一般細菌培養同定検査(尿) |
略 称 |
尿 |
担当検査室 |
細菌( TEL:2424 ) |
至急指定 |
不可 |
時間外 |
なし |
結果報告時間(普通) |
2~5日 |
結果報告時間(至急) |
- |
検査目的 |
尿の細菌検査は①膀胱炎や腎盂腎炎、②尿道炎(淋菌、クラミジアなど)、③腎結核などの起炎菌検査のために行う。 |
臨床的意義 |
尿路感染は、内因感染であって陰部の常在菌や腸管由来菌が尿道を経て上行性に感染する。尿路感染のうち感染が膀胱のみの場合を膀胱炎といい、頻尿・排尿痛などの症状を呈するが、一般に発熱は伴わない。尿路に基礎疾患がない場合を単純膀胱炎という。感染が腎盂にまで及んだ場合を腎盂炎といい、通常腎実質にまで感染が及び腎盂腎炎となる。悪寒を伴う発熱がみられ、側腹部痛や腰痛などを訴える。腎盂腎炎ではしばしば菌血症を続発する。尿路の結石や腫瘍など基礎疾患を有する慢性複雑性尿路感染では種々の細菌や真菌が原因となり、それらの混合感染のことが多い。尿路感染菌は膀胱の中でよく発育でき、数時間のうちに10*5CFU/mL以上に達する。すなわち中間尿中に細菌が10*5CFU/mL以上存在すれば尿路感染の原因菌と決定することができる。10*3CFU/mL以下の時には採尿時の常在菌や腸管由来菌の混入が疑われ、10*4CFU/mLの場合には病態や尿沈渣の成績に基づいて検出菌の病原的意義を検討する必要がある。S.typhi、S.paratyphiの場合は菌数の多少にかかわらず検出されれば原因菌である。 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力可 |
採取容器名 |
緑栓スピッツ(滅菌スピッツ) |
サンプルの種類 |
尿、カテーテル尿、膀胱洗浄液、中間尿、腎盂尿、その他(尿) |
測定日情報 |
ルーチン時間帯のみ(時間外は翌ルーチン稼働日) |
患者準備,採取・提出上の注意 |
・男女を問わず中間尿(排尿始めの尿は便器に排出し、排尿を止めずに中間部分の尿を排尿コップに採る)やカテーテル尿を用いる。
・カテーテル尿はカテーテル挿入時に尿道付近に生息する常在菌を膀胱内に押し込んでしまう危険があるため、尿道口付近をよく消毒しカテーテルの先端を皮膚や粘膜に触れないようにする。
・中間尿は安全に採取できる反面、採取法が悪いと常在菌の混入が起こりやすいため患者に採取法をよく説明し協力を得ることが大切である。
原則、抗菌薬投与前であるが、投与されている場合は抗菌濃度が低下している次回投与前に排尿する。
・検体採取量は10mL。
・最低必要量100μL |
検体保存情報 |
・冷蔵保存(4℃以下)で24時間保存可能。 |
その他情報 |
・ヒツジ血液寒天培地とBTB寒天培地に発育しない菌は検出不能。
<培養法>
2018年8月10日~現在:白金耳法で分離、コロニー数から菌量(定量表現)に変換
1985年~2018年8月9日:希釈培養法(マイクロピペット)
1975年~1984年:dip-slide法
~1974年:混釈培養法(メスピペット) |