血中コルチゾール |
略 称 |
CORT |
担当検査室 |
生化学( TEL:2494,2495 ) |
至急指定 |
不可 |
時間外 |
なし |
結果報告時間(普通) |
1~2日 |
結果報告時間(至急) |
- |
検査目的 |
血清又は血漿中のコルチゾールの測定 |
臨床的意義 |
血中コルチゾール値は生理的変動(早朝高値、夜間低値)を示し、またストレスにより容易に
上昇することから、評価には基本的に早朝空腹時、 30分臥床安静後の値を用いる。
結果の解釈には同時の血中ACTH値が不可欠である。日内変動の評価には、低値となる
深夜睡眠中(23~24時)の採血を複数日に行う。厳密に安静が保たれれば5 μg/dL以下
となる。近年まで、ステロイド代謝産物を包括的に定量する検査として尿中17-ヒドロキシコルチコ
ステロイド(17-OHCS)および17-ケトステロイド(17-KS)の測定が広く行われていたが、
試薬の製造が中止された。現在も行える検査として17-ケトジェニックステロイド(17-KGS)があり、
17-OHCSの代用としての意義がある。
視床下部‐下垂体‐副腎系の機能評価、および病態の鑑別に不可欠である。 |
異常値所見 |
1) 高度上昇
①ACTH低値:ACTH非依存性Cushing症候群(副腎皮質腺腫、副腎癌、
ACTH非依存性大結節性副腎皮質過形(AIMAH)など)、ヒドロコルチゾン被投与者
② ACTH高値:ACTH依存性Cushing症候群(Cushnig病、異所性ACTH症候群)、生理的上昇(身体的精神的ストレス
(外傷、感染症、低血糖、 疼痛など)、妊娠)、偽性Cushing 症候群(抑うつ状態、アルコール依存)
2) 基準範囲内
①ACTH低値:副腎性サブクリニカルCushing症候群
②ACTH基準範囲内:副腎性サブクリニカルCushing症候群、サブクリニカルCushing病、Cushing病
③ACTH高値:低生物活性ACTH(ACTH産生腫瘍におけるACTH前駆ペプチドPOMCの
プロセシング障害による大分子ACTH)
3) 軽度上昇
①ACTH低値:続発性副腎皮質機能低下症(視床下部下垂体病変(腫瘍、炎症、ACTH単独欠損症など)デキサメタゾン被投与者
②ACTH高値:原発性副腎皮質機能低下症群(Addison病、副腎癌、転移癌(皮質を破壊するも の、先天性副腎過形成
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保険情報 |
適用あり |
採取容器名 |
茶栓分離剤入り採血管 |
サンプルの種類 |
血清またはEDTA加血漿
*その他の材料の測定値は参考値とする。
必要量:350μL |
測定日情報 |
毎日 |
患者準備,採取・提出上の注意 |
・日内変動があり,朝高く夜低い。
・プレドニゾロン治療中の測定は,測定に用いる抗体との交叉反応のため高値を示す場合がある。
・妊娠などの結合蛋白が増加する場合,あるいはストレスでも高値となる
・早朝空腹時、30分臥床安静後に採血する。 |
検体保存情報 |
血清分離後、20~25℃で24時間、2~8℃保存で4日間、-20℃(±5℃)で12ヵ月安定 |
その他情報 |
検査法履歴
・1980/12/22~1986/1/3
スパック固相法
・1986/1/4~2002/1/6
アマレックス粒子固相法
・2002/1/7~
RIA固相法(RI化学)
臨床参考値:5.0~
20.0μg/dl
・~2012/08/31
RIA固相法(外注)
臨床参考値:4.0~18.3μg/dL
・2017/1/24~
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