院内ミスマッチ修復蛋白(IHC) |
略 称 |
院内MMR(IHC) |
担当検査室 |
病理( TEL:2426,2478 ) |
至急指定 |
不可 |
時間外 |
なし |
結果報告時間(普通) |
1~3週間 |
結果報告時間(至急) |
4~7日 |
検査目的 |
4種類のミスマッチ修復機能タンパクであるMMRタンパクMLH1、MSH2、MSH6、PMS2の腫瘍細胞での発現状態をそれぞれ評価した上で、その結果を組み合わせてミスマッチ修復機能異常の有無を判定し、以下の目的に用いる。
・ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)の固形癌患者への適応を判定するための補助
・大腸癌におけるリンチ症候群の診断の補助
・大腸癌における化学療法の選択の補助
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臨床的意義 |
dMMR判定検査の臨床的意義として、
1 切除不能進行再発大腸癌患者に対し、免疫チェックポイント阻害薬の適応判定を目的として、投与前にdMMR判定検査を強く推奨する。
2 切除可能進行再発大腸癌患者に対し、再発リスクに応じた治療選択を目的として、補助化学療法開始前にdMMR判定検査を推奨する。
3 大腸癌患者に対し、リンチ症候群のスクリーニングを目的として、dMMR判定検査を強く推奨する。
4 MMR機能に関わらず免疫チェックポイント阻害薬が実地臨床で使用可能な癌以外の切除不能進行・再発固形癌患者に対して、免疫チェックポイント阻害薬の適応を判断するためにdMMR判定検査 を強く推奨する。
MLH1、MSH2、MSH6、PMS2 の染色結果により、患者のミスマッチ修復機能欠損の判定、ならびに大腸癌患者におけるリンチ症候群と散発性大腸癌の鑑別を行なうことが可能である。更に、国内臨床性能試験の結果から、既存のペムブロリズマブのコンパニオン診断薬(マイクロサテライト不安定性検出キット)との同等性が示されている。 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力可
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サンプルの種類 |
大腸癌、固形癌、他院のパラフィンブロック、無染標本 |
測定日情報 |
毎日 |
患者準備,採取・提出上の注意 |
検体量
・目的の細胞が存在する組織切片2~5μm
検体の安定性
① ホルマリン固定は室温で行う。組織容量の15~20 倍の10%中性緩衝ホルマリンに浸ける。
② 固定時間は、6時間(生検)~最大72時間の処理を推奨する。
③ 薄切後はシランコーティングスライドにとり、作製したスライド標本は早めに使い切ることが望ましい。
④ 薄切後は約40℃で一晩、しっかり乾燥させることが望ましい。短時間で乾燥させる場合や、組織剥離防止のためにベーキングさせる場合でも、なるべく短時間(1時間以内)で処理を行い、スライド標本をそれ以上の時間、高温に置くことは避ける。
⑤ 他院の無染標本は4~6週間まで使用可能。 |
検査上の注意 |
測定できない検体
・目的とする細胞が存在しない検体
・検体の安定性の条件を満たしていない検体
これらの条件を満たしていない場合は、依頼した臨床医または病棟・診療科に連絡をする。 |
その他情報 |
・2023.02.21よりオーダリング開始。
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