インフルエンザウイルス抗原 略 称 INFL
担当検査室 ウイルス( TEL:2496 ) 至急指定 不可
時間外 あり
結果報告時間(普通) 30分 結果報告時間(至急) -
検査目的 鼻腔拭い液、鼻腔ぬぐい液、鼻汁鼻かみ液又は咽頭ぬぐい液中のインフルエンザAウイルス抗原及びインフルエンザBウイルス抗原の検出(インフルエンザ感染の診断の補助)
臨床的意義 インフルエンザはA型およびB型インフルエンザウイルスの感染による急性感染症で、わが国では毎冬国民の少なくとも5~10%、小児の30%以上が罹患するといわれる罹患率の高い疾患である。高齢者のインフルエンザによる肺炎は冬季の超過死亡の原因であるが、呼吸器系に限らず様々な合併症を引き起こし、小児では冬季の入院の主たる原因疾患であるばかりでなく、わが国では重症の脳症の発生が問題になっている。インフルエンザのリスクは臨床の様々な場面で配慮されねばならないが、従来のインフルエンザの診断はインフルエンザ様症状と周囲の流行や接触歴を合わせて臨床判断にのみ頼る状況であった。しかし、インフルエンザ抗原検出迅速診断キットによって一般臨床の場でリアルタイムのインフルエンザ検査診断が可能となった。現在はA型とB型を鑑別でき、冬季の基本的な検査のひとつとなっている。
保険情報 適用あり
オーター情報 入力可
採取容器名 専用綿棒(インフルエンザ)
サンプルの種類 鼻汁(鼻腔拭い液検体)
測定日情報 <ルーチン時間帯>
・細菌ウイルス検査室で実施
<時間外帯>
・救命救急センター:担当医が検査実施
・病棟:時間外検査室(内線2262)で実施
患者準備,採取・提出上の注意 ・採取後直ちに提出・検査材料として鼻汁を用いる。
・検体量:鼻腔を拭った滅菌綿棒(キット付属品)1本分
<ルーチン時間帯>
 細菌ウイルス検査室(内線2424)に採取容器を取りに来てください。
<時間外帯>
 救命救急センター:担当医が検査を実施する。オーダーラベルを貼り、結果を記入した救命救急センター迅速検査伝票を救急センター事務へ提出してください。
 病棟:検体採取容器を時間外検査室(内線2262)に取りに行き、検査オーダーラベルを貼付した検体を時間外検査室に提出して下さい。
・救命救急センターからの検査キットの持ち出しは禁止です!
測定に及ぼす諸因子 <干渉物質>
血液及び以下の一般用医薬品、処方薬は下記濃度において、本品における判定への影響は認められなかった。
全血(0.25%)、市販かぜ薬1種(7.5mg/mL)、市販のど飴1種(40mg/mL)、市販点眼薬2種(0.25mL/mL)、市販点鼻薬2種(0.25mL/mL)、市販うがい薬2種(0.25mL/mL)、市販口腔内洗浄液(0.25mL/mL)、アセチルサリチル酸(20mg/mL)、塩酸アンブロキソール(375ng/mL)、塩酸デカリニウム(6.25ng/mL)、オキシメタゾリン塩酸塩(100ng/mL)、キキョウ乾燥エキス(555ng/mL)、クロモグリク酸ナトリウム( 5mg/mL)、ザナミビル(500ng/mL)、ジフェンヒドラミン塩酸塩(10mg/mL)、シプロヘプタジン塩酸塩水和物(200ng/mL)、セフィキシム(2.5mg/mL)、デキストロメトルファン臭化水素酸一水和物(10mg/mL)、ナファゾリン硝酸塩(125ng/mL)、(R)-(-)-フェニレフリン塩酸塩(1 mg/mL)、プロピオン酸フルチカゾン(127.5ng/mL)、マレイン酸クロルフェニラミン(5mg/mL)
<交差反応>
下記のウイルス及び細菌等との交差反応は認められなかった。
1)ウイルス
Adenovirus Type 1、Adenovirus Type 2、Adenovirus Type 3、Adenovirus Type 4、Adenovirus Type 5、Adenovirus Type 6、Adenovirus Type 11、Influenza virus C、Parainfluenza virus Type 1、Parainfluenza virus Type 2、Parainfluenza virus Type 3、Parainfluenza virus Type 4、Respiratory syncytial virus(A)、Respiratory syncytial virus(B)、Rhinovirus Type 2、Coxsackievirus Type A9、Coxsackievirus Type A16、Coxsackievirus Type B1、Coxsackievirus Type B2、Coxsackievirus Type B3、Coxsackievirus Type B4、Coxsackievirus Type B5、Coxsackievirus Type B6、Echovirus Type 4、Echovirus Type 6、Echovirus Type 9、Echovirus Type 11、Echovirus Type 14、Echovirus Type 16、Cytomegalovirus、Human Metapneumovirus
2)細菌
Acinetobacter baumannii、Bacillus cereus、Bacteroides fragilis、Bordetella pertussis、Branhamella catarrhalis、Capnocytophaga ochracea、Citrobacter freundii、Enterobacter cloacae、Enterococcus faecalis、Eikenella corrodens、Fusobacterium nucleatum、Gardnerella vaginalis、Haemophilus infuluenzae、Haemophilus parainfluenzae、Kingella kingae、Klebsiella oxytoca、Lactobacillus casei、Mycobacterium abscessus、Mycobacterium avium、Mycobacterium intracellulare、Mycobacterium tuberculosis、Neisseria meningitidis、Nocardia asteroides、Pasteurella multocida、Peptostreptococcus anaerobius、Porphyromonas asaccharolyticus、Prevotella intermedia、Prevotella melaninogenica、Salmonella choleraesuis(sub, minnesota)、Serratia marcescens、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Streptococcus bovi(s Ⅱ Group D)、Streptococcus Group A、Streptococcus Group B、Streptococcus Group C、Streptococcus Group F,Streptococcus Group G、Streptococcus milleri、Streptococcus mutans、Streptococcus oralis、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus sanguis
3)) クラミジア
Chlamydophila pneumoniae、Chlamydophila psittaci
検体保存情報 保存不可。
検体は採取後、できる限り早く操作方法に従い試料調整を行うこと。
その他情報 ・A型インフルエンザはウイルス表面の血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)の
 糖蛋白が変異しやすく,毎年のように流行を繰り返す。
・2006年12月16日より時間外検査でオーダーリング開始。
・2019年7月1日より、時間外帯での病棟依頼は時間外検査室で実施開始(救命救急センターの運用は従来通り)
・院内職員がインフルエンザに罹患した場合,感染公休届と診断書を提出すると感染公休扱いとなる。
 詳細は感染対策マニュアルを参照。

検査法(最新) ・イムノクロマトグラフィー法(イムノエース Flu) 2016/02/04 ~ 現 在
臨床参考値(最新) ・(+)…陽性。
・(-)…陰性。
検査法(前回) イムノクロマトグラフィー法(QuickVue ラピッド SP influ ) 2006/01/01 ~ 2016/02/03
臨床参考値(前回) ・(+)…陽性。
・(-)…陰性。