被曝量軽減プログラムについて

放射線被曝を低減した血管造影X線診断装置

2012年8月にアジア初となる1号機の低被曝カテ装置(Allura Clarity FD10/10)が導入され、2015年4月には血管造影室全ての装置が低被曝カテ装置に入れ替わりました。

X線診断装置を使用する血管造影検査は、カテーテルを用いて造影剤で血管を描出し診断を行います。経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention: PCI)、末梢血管のInterventionは、この血管造影X線診断装置を使用して血管内治療を行います。また、ペースメーカーやカテーテルアブレションによる不整脈の治療もこの装置を使用して行います。

最良の診断治療を行うためには高画質なイメージが必要となりますが、通常X線による高画質イメージを追求するとX線線量が増加し被曝が問題となっていきます。高画質の追求と被ばくの低減というこの相反する命題に答える新たな低被曝の血管造影X線診断装置が開発されました。

Allura Clarity FD10/10

当院に導入したオランダフィリップス社の新機種(Allura Clarity FDシリーズ)は、高画質をできる限り低いX線線量で行うことを目標とし、従来機種(Allura Xperシステム)と比較して被曝低減を実現しつつ従来の高画質を維持したX線診断装置になります。

被曝低減効果の比較

2012年9月から2015年4月までの期間に冠動脈造影および左室造影検査を行った方で、従来機種(Allura Xperシステム)で撮影した場合と新機種(Allura Clarity FD10/10)で撮影した場合とを比較したところ、新機種(Allura Clarity FD10/10)は平均34%の被曝低減効果を認めました。

治療では検査より多くの被曝を余儀なくされますので、同程度の被曝低減はより大きな意味があると考えられます。