血液型 |
略 称 |
血液型 |
担当検査室 |
輸血( TEL:2261 ) |
至急指定 |
可 |
時間外 |
あり |
結果報告時間(普通) |
2~3時間 |
結果報告時間(至急) |
1時間 |
検査目的 |
輸血や臓器移植を行う時の重篤な副反応の防止や、ABOあるいはRhD血液型不適合による胎児・新生児溶血性疾患の診断補助として、
ABOおよびRhD血液型判定を行う。
ABO血液型判定は、赤血球上のA抗原・B抗原の有無を検査するオモテ検査と、血漿中の抗A・抗Bを検査するウラ検査の両方を実施し、判定を行う。RhD血液型判定は、D抗原の有無を検査することで判定を行う。 |
臨床的意義 |
(1)ABO血液型
赤血球上には基本抗原としてA、B、H抗原(HはA、Bの前駆物質的な基礎抗原)があり、血漿中には規則抗体として、抗A、抗Bがある。それらの反応性から、ABO血液型はA、B、O、ABの4つの基本型に分類される。
赤血球(オモテ検査)・血漿(ウラ検査)の両方からABO血液型を検査し、オモテ検査とウラ検査の一致している場合に血液型を確定することができる。
オモテ検査とウラ検査が一致していない場合にはその原因を精査する必要がある。
【オモテ検査とウラ検査の結果が不一致になる場合】
1. 赤血球に原因がある場合
①亜型,②疾患による抗原量の一時的な減弱,③ 後天性Bを示す場合,④ 高力価に自己抗体が感作されている,⑤ 汎凝集性を示す,⑥ キメラ・モザイクによるもの,⑦ 異型輸血によるもの,⑧ 造血幹細胞異型移植後,⑨ 被検血球の濃度調整の不良
2. 血漿に原因がある場合
①不規則同種抗体を保有する,② 抗A1やある種の抗Bの存在,③ 連銭形成によるもの(高γ-グロブリン血症をきたしている場合),④ 寒冷凝集素を高力価に含む場合(寒冷凝集素病、マイコプラズマ肺炎など),⑤ 不活化不良による溶血反応,⑥ 母親由来抗A、抗Bによるもの,⑦ 抗A・抗B抗体価の低下や欠損(無、低γーグロブリン血症、骨髄腫、慢性リンパ性白血病、新生児、高齢者),⑧ 高分子血漿増量剤、造影剤の使用,⑨ 型物質の異常増加(卵巣嚢腫、胃癌などでみられる→オモテ検査で全血を用いた場合),⑩ 輸血により受身に抗体を獲得した場合
(2) RhD血液型
D抗原は、RhD陽性とRhD陰性の2種類に判定される。さらに、D抗原のエピトープに欠損が認められず、発現量にも異常を認めない正常のRhD陽性、一部のエピトープが欠損しているpartialD、エピトープの欠損は認めないがD抗原発現量が低下しているweakDとに分けられる。また、RhD陰性に判定される中には、赤血球上に非常にわずかにD抗原を認めるDelが含まれる。
D抗原は非常に免疫原性が高く、抗Dは、ABO血液型の抗A・抗Bのように、RhD陰性の人が規則的に抗体を保有しているのではなく、免疫刺激により産生される。産生された抗Dは溶血性輸血副反応や胎児・新生児溶血性疾患に関与するため、RhD陰性の受血者にはD抗原陰性血の輸血を行う。 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力可 |
採取容器名 |
長紫栓EDTA2Na入り採血管 |
サンプルの種類 |
赤血球,血漿
採血量:全血3ml(最低必要量1ml、臍帯血も可能)
6ヶ月未満の小児はガラス毛細管1本でも可能 |
測定日情報 |
毎日 |
測定に及ぼす諸因子 |
疾患、年齢、直接ク-ムス陽性、不規則性抗体の存在、連銭形成、寒冷凝集素 |