体性感覚誘発電位(SEP) 略 称 SEP
担当検査室 神経生理検査室( TEL:2669 ) 至急指定
時間外 なし
結果報告時間(普通) 60~120分 結果報告時間(至急) 60~120分
検査目的 生体に体性感覚刺激を与えると、それに対する反応が感覚伝導路を経て大脳皮質にまで伝えられる。
そのとき、大脳皮質あるいは途中の伝導路で生ずる電気活動に由来する電位を、加算平均法によって抽出したものが
体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potentials:SEP)である。
末梢感覚神経~脊髄~大脳皮質体性感覚野の各レベルの機能評価を可能とする検査
臨床的意義 1. 脊髄神経根病変
  N13-P13 onsetとN9 onsetの潜時差が延長する。この場合、C6/C7レベルの障害が疑われる場合には正中神経刺激が
  C8レベルの障害が疑われる場合には尺骨神経刺激が有用である。
2. 脊髄灰白質病変
  頸髄後角の介在ニューロンが障害されると、その興奮性後シナプス電位であるspinal N13-P13が低下~消失する。
  脊髄空洞症が典型例であるが、頸部脊髄症でも後角が圧迫される場合にはspinal N13-P13が低下~消失する。
3. 後索病変
  onset CCTは、後索病変による中枢伝導異常をよく反映する指標である。
  胸髄レベルの病変の検出には、下肢刺激SEPが有用である。
4. 脳幹病変、視床病変
  延髄楔状束核を巻き込んだ病変では、brainstem P14とそれに続く皮質成分N20-P20が消失する。
  このことから、brainstem P14は楔状束核ニューロンのシナプス電位であるという説がある。
  また、N20-P20成分に重畳する wide-spread N18成分も同様に延髄病変では消失することがら
  N18成分は楔状束核起源と考えられている。
  延髄・橋の境界部病変では、P14成分もN18成分も保存される。これらの所見は、P14成分、N18成分ともに
  延髄楔状束核起源であることを示唆するが、内側毛帯の活動電位がP14形成に関与する可能性は否定できない。
5. 大脳白質病変
6. 末梢神経障害
  感覚神経活動電位が導出不能例であっても中枢の増幅機能によって、SEPの皮質成分をしばしば導出することができる。
  このような症例で、脊髄~脳幹~感覚皮質に伝導異常をきたす原因がないと考えられる場合、SEP皮質成分の潜時の遅れは
  末梢の伝導機能をおおむね反映するものと考えられる。従って、同一患者においてはその潜時を経時的に観察することにより
  病変の進行や治療効果の判定に利用することができる。
保険情報 適用あり
オーター情報 入力可
サンプルの種類 患者(頭部、四肢、体幹)
測定日情報 検査室の業務時間は月曜日から金曜日8時30分から17時15分(病院営業日に準ずる)
患者準備,採取・提出上の注意 ・複数項目を同一日に検査すると長時間になる可能性があります。
・当日至急検査依頼の場合は検査開始時刻を含め電話連絡にて対応。
検査上の注意 頭皮に電極を装着する際、クリームを使用するため頭髪が汚れます。
検査受け入れ不可基準
・患者自身で着脱不可能なかつらを装着されている方。
・脳深部刺激療法(DBS)装置を使用されている方。
検査受付時刻が16時15分以降になる場合
・17時15分以降は患者急変時対応が困難になるため、16時15分以降の受付に関しては検査中の医師の随伴を条件に検査依頼を受ける。
測定に及ぼす諸因子 ・上肢長あるいは身長による影響を受ける。
・加齢によっても、潜時は若干延長する傾向がみられる。
・筋電図、体動、呼吸、発汗など
その他情報 体性感覚誘発電位(SEP)には以下の検査オーダがあります。
・上肢SEP(正中4ch)
・下肢SEP(脛骨4ch)
・上肢SEP(4ch)
・下肢SEP(4ch)
・上肢SEP(8ch)
・下肢SEP(8ch)
・SEPsegmental(コメント要)
・往:上肢SEP(正中4ch)
・往:下肢SEP(脛骨4ch)
・往:上肢SEP(4ch)
・往:下肢SEP(4ch)