ターミナル デオキシヌクレオチジル トランスフェラーゼ 略 称 TDT
担当検査室 血液( TEL:2425,2751 ) 至急指定 不可
時間外 なし
結果報告時間(普通) 1日~3日 結果報告時間(至急) -
検査目的 白血病、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍細胞にTdT抗原が検出されるか否かを調べることにより、造血器腫瘍細胞の分化段階や、その帰属を推定し、鑑別診断と治療方針の決定に利用する。
臨床的意義 正常組織、細胞では胸腺皮質リンパ球、骨髄のリンパ球様細胞の一部を除いてはTdT活性やTdT抗原は検出されない。
悪性腫瘍においても、TdTが腫瘍細胞に検出される疾患は、造血器腫瘍疾患に限られている。
正常成人ヒト末梢血ではTdT陽性細胞は検出されない。一方、白血病や悪性リンパ腫の一部の病型では、骨髄(および末梢血)やリンパ節などにTdT陽性腫瘍細胞が出現、増加する。
リンパ芽球様細胞が腫瘍性に増殖する造血器腫瘍疾患では、TdT活性が有意に高値を示す。急性リンパ性白血病(ALL)の約90%の症例,慢性骨髄性白血病(CML)の急性転化の中でリンパ球性転化を示すとき、悪性リンパ腫のうちリンパ芽球性リンパ腫、T細胞リンパ腫では、末梢血中にTdT陽性細胞が高率に検出される。
また、急性骨髄性白血病(AML)の4~5%の症例でもTdTが陽性であり、これらの症例は、FAB分類でM0,M1タイプが多いといわれている。リンパ芽球性やT細胞性リンパ腫以外の悪性リンパ腫でTdT陽性となることはまれであることから、TdT活性の測定が悪性リンパ腫のサブタイプ分類に有用であるとされている。
急性骨髄性白血病(AML)では、芽球中のTdT活性がほとんどみられないことから、急性リンパ性白血病(ALL)との鑑別診断に有用である。
また、慢性骨髄性白血病(CML)のリンパ芽球型急性転化の早期発見にも有用であるとされている。
保険情報 適用あり
オーター情報 入力可
採取容器名 紫栓EDTA2K入り採血管
サンプルの種類 末梢血・骨髄血はEDTA-2K(顆粒) またはヘパリンを用い凝固が阻止された全血検体
リンパ節・組織は生食またはRPMI溶液に浮遊した検体
体腔液、髄液、肺胞洗浄液

採取量
   末梢血・骨髄血 1mL以上(最低必要量は細胞数に依存する)
   リンパ節・組織 1個以上
   体腔液、髄液、肺胞洗浄液 1mL以上(最低必要量は細胞数に依存する)
測定日情報 随時測定

検査法(最新) フローサイトメトリー(蛍光抗体間接法) 1982/04/01 ~ 現 在
臨床参考値(最新) ・末梢血・・・陰性
・骨髄血・・・正常骨髄細胞のごく一部に陽性を認める。(有核細胞の1%以下、乳幼児ではやや多め)