IgA |
略 称 |
IgA |
担当検査室 |
生化学( TEL:2494,2495 ) |
至急指定 |
不可 |
時間外 |
なし |
結果報告時間(普通) |
2~4時間 |
結果報告時間(至急) |
90分 |
検査目的 |
血清又は血漿中の免疫グロブリンAの測定 |
臨床的意義 |
血清蛋白分画にて多クローン性増加がある場合IgG、IgA、IgMの三つの免疫グロブリンすべてにおいて増加する場合と一つまたは二つのクラスに限定された増加を認めることがある。
多クローン性増加を示す疾患は慢性肝疾患、感染症、膠原病疾患などである。多クローン性免疫グロブリンの増加はIL-6をはじめとする様々のサイトカイン異常を反映していることが多く、疾患活動性亢進・慢性化・免疫異常の存在を考えることができる。
一方、免疫グロブリンが単クローン性に増加し、その他のクラスの免疫グロブリン濃度が抑制されている場合、多発性骨髄腫を疑って精査する。単クローン性免疫グロブリンが多量ではなく、その他の免疫グロブリン濃度の抑制が見られない場合はmonoclonal gammopathy of undetermined significance(MGUS)と診断し、骨髄腫への移行がないかフォローアップしていく。
血清免疫グロブリンの低下を認める場合、原発性免疫不全と続発性免疫不全を考慮する。原発性の場合、全ての免疫グロブリンクラスが低下する場合と特定の免疫グロブリンが低下する場合があり、前者はBurton型無γグロブリン血症、重症複合免疫不全症などが、後者はIgA欠損症が知られている。
続発性免疫不全ではネフローゼ症候群など免疫グロブリンの体外喪失が原因である場合や、免疫抑制薬、放射線照射などで免疫グロブリンの産生低下をきたす場合がある。Bence Jones型骨髄腫では正常な免疫グロブリンの産生が抑制されるため血清免疫グロブリンの低下を認める。
IgAは血中にも存在するがその大部分は呼吸器、胃腸管、尿路系などの粘膜、粘膜下組織に存在し、局所免疫による防御機構に重要な役割を担う。 血清では単量体が大部分を占めるが、J鎖と結合した二量体が主に粘液固有層に分布し、粘膜上皮で産生される分泌性成分と結合して分泌型IgAとなる。初乳にも多量に含まれ、IgA産生能のない新生児の消化管などの防御に作用する。 |
異常値所見 |
高値:IgA型多発性骨髄腫、自己免疫性疾患、慢性肝疾患、慢性感染症、リンパ増殖性疾患、慢性感染症、IgA腎症 低値:原発性免疫不全症、IgA欠損症、蛋白喪失性疾患、低栄養、薬剤投与後 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力可 |
採取容器名 |
茶栓分離剤入り採血管 |
サンプルの種類 |
血清または血しょう、その他は参考値とする
必要量:300μL |
測定日情報 |
毎日 |
検査上の注意 |
・免疫グロブリンの血中濃度は,乳児期,小児期では低く,成人値に達するのはIgGで16歳頃,IgAでは16~18歳頃,IgMは8~15歳とされる。
・IgMは初期抗体とも呼ばれ,抗原刺激に対し最も早く作られる。
・IgGは4種類のサブタイプがあり,母体より胎盤を通過して胎児に移行する。
・IgAは母体からの移行はなく出生後に母乳を通じ乳幼児に移行する。消化管局所免疫に重要な役割を担う。唾液,初乳,涙などの分泌液や気管・腸管の粘膜に存在する。分泌型IgAを測定する検査もある。 |
その他情報 |
検査法履歴
1984/11/01~1986/12/14
免疫比ろう法(BNL)
臨床参考値:120~478mg/dL
~1984/10/31
免疫比ろう法(BNL)
臨床参考値:80~360mg/dL
1986/12/15~1996/9/6
免疫比ろう法(BNA)
1996/09/07~2003/02/28 免疫比ろう法(BN2) 110~410mg/dL
n=63
r=0.995
y=1.210x+0.153
(x:BN2 y:BNA)
1998年4月4日~
液状キャリブレ-タ
以前はその他を参照 |