MAC-PCR(マイコバクテリウムアビウム・イントラセルラー核酸増幅同定検査) |
略 称 |
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担当検査室 |
細菌( TEL:2424 ) |
至急指定 |
不可 |
時間外 |
なし |
結果報告時間(普通) |
1~8日 |
結果報告時間(至急) |
- |
検査目的 |
体液、組織、気管支洗浄液又はそれらの培養液中のMycobacterium avium DNA及びM. intracellulare DNA の検出(M. avium 感染症及びM. intracellulare感染症の診断の補助)。 |
臨床的意義 |
非定型抗酸菌症は、免疫不全症等において増加傾向にあり、特にM. avium及びM. intracellulareの感染は、非定型抗酸菌症の約70%を占めており、肺結核症との迅速な鑑別診断は患者の隔離と治療方針を決定する上で重要である。従来から抗酸菌症診断には分離培養検査が利用されているが、ヒトの感染症起因菌となる抗酸菌の多くは発育が遅く分離培養、同定検査に4~8週間を必要とする為、迅速診断が出来ない等の問題が指摘されていた。近年、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の核酸増幅法を用いた抗酸菌同定検査が開発された、迅速で感度の高い抗酸菌の検出と同定が可能となり、抗酸菌感染症の鑑別診断と治療の選択に有用な検査となっている。 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力可 |
採取容器名 |
痰容器(緑色) |
サンプルの種類 |
喀痰、体液、組織、気管支洗浄液等 |
測定日情報 |
週1回 |
患者準備,採取・提出上の注意 |
採取量:2.0mL(最低必要量500μL)
喀痰:採取前に口腔内を清潔にするうがいをするなど採取方法を十分説明する。
ティッシュに喀痰を採取しない。
ティッシュに採取されていた場合や乾燥していた場合は採り直しを依頼することがある。
体液、組織、気管支洗浄液等の採取容器は、緑栓スピッツ(滅菌スピッツ)
血液、骨髄血の採取容器は、紫栓EDTA2K(2mL)、または紫栓EDTA2Na(5mL) |
検査上の注意 |
溶血により血液成分が多量に混在する検体では、反応が阻害され偽陰性となることがあるので注意する。
ヘパリンはPCR 反応を阻害するので、使用しない |
測定に及ぼす諸因子 |
<干渉物質(妨害物質・妨害薬剤)>
(1) 内因性妨害物質による影響
採取した検体に含まれる可能性のある6 種の内因性物質について検討した結果、以下の濃度までは本品の結果への影響は認められなかった。ヘモグロビン 2 g/L、 ムチン 4 %(w/v)、全血 5 % (v/v)、 膿 5 %(v/v)、ヒトDNA 4 mg/L、 唾液 10 % (v/v)
(2) 外因性妨害物質による影響
本品の測定結果に影響を与える可能性のある48 種の外因性物質について検討した結果、以下の濃度までは本品の結果への影響は認められなかった。
サルブタモール 0.5 μg/mL、 カナマイシン一硫酸塩 240 μg/mL、アミカシン 80.1 μg/mL 、レボフロキサシン 5 mg/mL、
アモキシシリン 86.4 μg/mL 、リドカイン塩酸塩 1.2 % (w/v)、ベクロメタゾン 3,459 pg/mL 、メントール 0.50 % (w/v)、
ベンゾカイン 1.2 % (w/v) 、サルチル酸メチル 0.06 % (v/v)、ブデソニド 3 mg/mL、 モメタゾン 100 μg/mL、Butterbur extract 225 mg/mL 、モキシフロキサシン 15 μg/mL、カプレオマイシン 80 μg/mL 、ムピロシン 5 % (w/v)、塩化セチルピリジウム 0.5 % (w/v)、 塩化ナトリウム 5 % (w/v)、クロルヘキシジングルコン酸塩1 % (v/v) ニコチン 1 μg/mL、
サイクロセリン 105 μg/mL 、ナイスタチン 1 % (v/v)、クラリスロマイシン 20 μg/mL、 オキシメタゾリン 12 ng/mL、
デキサメタゾン 601 ng/mL、 ペンタミジン 1,366 ng/mL、エフェドリン塩酸塩 1 mg/mL、 フェニレフリン 5 mg/mL、
エピネフリンor アドレナリン100 pg/mL、 プレドニゾロン 3 μg/mL、エタンブトール 50 μg/mL 、ピラジナミド 240 μg/mL、エチオナミドor ツベルミン15 μg/mL 、リファンピシン 25 μg/mL、ユーカリプトール 0.002 % (v/v) 、Stinging Nettle Extract(500 mg)5 mg/mL、フルニソリド 400 μg/mL 、ストレプトマイシン 240 μg/mL、フルチカゾンプロピオン
酸エステル5 μg/mL、 硫黄 0.01 % (w/v)、ホルモテロールフマル酸塩水和物66 μg/mL、 Tea Tree Oil 0.50 % (v/v)、ゴールデンシール(カプセル 570 mg)5.7 mg/mL 、テオフィリン 20 μg/mL、グアイフェネシン 5 mg/mL、 トブラマイシン 24.1 μg/mL、イソニアジド 50 μg/mL 、ザナミビル 10 mg/mL
<交差反応>
173 種の微生物について検討した結果、真菌・細菌は1.0E+06 各単位/mL、ウイルスは1.0E+05 各単位/mL の濃度まで本品との交差反応性は確認されなかった。ただし、M.kansasii とM.szulgai については1.0E+05 CFU/mL の濃度で、M.gastri は1.0E+04 CFU/mL の濃度までは本品との交差反応性は確認されなかった。 |
検体保存情報 |
冷蔵保存(4℃以下)で24時間保存可能 |
その他情報 |
・MAC-PCRのみのオーダでは培養は含まれません。
培養検査も依頼される場合は,同時に抗酸菌培養のオーダをして下さい。
・MAC-PCRのオーダは非定型抗酸菌の課金請求となります。
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