ケトン体分画 略 称 ケトン体分画
担当検査室 生化学( TEL:2494,2495 ) 至急指定
時間外 なし
結果報告時間(普通) 90分 結果報告時間(至急) 90分
検査目的 静脈血中ケトン体分画の測定
臨床的意義 ケトン体とはアセトン、アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸を総称したものである。血中にケトン体の蓄積した状態がケトーシスであり、アセトン以外の二者は強酸であるため代謝性アシドーシス(ケトアシドーシス)を引き起こす。一般にはケトン体の測定は代謝性アシドーシスの原因を明らかにして、適切な治療計画を立てていく目的で行われる。 糖尿病患者で血中ケトン体が上昇するのは、末梢組織における利用低下ではなく、主に肝臓でのケトン体生成(脂肪酸酸化)亢進のためであり、脂肪酸に偏ったエネルギー代謝状態を反映している。したがって、血中ケトン体レベルの増加はインスリン作用の不足の程度を反映する重要な指標であり、空腹時血糖の高いものほど増加し、特に3-ヒドロキシ酪酸の上昇度が高い。また、血中ケトン体レベルは治療に速やかに反応することから、ケトン体の定量が重要視されている。
異常値所見 高値:絶食・飢餓(肥満者の低エネルギー食治療中)、インスリン作用不足(糖尿病ケトアシ ドーシス)、アルコール性ケトアシドーシス、ストレスホルモンの増加(感染、発熱、 外傷、褐色細胞腫、バセドウ病)
保険情報 適用あり
オーター情報 入力可
採取容器名 茶栓分離剤入り採血管
サンプルの種類 血清、血漿、その他
*その他穿刺液等の測定値は参考値とする。

サンプリング量;300μL
患者準備,採取・提出上の注意 採血後氷冷して直ちに提出
早朝空腹時採血が必要。
測定に及ぼす諸因子 アセト酢酸は採血後,全血では室温で時間とともに低下するため,2時間以内に分離する。血清では室温,冷蔵とも低下するため,分離後直ちに凍結保存する。(3-ヒドロキシ酪酸は大きな変動は見られない)
食前の空腹時に高く、食後は低下する。さらに午前0~1時頃には早朝の数倍近い値をとるともいわれている。
その他情報 検査法履歴
1987/05/01~1998/11/27
酵素法
1993年2月 化学へ

検査法(最新) 酵素サイクリング法(LABOSPECT006) 2017/03/01 ~ 現 在
臨床参考値(最新) ・総ケトン体
 28.0~120.0 μmol/L
・アセト酢酸
 14.0~68.0 μmol/L
・3-ヒドロキシ酪酸
  0 ~74.0 μmol/L
 総ケトン体
  n=50
  r=0.9999
  y=1.007x+0.091
 3-ヒドロキシ酪酸
  n=52
  r=0.9998
  y=0.998x+2.184
  (x:日立7170 y:LABOSPECT006)
検査法(前回) 酵素サイクリング法(日立7170) 1999/06/26 ~ 2017/03/01
臨床参考値(前回) ・総ケトン体
 22.4~83.5 μmol/L
・アセト酢酸
 22.0~52.0 μmol/L
・3-ヒドロキシ酪酸
  0 ~44.0 μmol/L
 ケトン体分画 HB/AA
  y=1.048x-0.087
 アセト酢酸 AA
  y=0.957x+1.805
 3-ヒドロキシ酪酸 HB
  y=0.971x+1.304
   (x:従来法 y:新法)
検査法(前々回) 酵素サイクリング法 1998/11/28 ~ 1999/06/25
臨床参考値(前々回)  ケトン体分画 HB/AA
  n=49
  r=0.9654
  y=1.033x-0.043
 アセト酢酸 AA
  n=49
  r=0.9959
  y=1.000x+0.338
 3-ヒドロキシ酪酸 HB
  n=49
  r=0.9985
  y=1.012x-4.063
   (x:従来法)
以前はその他を参照