沈主任部長の部屋 前編

沈主任部長の部屋 前編

倉敷中央病院
脳神経外科・脳卒中科主任部長
兼 手術センター センター長
沈 正樹 先生

・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会指導医・専門医
・日本脳卒中の外科学会技術指導医

出身地:京都府
好きな食べ物:タン塩・笹かまぼこ
趣味:大谷選手の試合観戦

医師としての原点

沈先生:
出身は京都市です。京都市の嵐山渡月橋をご存知ですか?
そこのすぐ近くです。

風情のある場所ですよね

沈先生:
そう、大変風光明媚なところです。

沈先生:
大学入るときは全然考えてなくて。
おばあちゃんに「お前は医者になれ。」と言われて
育ったのがあったのかもしれませんね。
なんとなくなんていうと申し訳ないですけど、
思えばそれがきっかけだったでしょうか。

沈先生:
そこは明確な理由があって、
大学にはポリクリというのがあるのですが、

※ポリクリ:Poliklinik各診療科を回る臨床実習。

沈先生:
脳神経外科を回った時にかなりカルチャーショックを受けました。
実習のとき、学生気分で参加したのですが、かなり厳しい雰囲気の医局でした。野球選手の大谷さんがよく言われております、ヒリヒリした試合がしたいという感覚と似ていると思います。

沈先生:
そうです。その時、脳外科神経か心臓血管外科をやろうと思いました。
教室の雰囲気を見て、結果的に脳神経外科に決めました。

沈先生:
そうですね。若い頃はみんな若干尖ってるので、
バリバリ学びたいし、厳しい中で腕を磨きたいと考えるものです。
その時の気分にちょうど合っていたと思いますね。
現在はもう辛いと思うような厳しい雰囲気でした。

倉敷中央病院とのつながり

沈先生:
私が脳神経外科医になろうと決めた時、
ビックネームの菊地先生という教授がいて、
その先生の右手、左手といわれるようなすごい先生がおられました。
その片腕が現在の倉敷中央病院の総院長でおられる山形先生で、
もうひとりが小倉記念病院の院長をされていた先生でした。
私が医局に入った時から有名で、手術のすごく上手な先生の代表です。

沈先生:
いいえ、自分が入局したときにちょうど入れ違いで大学を去られて、
本当に交流があるのは倉敷中央病院に来てからになります。

沈先生:
もう伝説の先生なんですよ。
手術を一緒に勉強させてもらえるということで、すごい嬉しかったです。
本当に。

医師として印象に残るエピソード

沈先生:
印象に残っているのはつらいことですね(笑)
患者さんとの関係性が厳しかったことが記憶に残ってきますね。

沈先生:
その通りです。
脳神経外科はとくに厳しいです。

でも、嬉しいこともあって。
手術した患者さんが元気になった後、
その患者さん繋がりで紹介がありますね。
私も倉中が長くなったのでね。
聞いてみると、手術した方の知り合いだったとか。

沈先生:
はい。非常に嬉しいですよね。やりがいです。
倉敷中央リバーサイドの外来で診療しているんですが、
慢性期の患者さんも、知り合いの紹介で
来られることが増えて、ありがたいですね。

地域連携の進化と脳卒中医療の変革

沈先生:
地域連携の取り組みについては倉敷中央病院はすごいですよね。
自分は倉中から一度静岡で勤務し、帰ってきたら、
地域連携がとてもバージョンアップしていました。

例えば、連携医療機関の医療者が直接当院の病棟に来られて
転院予定の患者さん、当院医療者と面会してくれています。
病院間のつながりがとても強くなって、
リハビリをするための転院も早くなりました。

自分が倉敷に戻ってきた頃、脳卒中の患者さんが増えました。
1.5倍くらいになりましたかね。
それでも倉敷中央病院の在院日数が増えませんでした。
一人ひとりの在院日数が増加すると、病床に空きがなくなり、
重症度の高い新たな患者さんを診察できなくなります。

沈先生:
その通りです。連携医療機関にはとても感謝してます。

沈先生:
一つは倉敷中央病院が救命救急センターになったのが2013年です。
ですので翌年も患者さんの数は増えたままです。
あとは、他院の体制が変化した時期とも重なりました。
さらに、2015年に血栓回収療法(※1)という手技が有効だと証明され、
RCT(※2)の結果も良いというのが世界的に広まるなど、
革新的な治療法が出てきたことも全部重なりましたね。

沈先生:
はい。今でもとても忙しいですね。

沈先生:
そうですね。取り入れています。そうした素地もありますね。
脳卒中センターの中でもコア施設といって、
重要拠点として機械的血栓回収を24時間できる施設が
全国で決められています。当院はコア施設になっています。

病院もバックアップしてくれて
どんどん受け入れる体制を作っていただいています。
地域連携で周囲の医療機関もすごい協力的です。それが大きいです。

なかなかないと思います。
いつも助けていただいてます。
脳卒中地域連携パス(※3)も当院が早くにはじめました。
当院のパスを参考に岡山県が利用を始めましたね。

※1)血栓回収療法:脳梗塞の急性期(主に発症から24時間以内)において、脳の太い血管に詰まった血栓を、カテーテルを用いて物理的に除去し、血流を再開させる治療法。

※2)RCT:新薬や治療法の有効性を検証する際、対象者をランダム(無作為)に介入群と対照群に分け、その効果を公平に比較する研究手法。

※3)地域連携パス:患者さんの治療やケアに関わる複数の医療機関・介護機関が、同じ情報を共有しながら一貫した支援を行うための仕組み(共有計画書)のこと。

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