一般細菌塗抹鏡検検査(膿汁) |
略 称 |
膿汁 |
担当検査室 |
細菌( TEL:2424 ) |
至急指定 |
可 |
時間外 |
なし |
結果報告時間(普通) |
1日 |
結果報告時間(至急) |
30分 |
検査目的 |
膿汁の塗抹鏡検は、迅速性に優れ、感染症診断において重要な情報を提供できる検査である。常在菌の混入を防止して、無菌的に採取した検体から、塗抹で菌が検出されたならば起炎菌として推定できる。迅速性と正確性が要求される検査である。 |
臨床的意義 |
膿汁の感染症診療における塗抹鏡検の意義は髄液や穿刺液に次いで高い。化膿性疾患を起こす原因菌の多くは患者自身のもつ正常細菌叢によるものである。膿汁からの塗抹鏡検で菌を認めたらできるだけ菌種を推定し、その背景にある好中球の有無を確認する。 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力可 |
採取容器名 |
嫌気ポーター |
サンプルの種類 |
膿汁、膿汁(臍部)、膿汁(臀部)、開放性膿、非開放性膿、褥瘡、水泡内容、耳漏、外耳道擦過物、その他膿汁。 |
測定日情報 |
ルーチン時間帯のみ(時間外は翌ルーチン稼働日) |
患者準備,採取・提出上の注意 |
1) 患者に採取方法を十分説明する。
2) 開放創:膿表面部分を滅菌生理食塩水または70%アルコールで拭い浸出液等を取り除く。開放膿は深部または辺縁部を滅菌綿棒プレインシステム・Pで擦過して採取する。
3) 非開放性膿:注射器と注射針とを用い、膿瘍壁に沿って(中央部は菌が死滅していることが多い)穿刺、吸引して、嫌気ポーターに採取する。複数の独立した創部は別々に採取する。小切開セットを用いて切開した部位から穿刺、1~10mLを採取し、嫌気ポーターまたはACスクリュースピッツに入れる。
4) 皮下膿、皮下深部膿、壊死膿、組織、皮膚表面の膿、峰巣炎症部の膿液:滅菌ガーゼでなく滅菌綿棒プレインシステム・Pで採取する。嫌気性菌が疑われる場合は嫌気ポーターに採取する。
5) 峰巣炎症部の膿:滅菌生理食塩水または70%アルコールで皮膚を清拭する。炎症の最も激しい部分を注射器と注射針で吸引する。注射器の中に少量の滅菌生理食塩水を吸引し、ACスクリュースピッツに移す。
6) 褥瘡:生検材料を採取または病変深部を滅菌綿棒で強く擦過し採取する。
7)採取容器は緑栓スピッツ(滅菌スピッツ)、嫌気ポーター、滅菌綿棒プレインシステム・P。
8) 病棟、外来で採取された検体は、速やかに細菌・ウイルス検査室に提出する。
9) 休日、夜間に採取された場合には時間外検査室に提出するか、直ぐに提出できない場合は、直ちに4℃で保存し、24時間以内に細菌・ウイルス検査室に提出する。
10)検体量は1mLまたは滅菌綿棒プレインシステム・Pで膿(1本)を採取する。 |
測定に及ぼす諸因子 |
1) 抗菌薬投与中の患者からの採取
2) 常在菌の混入
3) スライドグラスの汚染
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検体保存情報 |
乾燥を防ぎ冷蔵庫4℃で指定容器の保存 |