HER2 DISH |
略 称 |
|
担当検査室 |
病理( TEL:2426,2478 ) |
至急指定 |
不可 |
時間外 |
なし |
結果報告時間(普通) |
1~3週間 |
結果報告時間(至急) |
- |
検査目的 |
ベンタナ DISH HER2 キットは、Silver in situ Hybridization法(SISH法)をベースとしたDual Color in situ Hybridization法(DISH法)により、組織または細胞中のHER2遺伝子およびHER2遺伝子が局在する17番染色体のセントロメア(Chr17)を、それぞれ黒色と赤色のシグナルとして検出する。検出されたシグナルは光学顕微鏡下で、腫瘍組織の形態学的特徴との同時観察が可能である。 |
臨床的意義 |
乳癌においてHER2(ヒト上皮成長因子受容体2型)は予後予測因子であり、乳癌の15~25%に HER2遺伝子増幅およびタンパク過剰発現が認められ、HER2陽性乳癌は予後不良であることがわかっている。また、HER2は抗HER2治療薬の効果予測因子でもあり、2001年に日本で最初のヒト化モノ クローナル抗体乳癌治療薬として承認されたトラスツズマブをはじめ、ペルツズマブやT-DM1 などの種々の抗HER2治療薬の投与に先立って、HER2のタンパク過剰発現および遺伝子増幅 の検査が、投与対象の患者選別や治療効果予測に欠かせない検査となっている。また、胃癌についても国際第Ⅲ相試験であるToGA試験において、標準的化学療法にトラスツ ズマブを併用することで、生存期間の有意な延長をもたらすことが示され、日本では2011年3月に トラスツズマブがHER2陽性進行・再発胃癌に適応拡大されている。乳癌同様に胃癌においても、抗HER2治療薬の投与の適応を判断する上で、HER2遺伝子増幅およびタンパク過剰発現の検査が有用である。2008年のHofmannらの報告によると、胃癌の17.6~19.2%にHER2遺伝子増幅 およびタンパク過剰発現が認められると報告されている。近年、HER2タンパクを特異的ターゲットとする分子標的薬の開発が相次ぎ、治療による生存率の向上がもたらされる中で、一人でも多くの対象患者を適正に選別するための精度向上がHER2検査に求められてる。 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力不可 |
サンプルの種類 |
乳癌、胃癌、唾液腺癌、他院のパラフィンブロック、無染標本。 |
測定日情報 |
毎日 |
患者準備,採取・提出上の注意 |
検体量
・目的の細胞が存在する組織切片4~5μm
検体の安定性
・検体採取後は速やかに固定液に入れる。1時間以内が推奨される。
・ホルマリン固定は室温で行う。組織容量の15~20 倍の10%中性緩衝ホルマリンに浸ける。 |
検査上の注意 |
測定できない検体
・目的とする細胞が存在しない検体。
・検体の貯法および安定性の条件を満たしていない検体
これらの条件を満たしていない場合は、依頼した臨床医または病棟・診療科に連絡をする。
|