当院 病院指標を公開しました。
- 2017.9.28
- 2016年度 当院 病院指標を公開しました。