一般細菌培養同定検査(呼吸器) |
略 称 |
呼吸器 |
担当検査室 |
細菌( TEL:2424 ) |
至急指定 |
不可 |
時間外 |
なし |
結果報告時間(普通) |
2~4日 |
結果報告時間(至急) |
- |
検査目的 |
呼吸器感染症は病巣部位別に上気道、下気道、肺実質及び胸膜の感染症に分類することができる。
咽頭粘液と鼻咽腔粘液は主に上気道感染症の検査のために、喀痰の検査は主に下気道(気管、気管支)と肺実質(肺胞組織)の感染症の起炎菌検索のために用いられる。 |
臨床的意義 |
急性上気道感染症には咽頭炎・喉頭炎・扁桃腺炎などが含まれる。S.pyogenesによる咽頭炎は猩紅熱・急性糸球体腎炎・リウマチ熱を続発することがあり重要である。
百日咳は数週~十数週に及ぶ経過の長い疾患であるが、発病初期のカタル期(発病1~2週)に患者の飛沫中にB.pertussisが放出される。
易感染患者や乳児ではC.albicansによる口腔カンジダ症がみられる。
以上の原因菌検査のほか患者や医療従事者のMRSA保菌者の検索には鼻腔前庭の擦過物を培養する。
急性下気道感染症(急性気管・気管支炎)は急性上気道炎(かぜ症候群)と同様に主にウイルスを原因とするが、二次感染の原因菌としてH.influenzaeやS.pneumoniaeが検出される。気管支拡張症や慢性気管支炎を基礎疾患とする慢性下気道感染症の原因菌にはP.aeruginosaやK.pneumoniaeが多く急性憎悪時にはH.influenzaeやS.pneumoniaeが検出される。肺実質の感染は肺炎・肺化膿症・肺結核に大別されるが、肺炎は患者の罹患場所によって原因菌を異にする。市中肺炎ではS.pneumoniaeやM.pneumoniaeが多く、一方院内肺炎ではK.pneumoniaeやP.aeruginosaなどの非発酵菌が多い。肺膿瘍ではF.nucleatum,P.melaninogenicaなどの嫌気性菌が関与することが多い。 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力可 |
採取容器名 |
痰容器(緑色) |
サンプルの種類 |
喀痰、鼻汁、咽頭擦過物、気管内分泌物、気管内チューブ、気管支洗浄液、気管支洗浄液MIX
ブラシ洗浄液、肺胞洗浄液、鉗子洗浄液、口腔、その他(呼吸器系) |
測定日情報 |
ルーチン時間帯のみ(時間外は翌ルーチン稼働日) |
患者準備,採取・提出上の注意 |
1)喀痰:採取前にうがいをするなど口腔内を清潔にすることなど採取方法を十分説明する。
ティッシュに喀痰を採取しない。
ティッシュに採取されていた場合や乾燥していた場合は採り直しを依頼することがある。
2)採取容器は緑栓スピッツ(滅菌スピッツ)、プレインシステムP(スワブ)、喀痰容器(プラ壺)緑、気管カテーテルとする。
3)採取量:容器に採取可能な量
4)プレインシステムP(スワブ)での提出は、可能な限り擦過する。 |
検体保存情報 |
冷蔵(4℃以下)で24時間保存可能。 |
その他情報 |
・1995年8月1日より血液寒天を嫌気培養(肺炎球菌検出率向上のために)実施。
・2018年12月より分画培地(羊/チョコ)変更に伴い、CO2培養とした。 |