尿中肺炎球菌莢膜抗原 |
略 称 |
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担当検査室 |
ウイルス( TEL:2496 ) |
至急指定 |
不可 |
時間外 |
あり |
結果報告時間(普通) |
30分 |
結果報告時間(至急) |
- |
検査目的 |
尿中または髄腋中の肺炎球菌莢膜抗原の検出。 |
臨床的意義 |
肺炎球菌は、莢膜を有するグラム陽性双球菌で、肺炎に代表される呼吸器疾患などの起因菌となる菌である。肺炎は、その起因菌から細菌性肺炎と非定型肺炎に分けられるが両者の治療は異なるため、起因菌の検出は重要である。また、呼吸器検体では口腔内常在菌の混入が問題となるのに対し,尿中抗原ではその可能性を否定でき、尿中への病原体抗原の排出は血中抗原の濃縮を意味し診断的意義は高く、本検査は迅速かつ非侵襲的な検査であるため、喀痰採取が困難な患者においても可能である。 |
保険情報 |
適用あり |
オーター情報 |
入力可 |
採取容器名 |
緑栓スピッツ(滅菌スピッツ) |
サンプルの種類 |
尿、髄腋 |
測定日情報 |
<ルーチン時間帯>
・細菌ウイルス検査室で実施
<時間外帯>
・救命救急センター:担当医が検査実施
・病棟:時間外検査室(内線2262)で実施 |
患者準備,採取・提出上の注意 |
・検体量:10mL
・最低必要量:0.5mL
・測定できない検体
血清、喀痰、咽頭ぬぐい液等
膿や血液等で著しく混濁している尿
・採取容器は、白線スピッツも可。
<時間外帯>
救命救急センター:担当医が検査を実施する。オーダーラベルを貼り、結果を記入した救命救急センター迅速検査伝票を検査室に提出してください。
病棟:検査オーダーラベルを貼付した検体を時間外検査室に提出して下さい。
・救命救急センターからの検査キットの持ち出しは禁止です! |
検査上の注意 |
・造影剤や人工輸液などの薬剤の影響により比重が著しく高い検体では、検体の展開が停止し判定不能となることがある。また、著しく混濁している等、金コロイドと凝集しやすい物質が検体中に存在していた場合、滞留による偽陽性が生じる可能性がある。
・無効判定を繰り返す場合や偽陽性を疑う場合は、検体を遠心分離(1,700×g,10 min)し、その上清 90 μL を試料とすることで検査が有効になることがある。
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測定に及ぼす諸因子 |
〈干渉物質〉
1) グルコース( 4,000mg/dL)、アスコルビン酸ナトリウム(1,000mg/dL)、**血清アルブミン(5,000mg/dL)、尿素 (3,000mg/dL)、塩化ナトリウム(3,000mg/dL)塩化カルシウム(110mg/dL)、**ビリルビン F(10mg/dL)、**ビリルビン C(10mg/dL)白血球(106個/mL)、血液(0.5%)について社内で検討した結果、判定結果への影響は認められなかった。
〈交差反応〉
1) 肺炎球菌以外の細菌及び真菌との交差反応性
下記の肺炎球菌以外の菌種(64菌種)を検体として試験するとき、Streptococcus mitisとS. pseudopneumoniae以外は全て陰性となった。(菌濃度:2.0×108 CFU/mL)尚、S. mitisとS. pseudopneumoniaeの交差反応性については<判定上の注意> にて詳細に説明する。
Acinetobacter baumannii、Bacillus subtilis、Bacillus cereus、Bacteroides fragilis、Bordetella bronchiseptica、Candida albicans、Candida glabrata、Candida tropicalis、Chlamydophila pneumoniae、Citrobacter freundii、Enterobacter aerogenes、Enterobacter cloacae、Enterococcus faecalis、Enterococcus faecium、Escherichia coli、Fluoribacter bozemanae、Fluoribacter dumoffii、Fluoribacter gormanii、Fusobacterium nucleatum、Gardnerella vaginalis、Haemophilus influenzae, Type a、Haemophilus influenzae, Type b、Haemophilus influenzae, Type c、Haemophilus influenzae, Type d、Haemophilus influenzae, Type e、Haemophilus influenzae, Type f、Haemophilus parainfluenzae、Klebsiella oxytoca、Klebsiella pneumoniae、Kocuria rhizophila、Lactobacillus casei、Legionella pneumophila、Listeria monocytogenes、Micrococcus lylae、Moraxella catarrhalis、Mycoplasma pneumoniae、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Nocardia asteroides、Pasteurella multocidaProteus mirabilis、Proteus vulgaris、Pseudomonas aeruginosa、Salmonella enterica、Serratia marcescens、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Streptococcus agalactiae、Streptococcus anginosus、Streptococcus constellatus、Streptococcus equi、Streptococcus oralis、Streptococcus salivarius、Group A Streptococci、Group C Streptococci、Group E Streptococci、Group F Streptococci、Group G Streptococci、Streptococcus mutans、Streptococcus mitis、Streptococcus pseudopneumoniae、Streptococcus pyogenes、Streptococcus sanguinis、Tatlockia micdadei
2)ウイルスとの交差反応性
下記のウイルス(13種類)を検体として試験するとき、すべて陰性判定となった。
Adenovirus Type 1(7.8×106 TCID50/mL)、Adenovirus Type 2(7.8×106 TCID50/mL)、Adenovirus Type 3(7.8×107 TCID50/mL)、Coxsackievirus A7(5.0×107 TCID50/mL)、Coxsackievirus B3(4.5×106 TCID50/mL)
Echovirus Type 13(3.2×106 TCID50/mL)、Herpesvirus Type 1(7.0×106 TCID50/mL)、Herpesvirus Type 2(3.0×106 TCID50/mL)、Herpesvirus Type 4(5.0×107 TCID50/mL)、Influenza virus Type A(1.6×106 TCID50/mL)、Influenza virus Type B(1.4×107 TCID50/mL)、Parainfluenza virus Type 1(2.8×106 TCID50/mL)
Rhinovirus Type 8(8.0×106 TCID50/mL)
2) 肺炎球菌莢膜血清型による反応性
肺炎球菌莢膜血清型別の1、2、3、4、5、6A、6B、7C、7F、8、9F、9N、9V、10A、11A、12F、13、14、15A、15B、15C、16、17F、18C、19A、19F、20、22F、23A、23F、24F、28F、29、31、33F、34、35B、35C、35F、36、37、38を検体として試験したとき、全ての血清型で5.0×104CFU/mLで陽性判定となった。
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検体保存情報 |
1) 検体を長期保存する場合は、-20℃以下で凍結保存する(凍結融解の繰り返しは避ける)。
凍結保存した検体を使用する場合、室温にて融解後、よく混和してから測定する。
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その他情報 |
・2006年12月16日より時間外でオーダーリング開始
・2019年7月1日より、時間外帯での病棟依頼は時間外検査室で実施開始(救命救急センターの運用は従来通り) |