先天関連染色体分染法 略 称 先天関連染色体分染法
担当検査室 染色体( TEL:2421 ) 至急指定 不可
時間外 なし
結果報告時間(普通) 1~3週間 結果報告時間(至急) -
検査目的 末梢血液をPHA添加で培養し、標本作製後G分染法にて処理する。
国際規約(ISCN)に準じバンドパターンを分析し、異常の有無を解析する。
染色体の数的異常、構造異常を検出することにより不妊、不育、流産、多発奇形、精神遅滞など染色体異常に関わる疾患の診断に有用である。

先天異常の染色体分析の適応
目的
臨床診断が可能な染色体異常症 核型の確認
多発奇形、成長障害、発達遅滞 常染色体異常の検出
低身長女児、性腺低形成、二次性徴遅延 ターナー症候群の検出
性腺低形成、二次性徴遅延、不妊 性染色体異常症の検出
成長障害、免疫不全、光線過敏症 染色体切断症候群の検出
知的障害 微細染色体構造異常の検出
既知の奇形症候群、メンデル遺伝病 微細染色体構造異常の検出、均衡型相互転座の検出
染色体異常を有する児の両親・血縁者 均衡型相互転座の検出
先天異常を有して出生あるいは死産した染色体検査ができなかった児の親、習慣性流産の夫婦 均衡型相互転座の検出
臨床的意義 ①先天異常児を対象とした染色体検査
先天異常症の確定診断として原因を明らかにし、過去の報告例と比較し合併しやすい疾患・病態の情報を得て、早期治療や二次的健康障害の予防など患者本人の健康管理、QOL向上に役立てる。
臨床診断が可能な染色体異常でも、次子の再発率推定、出生前診断など、家族や血縁者の遺伝カウンセリングのための情報として役立てられる場合もある。
②成人を対象とした染色体検査
染色体異常児の血縁者や、生殖障害を有するあるいは疑われるカップルなどが相当する。
染色体不均衡型構造異常を有する児を出生した既往のあるカップルは、いずれかが均衡型染色体異常を有している保因者である可能性があり、染色体異常児の染色体異常を正確に評価するためと次子や血縁者へ影響する可能性を考え、治療法の選択、出生前診断に備える目的で検査が考慮される。また、習慣性流産や不妊など生殖障害の原因検索の一環としても実施されている。

〈影響〉
染色体の正常変異または染色体の異型性:優性の性質として遺伝し、保因者の表現形・リプロダクションに影響しない。
保険情報 適用あり
(一部適用なし)
オーター情報 入力可
採取容器名 注射器
サンプルの種類 末梢血

採取量
(5.0mL採取可能な場合は緑栓ヘパリン採血管も可)
1) 成人:1.0~5.0mL
2) 乳幼児:0.5~2.0mL
測定日情報 ・月~土曜日
・検体提出が時間外になる場合は、電話連絡が必要
・緊急の場合は、数日中に顕微鏡下で分析した結果を報告可能。但し、検体提出時にその旨を依頼の事。
患者準備,採取・提出上の注意 注射器採取の場合、ヘパリン液であらかじめ内壁をぬらし、余分なヘパリンを捨てたディスポ注射器で採取する。
(過剰なヘパリンは細胞分裂を阻害するため採血量および採取方法に注意する。)
測定に及ぼす諸因子 1) 細菌感染により染色体分裂が阻害される。
2) 過剰なヘパリンにより染色体分裂が阻害される。
3)凝固していた場合、必要に応じて再採血の依頼をする。

検査法(最新) G分染法(必要に応じFISH法) 1980/07/01 ~ 現 在
臨床参考値(最新) ・正常男性核型 46,XY
・正常女性核型 46,XX