フェリチン |
略 称 |
フエリチン |
担当検査室 |
生化学( TEL:2494,2495 ) |
至急指定 |
可 |
時間外 |
なし |
結果報告時間(普通) |
2~4時間 |
結果報告時間(至急) |
90分 |
検査目的 |
血清又は血漿中のフェリチン(FER)の測定 |
臨床的意義 |
フェリチンはほとんど全身の組織に認められる。特に肝細胞や骨髄および脾の網内系細胞のマクロファージ中のフェリチンは鉄の供給源となり、ヘモグロビンの合成に直接関与する。体内のフェリチン量は男性で約800mg,女性で約200mg程度とされているが、血清中に微量存在する。血清中のフェリチン濃度は体内のフェリチン量に比例する。成人血清中のフェリチン1ng/mlは貯蔵鉄約8mgにあたるといわれている。したがって血清フェリチン測定により体内の貯蔵鉄の量を把握できる。フェリチンが低下していれば、貯蔵鉄の減っている鉄欠乏状態が診断できる。逆に増加していれば貯蔵鉄の増加しているヘモクロマトーシス、ヘモジデローシスや慢性疾患による貧血などの病態が推定可能である。肝細胞は多量のフェリチンを含有するので、肝炎や急性肝壊死などではフェリチン放出され、血清濃度が高くなる。膵炎でも組織からフェリチンが逸脱し高くなる。
腫瘍細胞や白血病細胞中ではフェリチンが産生され、血中に逸脱する。そのため、悪性腫瘍および白血病で血清フェリチンが増加する。ただフェリチンの性質上、腫瘍の臓器の特異性は低い。血球貪食が盛んなときではフェリチンが高値となる。 |
異常値所見 |
高値:慢性疾患の貧血、頻回輸血時、悪性腫瘍 低値:鉄欠乏性貧血、発作性夜間ヘモグロビン尿症 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力可 |
採取容器名 |
茶栓分離剤入り採血管 |
サンプルの種類 |
血清または血漿、その他に穿刺液等は参考値
必要量:300μL |
測定日情報 |
毎日 |
その他情報 |
・成人の基準値には男女差がある。男性では一般に女性より2~3倍高い。女性は閉経後男性に近い値となる。
なお、生後は高く(350 ng/mL程度)その後徐々に低下し生後6ヶ月後からは10~150 ng/mLくらいになり、15歳程度までこのレベルを維持する。この間は男女差もない。成人になると男性で増加するが女性では変化が少ない。成人になってから女性が低値なのは月経による慢性出血が原因とされる。
検査法履歴
・ ~1991/6/23
RIA法
・1991/6/24~1995/9/1
EIA法(PK300)
・1995/09/02~2002/02/28 EIA(IMX) 従来法(EIA法:PK300)との相関 r=0.994 y=0.965x+6.515 (y:PK300) |