TB-PCR(結核菌群核酸増幅同定検査) 略 称
担当検査室 細菌( TEL:2424 ) 至急指定 不可
時間外 なし
結果報告時間(普通) 1~8日 結果報告時間(至急) -
検査目的 体液、組織、気管支洗浄液又はそれらの培養から抽出された結核菌群DNAの検出。
(結核菌群感染が疑われる有症状者を対象とする診断の補助)
臨床的意義 我が国における結核は年々減少傾向にあるものの、2019年の新登録患者数は約1万4500人、死亡者数は約2100人にのぼる。欧米諸国と比べると罹患率が高く、依然として日本は結核中蔓延国の状態である。結核は空気感染による感染性疾患であるため迅速な検出が求められるが、結核菌は遅発育菌であるため培養法では結果を得るまでに週単位の期間がひつようであり迅速性に劣る。核酸増幅検査法は、結核菌の核酸を増幅し菌の存在を確認する検査であり、臨床検体から核酸の検出まで数時間で行うことが可能であるため結核菌を含む抗酸菌の診断に非常に有用な方法である。ただし、特異度は90%以上と良好であるが感度に関しては、塗抹陽性検体で100%近い感度となるものの、塗抹陰性検体では培養法と感度が同等からやや劣るとの報告が多い。
保険情報 適用あり
オーター情報 入力可
採取容器名 痰容器(緑色)
サンプルの種類 喀痰、体液、組織、気管支洗浄液等
測定日情報 週1回
患者準備,採取・提出上の注意 採取量2.0mL(最低必要量500μL)
喀痰:採取前に口腔内を清潔にするうがいをするなど採取方法を十分説明する。
 ティッシュに喀痰を採取しない。ティッシュに採取されていた場合や乾燥していた場合は採り直しを依頼することがある。
体液、組織、気管支洗浄液等の採取容器は、緑栓スピッツ(滅菌スピッツ)
血液、骨髄血の採取容器は、紫栓EDTA2K(2mL)または紫栓EDTA2Na(5mL)
検査上の注意 溶血により血液成分が多量に混在する検体では、反応が阻害され偽陰性となることがあるので注意する。
ヘパリンはPCR反応を阻害するので使用しない。
測定に及ぼす諸因子 <干渉物質(妨害物質・妨害薬剤)>
(1)内因性妨害物質による影響
採取した検体に含まれる可能性のある6種の物質について検討した結果、以下の濃度までは本品の結果への影響は認められなかった。
ヘモグロビン 2 g/L、 ムチン 5 %(w/v)、全血 5 % (v/v) 膿 5 %(v/v)、ヒトDNA 4 mg/L 唾液 10 % (v/v)
(2)外因性妨害物質による影響
本品の測定結果に影響を与える可能性のある48種の物質について検討した結果、以下の濃度までは本品の結果への影響は認められなかった。
サルブタモール 0.5 μg/mL 、カナマイシン一硫酸塩 240 μg/mL、アミカシン 80.1 μg/mL、レボフロキサシン 5 mg/mL、 アモキシシリン 86.4 μg/mL 、リドカイン塩酸塩 1.2 % (w/v)、ベクロメタゾン 3,459 pg/mL 、メントール 0.50 % (w/v)、 ベンゾカイン 1.2 % (w/v) 、サルチル酸メチル 0.06 % (v/v)、ブデソニド 3 mg/mL 、モメタゾン 100 μg/mL、 Butterbur extract 225 mg/mL、 モキシフロキサシン 15 μg/mL、カプレオマイシン 80 μg/mL、 ムピロシン 5 % (w/v)、 塩化セチルピリジウム 0.5 % (w/v)、 塩化ナトリウム 5 % (w/v)、クロルヘキシジングルコン酸塩1 % (v/v) ニコチン 1 g/mL、サイクロセリン 105 μg/mL、 ナイスタチン 1 % (v/v)、クラリスロマイシン 20 μg/mL、 オキシメタゾリン 12 ng/mL、デキサメタゾン 601 ng/mL 、ペンタミジン 1,366 ng/mL、エフェドリン塩酸塩 1 mg/mL 、フェニレフリン 5 mg/mL、エピネフリンor アドレナリン100 pg/mL 、プレドニゾロン 3 μg/mL、エタンブトール 50 μg/mL、 ピラジナミド 240 μg/mL、エチオナミドor ツベルミン15 μg/mL、 リファンピシン 25 μg/mL、ユーカリプトール 0.002 % (v/v) Stinging Nettle Extract(500 mg)5 mg/mL、フルニソリド 400 μg/mL 、ストレプトマイシン 240 μg/mL、フルチカゾンプロピオン 酸エステル5 μg/mL 、硫黄 0.01 % (w/v)、ホルモテロールフマル酸塩水和物66 μg/mL、 Tea Tree Oil 0.50 % (v/v)、 ゴールデンシール(カプセル 570 mg)5.7 mg/mL、 テオフィリン 20 μg/mL、グアイフェネシン 5 mg/mL、 トブラマイシン 24.1 μg/mL、イソニアジド 50 μg/mL 、ザナミビル 10 mg/mL
<交差反応>
178種の微生物について検討した結果、細菌・真菌は約1.0E+06 各単位/mL、ウイルスは約1.0E+05 各単位/mLまで、本品との交差反応は認められなかった。
検体保存情報 1次サンプルは冷蔵保存(4℃以下)で24時間保存可能。
その他情報 TB-PCRのみのオーダーでは培養は含まれません。
培養検査も依頼される場合は、同時に抗酸菌培養のオーダーをしてください。

検査法(最新) リアルタイムPCR(Polymerase Chain Reaction)法:
遺伝子解析装置 コバス6800システム
およびGene Xpert システム
2022/02/10 ~ 現 在
臨床参考値(最新) (+)または(-)
検査法(前回) LAMP(Loop-mediated Isothermal Amplification)法 2015/06/01 ~ 2022/02/09
臨床参考値(前回) (+)または(-)