NUDT15遺伝子コドン139多型解析 略 称 NUDT15
担当検査室 外注( TEL:2423,2439 ) 至急指定 不可
時間外 なし
結果報告時間(普通) - 結果報告時間(至急) -
臨床的意義 【検査意義】

NUDT15(Nudix hydrolase 15)は、酸化により損傷したDNAの塩基を分解する酵素で、炎症性腸疾患や白血病などの治療に用いられるチオプリン製剤の代謝に関与しています。NUDT15遺伝子コドン139に存在する多型によって酵素活性が変化することが知られており、コドン139のアルギニン(Arg)がシステイン(Cys)やヒスチジン(His)となる遺伝子型では、酵素活性の低下が見られます。
特にシステインのホモ接合体(Cys/Cys)やヒスチジンとの複合ヘテロ接合体(Cys/His)では、チオプリンの代謝活性低下によって重篤な副作用の発症リスクが高いことが報告されています。
本検査は、NUDT15遺伝子コドン139に存在する多型(rs116855232およびrs147390019)をリアルタイムPCR法で検出し、3種類のアミノ酸(アルギニン、システイン、ヒスチジン)をコードする塩基配列を判定します。
本検査によりNUDT15遺伝子コドン139のアレルを判定することは、チオプリン製剤の副作用予測に有用で、治療選択を補助いたします。


【IBD患者における遺伝子多型の頻度と副作用発症】
 ――――――――――――――――――――――――――――――――
  コドン139    頻度    副作用のための     重篤な副作用の発生率
  遺伝子型        用量変更・中止率   ―――――――――――――
                                白血球減少*  脱毛症
 ――――――――――――――――――――――――――――――――
  Arg/Arg   81.1%       26.9%          0.3%       0.1%
  Arg/His   0.05%       28.6%           0%        0%
  Arg/Cys   17.8%       49.1%           4.0%       1.1%
  Cys/His  <0.01%      100.0%          50.0%       0%
  Cys/Cys   1.1%      100.0%          67.3%      89.8%
 ――――――――――――――――――――――――――――――――
                               *投与8週以内、Grade3以上


【小児ALL患者における遺伝子多型と6-メルカプトプリンの副作用】
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
                維持治療中の白血球数       6-MP平均投与量
  コドン139   例数    2,000立方ミリメートル 未満        (mg/㎡/day)
  遺伝子型     ―――――――――――――――  ―――――――――
              60日以内 60日以降 オッズ比*     中央値  P値*
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
  Arg/Arg   70     12      7     1.00       41.2
  Arg/Cys   18      5      8     6.98       28.4   <0.001
  Cys/Cys    7      6      0     16.11       8.0   <0.001
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
                                *野生型Arg/Argと比較
保険情報 適用あり
オーター情報 入力可 LSIへ委託
採取容器名 紫栓EDTA2K入り採血管
検査上の注意 ・血液2ml
・2019/9/1よりオーダリング開始
・2020/2/10~BML→LSIへ。
外注業者のサイトに接続