免疫染色(ER) |
略 称 |
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担当検査室 |
病理( TEL:2426,2478 ) |
至急指定 |
不可 |
時間外 |
なし |
結果報告時間(普通) |
1~3週間 |
結果報告時間(至急) |
4~7日 |
検査目的 |
生体由来の組織又は細胞中のエストロジェンレセプター(ER)の検出(悪性腫瘍の診断補助等) |
臨床的意義 |
ER は乳がん患者の予後の予測及びホルモン療法の適用の適否を診断する上で、有用な情報となる。
乳がんは女性に最もよくみられる癌であるが、早期発見により適切な治療が行われれば生存率は著しく上昇する。1967 年にJensenらにより、乳がん組織中ERの測定が内分泌療法効果の指標として有用であることが示唆された。
その後、ER、プロゲステロンレセプター(PGR)がホルモン療法効果のよい指標となることが明らかとなり、進行・再発乳がんの治療のみならず術後補助ホルモン療法にも広く臨床応用されるようになった。
また、ER/PGRは、予後因子としても重要であり、悪性度、生存率、転移部位などと関連があることが示されている。
ERは、核内に存在する受容体タンパクでエストロジェンと高い親和性をもっており、エストロジェンと結合すると転写制御因子として機能し、
標的遺伝子の転写を促進する。乳がん中に存在するERの機能の評価する方法のひとつとして、
ERによって制御されているタンパクであるPGRの発現を検査する方法がERの機能を評価するためのモニターとして使用されてきた。
1979 年米国保険局(NIH)は、適切な治療方法を決定するために、全ての原発性乳がんでERの検出を実施することを推奨した。
また、1985 年NIHと米国癌学会は、乳がん患者を管理するために、乳がんのホルモン受容体の状態を検査することを支持する報告書を別々に発表した。1996 年米国臨床癌遺伝子学会の腫瘍マーカー委員の調査結果として、すべての原発性部位と治療計画に影響するかもしれない転移部位のERとPGRの状態を検出することを推奨し、再発又は転移患者への治療の確立について及びER/PGRの結果を使用することについても推奨した。
委員会はさらにERとPGRの状況が予後に対して演じる役割についても注目したが、ERとPGRの結果は単独では長期的後退や乳がん関連の死亡率の予後因子としては、比較的弱いものであり、他の臨床的判断基準と関連して評価すべきであると注意を促している。 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力不可
組織診依頼箋に記入 |
サンプルの種類 |
乳癌他、他院のパラフィンブロック、無染標本 |
測定日情報 |
毎日 |
患者準備,採取・提出上の注意 |
検体量
・目的の細胞が存在する組織切片3~4μm
検体の安定性
・ホルマリン固定は室温で行う。組織容量の15~20 倍の10%中性緩衝ホルマリンに浸ける。
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検査上の注意 |
測定できない検体
・目的とする細胞が存在しない検体
・検体の安定性の条件を満たしていない検体
これらの条件を満たしていない場合は、依頼した臨床医または病棟・診療科に連絡をする。
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