河本副院長の部屋 前編

河本副院長の部屋 前編

倉敷中央病院副院長 
河本 和幸 先生
・日本外科学会専門医、指導医
・日本消化器外科学会専門医、指導医
・インフェクションコントロールドクター
・日本がん治療認定医機構認定医
・日本食道学会食道外科専門医

出身地:山口県
好きな食べ物:寿司(アナゴ・ウニ)・山菜
趣味:読書・ゴルフ

スポーツに力を入れた日々

河本副院長:
僕は小さいころは山口県岩国市で育ったのですが、
中学校の時はバレーボールをやっていました。
1つ上の学年の代で全国大会に進出していたので、
僕らの代になった時は大変でした。
僕はキャプテンをしていたんです。

それはプレッシャーがありましたね。

河本副院長:
東部と西部の県大会があって何とか決勝まで行ったんですが、
準決勝に勝った時にはもうフラフラで、
時刻は18時ぐらいでしたかね。

河本副院長:
その日は日曜日で、続けて決勝も行う事になって、
会場間を車で移動して19時過ぎから試合が始まったのですが、
負けてしまいましたね。
自分たちは頑張ったと思うのですが、監督が怒ってね。ははは。

河本副院長:
高校は、理数科という少し特殊なクラスにいました。
部活には入らなかったのですが、
僕の通う岩国高校の隣の岩国工業高校に
「走ろう会」というのがあったんです。
日が暮れたころにやっており、
1年の時一緒に走っていたら岩国高校の陸上部の顧問が来て、
何でここで走ってるんだ!って言われて。ははは。

僕は短距離とか走り幅跳びが得意なんですけど。
走り幅跳びは県の大会で3位になったこともあるんです。
それから一緒に走っていた理数科の仲の良い友達2人も
短距離走の大会で上位に入るほど足が速かったんです。
その2人も陸上部には入っていませんでした。

河本副院長:
だから、陸上部の顧問も学年の有望株が入部せず、
隣の高校でなぜか走っているぞってことで怒っていましたね。
走るのは、結構面白かったですよ。

体育祭で、クラス対抗リレーがあって、
うちの学校は予行演習の時に予選をして、体育祭で本番になります。
1年の時は、どうせ負けると思われて、
手続き不足で参加させてもらえなかったんですけど・・・。

150メートルを8人が走るリレーで
足の速い人がリレー後半を担当します。
僕は6番目で、友達の足が速い2人が7、8番でした。

2年、3年の時は走るのが速い子からリレーに選ばれ、
2年連続優勝しました。

医師を目指したきっかけは兄の医学部進学

河本副院長:
兄が医学部に進学したことがきっかけでした。

僕と2つ上の兄は小学校から高校まで同じ学校に通っていました。
兄と同じ大学の医学部に行くと進路が全く同じになるため、
違う大学を受験しようと思いました。

兄の同級生は特に優秀で、京都大学にたくさん進学していました。
僕の家は、夏休みになると兄の友達が集まって来るので、
話を聞いていると京都での生活が楽しそうだと思い、
京都大学医学部に進学しました。

また、叔父が肝臓の病気を患っていたこともあり、
肝臓とか消化器の方に興味を持つようになり外科医になりました。

河本副院長:
勧誘はありましたけどね。耳鼻科や皮膚科とか。
兄は皮膚科医ですので。
しかし、最初から外科医になろうと考えていたので、
あまり迷いはなかったです。

河本副院長:
平成元年です。京都大学医学部附属病院で1年研修して、
そのあと倉敷中央病院に赴任しました。その時は4年間勤務しました。
それから京都大学医学部附属病院に一度戻ったのですが、
再び倉敷中央病院に赴任し、それからずっと働いています。

地域連携の歴史

河本副院長:
昔は連携の意識ってあまりなかったですよね。
紹介された患者さんを診るだけでした。
かかりつけ医に戻っていただいて
併診なんてことはあまりなかったですね。
結果的にそうなっていることはありましたが、
そんなに件数はなかったと思います。

河本副院長:
そうですね。
一部の人がかかりつけ医と大きい病院に両方来ていました。
そこに連携があるかといわれるとなかったですね。
どんな手術をしたのかと問い合わせがあれば答える。
その程度でしたね。

河本副院長:
2008年に倉敷中央病院の外科は、5大がんのうち、 胃がんと大腸がんを
パス適用し始めました。
その時、地域連携パスは浸透していませんでしたので、
かかりつけ医向けの説明会を行いました。
診療報酬が制度化されたのは2010年です。

※がん地域連携パスとは、患者さんが急性期治療から回復期、維持期、在宅療養まで切れ目なく医療を受けられるよう、複数の医療機関が役割分担し、共通の診療計画表(クリティカルパス)を共有する仕組みです。

河本副院長:
そうです。岡山県も共通の地域連携パスを作るとなった時、
倉敷中央病院が運用していた胃がん・大腸がんパスを
そのまま採用するという流れになりました。

河本副院長:
術後の患者さんの経過観察を始めた当初は、
20数件しかありませんでした。
適用者が少なく、地域のかかりつけ医にアンケートを送り、
意見を募りました。

その後、一時期は半分ぐらい適用したのですが、評判が悪かったですね。
というのも、病状が軽度な患者さんは、
倉敷中央病院に半年に一回受診すれば事足ります。ですので、
かかりつけ医に行きたくないと言われるんです。

河本副院長:
また、かかりつけ医は、紹介された患者さんがどんな人かわからない。
一方で、患者さんは、初めての医療機関で勝手がわからず困惑し、
行かなくなる。ということが起こりました。

全部が全部ではないですが、患者さんとかかりつけ医との
信頼関係ができておらずうまくいきませんでした。
だから、信頼関係が確立できて、
本当に必要な患者さんに適応するようにして今に至ります。

当時は、紹介元の医療機関に再度紹介していました。
しかし、紹介元が患者さんの通いやすい病院とは限りません。
例えば、かかりつけ医から検査ができる病院に行くとします。
そこから倉中に紹介されることもあるため、
紹介元とかかりつけ医が異なることがあります。
だから、きちんと相談して決めるという形にすると
うまくいくようになりました。

河本副院長:
やはり、かかりつけ医がある患者さんは両方に通院できるから、
安心感がありますね。

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