寺井副院長の部屋　後編

ロボット手術による治療の発展に貢献

前回に引き続き、
寺井副院長にお話を伺っていきます。

先生はダヴィンチの導入に関わられていますね？

そうですね、それまでは開腹手術しかなかったんで。
僕は開腹手術で結構有名だったんです。
かなり広い範囲から患者さんが来てたんですよ。
開腹手術はちゃんと名人がやらないとできないね。
若い人が1人前になるまで一緒に入って。
ダヴィンチだったら出血も少ないし、大きく見えるし。
画期的なものですよ。

術後の回復も早いですね。

寺井副院長：

出血が圧倒的に少ないですから。輸血もほぼ100％必要ない。
僕が主任部長辞めて、ここ数年経ちますけどね、
開腹手術はかなり減ってますね。
最近はあんまりないんじゃないかな。
ほとんどロボット手術か腹腔鏡かになってますね。

手術といえば、先生は手術室管理を
担われているとお聞きしました。

寺井副院長：

当院は手術件数が年間12,000件近くもあって日本でもトップクラスなんよ。
外科系各科からの要望も非常に強いし、
予定手術だけでなく、緊急（＋準緊急）手術が
全体の25％くらいあるので、手術センターには
常に大きな負荷がかかっています。

緊急手術が２５％も占めているんですね、驚きました！

寺井副院長：

本来は、需要側（手術希望）と
供給側（麻酔科医、手術センター看護師のマンパワー）の
バランスが取れている状況が最も良いパフォーマンスを
発揮できるはずなんだけど、
残念ながら最近10年くらいは麻酔科医、看護師の数が
十分ではない状態が続いています。
その結果として手術が遅い時間までずれ込んでしまうと、
ますます時間外労働が増えてスタッフが疲弊してしまいます。

厳しい状態が10年も続いているんですね……。

寺井副院長：

僕は副院長になって手術を卒業したので、
外科系各科、麻酔科、看護師それぞれの利害関係から
離れた中立の立場になりました。
その時々に応じて手術枠を調整することで
何とか手術センターを運営してきました。
でも、今後は受動的な調整だけではなく、
高度急性期病院に求められる「救急、がん、手術」の
診療機能を担うフロントとして、病院の戦略的方針として
麻酔科医、看護師の増員および特定看護師による
術中麻酔管理の導入に向けて動く必要性を感じています。

先生のご尽力で手術センターが効率的に運営できているんですね！
当院の役割を考えると、医療を担う人材の確保が
これからもますます必要だとわかりました。

日課は家庭菜園

先生、プライベートの楽しみについて教えてください。

寺井副院長：

普段は野菜作りですね。もう10年になる。
今、家の近くの市民農園の一画を借りていて、20平米くらい。12畳かな。

本格的ですね！広い！

寺井副院長：

五つ畝がありますからね。
半分ずついろんな野菜を植えて、10種類くらい。
いわゆる夏野菜。
トマト、ミニトマト、ナス、きゅうり。
万願寺トウガラシが好きなのでオクラも必ず植えてるし
サツマイモ、ジャガイモ、スナップエンドウも植えてる。

一番育てるが大変だったのは？

寺井副院長：

それなりにみんな知恵がいりますね。
10年間やっているのでインターネットで勉強して
だいぶ上手になったけど気候によって全然ダメな年もありますよね。
今年は暑すぎて夏野菜はぜんぜんダメでした。

この時期（10月初旬）だとだいたい収穫は終わられているんですか。

寺井副院長：

ほとんど終わって冬野菜を植えてるんで。
大根、水菜、春菊、チンゲンサイ、小松菜、根深ネギ。
ブロッコリー、キャベツ、ミニ白菜。

スーパーで買わなくていいですね！
畑は全部ご自身で管理されるんですか？

寺井副院長：

採れる時期はね。
朝四時過ぎに起きて五時前には畑に行って水やりをして
汗をかくのでシャワーを浴びて六時前後に
ここ（倉敷中央病院）に来る。
６：２５になったら15分間ラジオ体操をしてます。
慣れたら強度の高い体操もやりたい。毎日続けています。

毎日の習慣が健康的ですね
料理もお得意なんですか？

寺井副院長：

料理得意ですよ。なんでもします。
煮物は割と得意です。

冬は鍋、焼きナス、ナスの揚げびたし、炒めたり。
畑の野菜はおいしいですよ。農薬は基本的に使わない。
虫にやられて育たないのは捨てて。
野菜にはみんな防虫ネットをかぶせて虫がつかないようにしてます。

寺井副院長、
貴重なお話をありがとうございました。
お部屋がとても充実していて、お話が盛り上がりました！