咽頭マイコプラズマPCR 略 称
担当検査室 ウイルス( TEL:2496 ) 至急指定 不可
時間外 あり
結果報告時間(普通) 60分 結果報告時間(至急) -
検査目的 咽頭ぬぐい液中のマイコプラズマ・ニューモニエDNAの検出及び23S rRNA遺伝子ドメインV領域の変異の検出
(マイコプラズマ・ニューモニエ感染の診断の補助)
臨床的意義 肺炎マイコプラズマは主に上気道炎、気管支炎、および肺炎などの呼吸器感染症を起こし、特に市中肺炎例では分離頻度が高く、重要な病原体として位置づけられている。マイコプラズマ肺炎の臨床的特徴として、①小児から若年の成人に多い、②乾性咳嗽が持続する、③胸部X線で明らかな肺炎像を認めるにもかかわらず肺雑音などの聴診所見に乏しい、④末梢白血球数やCRPは正常域か軽度の上昇にとどまる、という特徴を有している。一方、細菌性肺炎では臨床症状が顕著で、炎症所見も高値を示しやすいため、上記の特徴をもとにマイコプラズマ肺炎は非定型肺炎の範疇に入れられている。なお、同じく肺炎クラミジアも非定型肺炎の重要な起炎病原体であるが、これらの病原体はいずれも肺炎の治療によく利用されるペニシリン系やセフェム系などのβ-ラクタム系抗菌薬が無効であり起炎病原体の診断が治療上重要である。

通常はエリスロマイシン、ジョサマイシン等のマクロライド系あるいはテトラサイクリン、ミノサイクリン等のテトラサイクリン系薬剤が治療に使用される。一方、最近、一部の患者からマクロライド系薬剤に耐性を示すM. pneumoniaeが分離されるようになった。耐性菌は、通常、23S rRNA 遺伝子ドメイン V 領域に点変異を起こしており、変異部位によって各マクロライド系薬剤に対する耐性度も少しずつ異なっている。
保険情報 適用あり
オーター情報 入力可
採取容器名 綿棒
サンプルの種類 咽頭ぬぐい液
測定日情報 随時測定
患者準備,採取・提出上の注意 滅菌綿棒を口腔から咽頭にゆっくり挿入し、咽頭後壁または口蓋扁桃を数回擦るようにして粘膜表皮を採取する。
マイコプラズマ・ニューモニエは下気道で増殖するため、上気道では十分な量の菌が採取できない。
より下気道に近い部位を擦過できるよう、綿球先端部を咽頭後壁に近い部位に確実に接触させて採取する。
また、鼻腔用綿棒は検体の採取不良が考えられるため使用しない。
測定に及ぼす諸因子 <干渉物質>
下記物質及び血液は下記濃度において、本品における判定への影響は認められなかった。
エリスロマイシン(100μg/mL)、クラリスロマイシン(100μg/mL)、アジスロマイシン(100μg/mL)、ロキシスロマイシン(100μg/mL)、ジョサマイシン(100μg/mL)、リンコマイシン塩酸塩(100μg/mL)、クリンダマイシン(100μg/mL)、レボフロキサシン(100μg/mL)、ガレノキサシン(100μg/mL)、シタフロキサシン(100μg/mL)、モキシフロキサシン(100μg/mL)、アンピシリン(100μg/mL)、アモキシシリン(100μg/mL)、ピペラシリン(100μg/mL)、セフタジジム(100μg/mL)、ミノサイクリン(100μg/mL)、アセチルサリチル酸(100μg/mL)、デキストロメトルファン(100μg/mL)、ジフェンヒドラミン塩酸塩(100μg/mL)、ロキソプロフェン(100μg/mL)、市販かぜ薬① アセトアミノフェン濃度(100μg/mL)、市販かぜ薬② イブプロフェン濃度(100μg/mL)、うがい薬① ミルラチンキ含有(3%)、うがい薬② ポビドンヨード含有(3%)、口腔内消炎剤 アズレンスルホン酸ナトリウム含有(3%)、のど飴① グリチルリン酸二カリウム含有(100μg/mL)、のど飴② 南天実乾燥エキス含有(100μg/mL)、のど飴③ セチルピリジニウム塩化物水和物含有(1μg/mL)、遊離型ビリルビン(20mg/dL)、抱合型ビリルビン(20mg/dL)、ヘモグロビン(500mg/dL)、乳ビ(ホルマジン濁度2000度)、ヒトゲノム(90万コピー/mL)、血液(1%)

<交差反応>
以下の細菌との交差反応は認められなかった。
・他のMycoplasma属
Mycoplasma fermentans, Mycoplasma genitalium, Mycoplasma hominis, Mycoplasma orale, Mycoplasma salivarium
・細菌
Achromobacter xylosoxidans, Acinetobacter baumannii, Acinetobacter lwoffii, Alcaligenes faecalis, Chlamydophila pneumonia, Escherichia coli, Flavobacterium odoratum, Haemophilus influenza, Klebsiella pneumonia, Legionella pneumophila, Moraxella catarrhalis, Pseudomonas aeruginosa, Pseudomonas fluorescens, Pseudomonas stutzeri, Serratia marcescens, Staphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Streptococcus pneumonia, Streptococcus pyogenes, Bordetella pertussis, Corynebacterium diphtheria, Neisseria meningitides

検査法(最新) RT-PCR(Reverse Transcription Polymerase Chain Reaction)法
(全自動遺伝子解析装置 Smart Gene)
2024/05/20 ~ 現 在
臨床参考値(最新) (+)(遺伝子変異:無、あり)または(-)