A群β溶連菌迅速試験 |
略 称 |
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担当検査室 |
細菌( TEL:2424 ) |
至急指定 |
不可 |
時間外 |
あり |
結果報告時間(普通) |
30分 |
結果報告時間(至急) |
- |
検査目的 |
・咽頭拭い液中のA群β溶血連鎖球菌抗原の検出(A群連鎖球菌感染の診断の補助)。 |
臨床的意義 |
A群β溶血連鎖球菌抗原に対するポリクロナール抗体を使用したメンブレン上での免疫測定法(イムノクロマト法)であり、臨床診断において迅速・補助的な検査結果を提供するものである。 |
保険情報 |
適用あり(咽頭培養で処理) |
オーター情報 |
入力可(CRT画面に溶連菌と表示している) |
採取容器名 |
綿棒 |
サンプルの種類 |
咽頭ぬぐい液 |
測定日情報 |
<ルーチン時間帯>
・細菌ウイルス検査室で実施
<時間外帯>
・救命救急センター:担当医が検査実施
・病棟:時間外検査室(内線2262)で実施 |
患者準備,採取・提出上の注意 |
・綿棒を口腔内に挿入し、綿球が他の部位に触れないようにして口蓋扁桃や咽頭後壁(炎症部位)を十分に擦過して検体を採取する。
・採取は培養検査があれば、咽頭をぬぐった綿棒2本(1本は培養用、1本は迅速検査用)、迅速検査オーダーのみの場合は綿棒1本
・検体が1本の場合、培養後測定となるため依頼した臨床医に確認後、結果は「参考値」となる。
・採取容器は検体採取用綿棒(キット付属品)、又はプレインシステムP。
<ルーチン時間帯>
細菌ウイルス検査室(内線2424)に採取容器を取りに来てください。
<時間外帯>
救命救急センター:担当医が検査を実施する。オーダーラベルを貼り、結果を記入した救命救急センター迅速検査伝票を検査室に提出してください。
病棟:検体採取容器を時間外検査室(内線2262)に取りに行き、検査オーダーラベルを貼付した検体を時間外検査室に提出して下さい。
・救命救急センターからの検査キットの持ち出しは禁止です! |
測定に及ぼす諸因子 |
〈干渉物質〉
・出血を想定したヘモグロビン添加試験では、試料中濃度;約0.5g/dLまで影響はなかったが、それを上回る濃度では、メンブレンの着色により、判定が困難となった。なお少ない血液量であっても血液や血球成分の影響により、正常な反応ではない非特異的反応等が生じることがあるので、検体採取の際はできるだけ血液を付着させない。
・下記のいずれの物質についても、( )の濃度までは影響は認められなかった。
オセルタミビルリン酸塩(9㎎/mL)、ザナミビル水和物(25㎎/mL)、アセトアミノフェン(10㎎/mL)イブプロフェン(25㎎/mL)、ジフェンヒドラミン塩酸塩(10㎎/mL)、クロルフェニラミンマレイン酸塩(5㎎/mL)、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(100㎎/mL)、点眼薬[クロモグリク酸ナトリウム含有;(100vol%)]、のどスプレー1[アズレンスルホン酸ナトリウム水和物含有;(50vol%)]、のどスプレー2[アズレンスルホン酸水和物含有;(25vol%)]、点鼻薬1{モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物;(25vol%)}、点鼻薬2[フルチカゾンカルボン酸プロピオン酸エステル含有;(50vol%)]、のど飴1[南天実エキスプロピオン酸エステル含有;(10w/v%)]、のど飴2[カリンエキス含有;(5w/v%)]、口腔洗浄剤1[塩化セチルピリジニウム含有;(50vol%)]、口腔洗浄剤2[塩化セチルピリジニウム、トリクロサン含有;(100vo1%)]、うがい薬1[ポピドンヨード含有;(6vol%)]、うがい薬2[塩化セチルピリジニウム、グリチルリンチン酸二カリウム含有;(50vol%)]
〈交差反応〉
・細菌
下記の細菌(1.0×108CFU※1/mL)との交差反応性は認められませんでした。
Bordetella pertussis、Candida albicans、Corynebacterium diphtheria、Escherichia coli、Enterococcus faecalis、Haemophilusinfluenzae、Klebsiella pneumonia、Legionella pneumophila、Moraxella catarrhalisNeisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitides、Neisseria sicca、Neisseria perflava、Porphyromonas gingivalis、Pseudomonas aeruginosa、Serratia marcescens、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Group B Streptococci、Group C Streptococci、Group D Streptococci、Group F Streptococci、Group G Streptococci、Group L Streptococci、Streptococcus mutans、Streptococcus pneumonia、Streptococcus sanguinis
注)Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis及びStreptococcus milleri groupの中には,A群多糖体抗原を有する菌が存在することが報告されています。A群β溶血連鎖球菌に含まれるA群多糖体抗原を特異的に検出する試薬であり,これらの菌量が多い場合には,陽性の検査結果を示す可能性があります。
※1:CFU;Colony Forming Unit (コロニー形成単位)
・ウイルス
下記の各ウイルス(インフルエンザウイルス1.0×105~5.0×106PFU/mL、その他のウイルス:3.2×105~3.2×108TCID50/mL)との交差反応性は認められなかった。
Adenovirus Type3、Infuluenza virus A/California/7/2009(H1N1)pdm09、Infuluenza virusB/Shandong/7/97、espiratory Syncytial virus A、Respiratory Syncytial virus B
PFU:Plaque Forming Unit(プラーク形成単位)TCID50:Tissue Culture Infection Dose(50%組織培養感染量)
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検体保存情報 |
・採取した検体は速やかに検査する。すぐに検査できない場合には、綿棒を清潔な密閉容器に入れ、2~25℃で保存し、72時間以内に検査する。 |
その他情報 |
・S.pyogenesの群別
免疫一元拡散法1977年~1979年
ラテックス凝集法1980年
S.pyogenesのT型別1977年~
・1995年8月1日より血液寒天を嫌気培養(肺炎球菌検出率向上のため)
・2006年12月16日より時間外検査でオーダーリング開始。
・2019年7月1日より、時間外帯での病棟依頼は時間外検査室で検査実施開始(救命救急センターの運用は従来通り) |