シクロスポリン(サンディミュンカプセル) 略 称 シクロスポリン
担当検査室 薬物血中( TEL:2494,2495 ) 至急指定
時間外 なし
結果報告時間(普通) 1~2日 結果報告時間(至急) 120分
検査目的 薬物血中濃度の測定
臨床的意義 シクロスポリンの血中濃度は測定方法の違いにより、大きく異なるため、自施設の測定方法の特徴を理解する必要がある。
TDMとして以前はトラフ(C0)法であったが、現在は内服から内服4時間後までのACU(ACU0-4)法が提唱され、さらに内服後2時間(C2)法が示された。C0法は安定した濃度が得られるが、ACUとの相関が悪く、効果の指標とならない場合がある。またACU0-4法は通常は内服前、内服後1,2,4時間後の4点の採血が必要であり、経済的な点、患者の拘束時間などの点から毎回行うことは難しい。C2法は吸収遅延の患者と吸収不良の患者の区別が出来ないため、吸収遅延の患者は過大投与になる可能性がある。またピーク付近の濃度であるため採血時間がわずかにずれても大きな変化を生じるため、採血時間を厳守する必要がある。シクロスポリンの静脈投与は持続点滴や2~4時間の点滴投与で行う施設もある。
・免疫抑制剤
薬剤については医薬品情報検索(DICS)を参照
異常値所見 高値:肝機能障害、ボセンタン、アミオダロン、ジルチアゼム、ニカルジピン、ベラパミル、エリスロマイシン、ジョサマイシン、クラリスロマイシン、キヌプリスチン、ダルホプリスチン、クロラムフェニコール、アゾール系抗真菌薬、ノルフロキサシン、HIVプロテアーゼ阻害薬、卵胞・黄体ホルモン剤、ダナゾール、ブロモクリプチン、アロプリノール、フルボキサミン、イマチニブ、メトクロプラミド、アセタゾラミドなどの併用、グレープフルーツジュース
低値:リファンピシン、チクロピジン、トログリタゾン、フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン、オクトレオチド、プロブコール、テルビナフィンの併用、セント・ジョーンズ・ワート
保険情報 適用あり
オーター情報 入力可
採取容器名 紫栓EDTA2K入り採血管
サンプルの種類 EDTA入りの採血管で採取した全血

サンプリング量;全血200μL
測定日情報 ・毎日測定
患者準備,採取・提出上の注意 ・凝固していた場合、必要に応じて再採血の依頼をする
検査上の注意 ・採血量;2mL
・解析ありオーダの場合はメモラベルを検体と一緒に必ず提出
・メモラベルには記入漏れのないようにお願いします。

検査法(最新) CLIA法(ARCHITECTi2000SR) 2020/11/02 ~ 現 在
臨床参考値(最新) 基準値と中毒域は薬物血中濃度HPを参照

  従来法との相関
     r=0.993
   y=0.98x-19.98
   (x:従来試薬)
検査法(前回) CLIA法(ARCHITECTi2000SR) 2012/09/01 ~ 2020/11/01
臨床参考値(前回) 基準値と中毒域は薬物血中濃度HPを参照

  従来法との相関
     r=0.987
   y=0.87x-37.93
   (x:AxSYM)

  シクロスポリンは測定法の変更により薬理活性のない代謝物との交差反応性が低くなるため、
代謝の個人差や投薬後時間によっては、測定結果が相関式と大きく異なる場合があります。
個々における測定結果の相違と臨床効果・副作用を併せて用量調節を行って頂くようよろしくお願い致します。
検査法(前々回) FPIA法(アキシム) 2002/12/05 ~ 2012/08/31
臨床参考値(前々回) ・検査科で測定
基準値と中毒域は薬物血中濃度HPを参照