ACTH(副腎皮質刺激ホルモン) 略 称 ACTH
担当検査室 生化学( TEL:2494,2495 ) 至急指定 不可
時間外 なし
結果報告時間(普通) 1~2日 結果報告時間(至急) -
検査目的 血漿中の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の測定。
臨床的意義 ACTHは脳下垂体前葉で作られる39アミノ酸からなるペプチドホルモンであり、副腎皮質細胞膜内上のACTH受容体(メラノコルチン受容体2)に結合し、糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、副腎アンドロゲンの合成分泌を増加させる。
さらにACTHは皮膚melanocyteの色素沈着増加作用、脂肪細胞での脂肪分解作用、インスリンやGH分泌刺激作用、ステロイド代謝抑制作用などを持つ。
生理的ACTH分泌調節にかかわる上位中枢-視床下部-脳下垂体-副腎のいずれかに異常が生じるとACTH分泌に変化が生じる。
異常値所見 高値:副腎機能低下症(アジソン病、ネルソン症候群、先天性副腎皮質過形成など)、クッシング病、異所性ACTH産生症候群、うつ病、ストレス
低値:副腎性クッシング症候群、視床下部-下垂体性副腎機能低下症、ステロイド製剤使用
保険情報 適用あり
採取容器名 オレンジ栓EDTA2Na入り採血管
サンプルの種類 EDTA血漿
*その他穿刺液等の測定値は参考値とする。

採血量:2mL オレンジ栓(EDTA2ナトリウム入り)採血管の白線まで採血
※ただし小児は紫栓マイクロティナーでも可(500μLの線まで採血)
患者準備,採取・提出上の注意
  • 氷冷し直ちに提出
  • 溶血していた場合、必要に応じて再採血の依頼をする
  • 凝固していた場合、必要に応じて再採血の依頼をする
  • 検査上の注意 早朝空腹時(午前6~9時)、30分以上の安静臥床後の採血が望ましい
    その他情報 ・午前4~8時で高値、午後10時~午前1時で最低値を示す。真夜中から午前9時に10回前後のACTH分泌ピークが見られる。乳幼児では日内変動が不明確である。
    ・ストレスの影響で変動しやすい。
    検査法履歴
    ・2007.12.07より( IRMA法からECLIA法に変更)SRL変更
    ・2008.9.13より MCMへ委託(IRMA法)
    ・2010.8.01よりSRLへ委託 (ECLIA法)
    ・2014.01.04より採血管変更(EDTA-2Na:長紫5ml管からオレンジ2ml管に変更)

    検査法(最新) ECLIA法(cobas8000) 2023/03/14 ~ 現 在
    臨床参考値(最新) 7.2~63.3pg/mL
    従来法との相関(y:新試薬 x:従来試薬)
    n=32
    r=0.9994
    y=1.06x-2.0
    検査法(前回) ECLIA法(cobas8000) 2019/07/01 ~ 2023/03/13
    臨床参考値(前回) 7.2~63.3pg/mL
    従来法との相関(y:本法 x:従来法)
    n=50
    r=0.998
    y=0.99x+0.42
    検査法(前々回) ECLIA法(cobas6000) 2012/09/01 ~ 2019/06/30
    臨床参考値(前々回) 7.2~63.3pg/mL
    従来法との相関(y:本法 x:外注法(ECLIA法))
    n=53
    r=0.992
    y=1.035x+1.470