アンモニア |
略 称 |
アンモニア |
担当検査室 |
生化学( TEL:2494,2495 ) |
至急指定 |
可 |
時間外 |
あり |
結果報告時間(普通) |
60分 |
結果報告時間(至急) |
60分 |
検査目的 |
血漿中アンモニアの測定 |
臨床的意義 |
アンモニアは、体蛋白や核酸の分解および腸管内で食餌蛋白の分解により生成されるが、主として肝により速やかに除去されて血中のレベルは一定に保たれる。アンモニアは有毒な物質であり、特に中枢神経系に強く作用し、意識障害が生じる原因となる。毒性を持つため主として肝において尿素サイクルにより毒性の低い尿素に変換され、腎から排泄される。アンモニアの代謝臓器は、肝臓、骨格筋、脳、腎であるが、この中で、体内で生成されるアンモニアを尿素に解毒するのに十分な容量を持つ臓器は尿素サイクルを持つ肝臓だけであり、骨格筋や脳などではα-ケトグルタル酸からグルタミン酸デヒドロゲナーゼの作用によりNH3を取り込んでグルタミン酸が合成され、さらにグルタミン合成酵素によりもう1分子のNH3を取り込んでグルタミンが合成され、解毒される。ただし、このグルタミン生成系による解毒は一時的なもので、合成されたグルタミンは肝に運ばれ、そこでNH3を放出して、この放出されたNH3が尿素となって本質的に解毒される。つまり、尿素サイクル機能が廃絶されるとアンモニアは処理不能となる。
したがって、アンモニア血中レベルをコントロールする臓器は肝臓であることより、高アンモニア血症は①高度に肝機能が障害されている場合、②多量のアンモニアを含む門脈血が肝を迂回する門脈-体循環シャントが生じた場合、に起こる。 |
異常値所見 |
高値:重症肝機能障害(劇症肝炎、非代償期肝硬変、進行肝癌)、門脈-体循環シャント
(肝硬変、特発性門脈圧亢進症、肝外門脈閉塞症)、Reye症候群、妊娠性脂肪肝
低値:低蛋白血症、貧血 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力可 |
採取容器名 |
紫栓EDTA2K入り採血管 |
サンプルの種類 |
血漿、その他
*その他穿刺液等の測定値は参考値とする。
サンプリング量;300μL |
測定日情報 |
・時間外検査
測定法はルーチンと同様(H7180)
基準値9~45μg/dL |
患者準備,採取・提出上の注意 |
・採血後氷冷し直ちに提出
・溶血していた場合、必要に応じて再採血の依頼をする
・凝固していた場合、必要に応じて再採血の依頼をする |
測定に及ぼす諸因子 |
・溶血で負誤差
・男女間で差は認められない。また、新生児および小児のアンモニア値は、成人よりやや高値を示す。
激しい筋肉運動や食事摂取(特に高蛋白食)により高値を示す。
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その他情報 |
検査法履歴
1999/06/26~2007/01/31
GLDH-NADPH2法(日立7170)
y=0.977x+0.916
(x:従来法 y:新法)
1992年12月1日~1999年6月25日
GLDH-NADPH2法(日立7150)
1986年3月1日~1992年11月30日
GLDH-NADPH2法(ギルフォード) |