臨床医学研究所 所長ご挨拶

臨床医学研究所 所長
福岡 敏雄
皆様へ
このたび、前所長 松下 睦先生(倉敷中央病院 顧問)の後任として、2025年4月1日付で臨床医学研究所長を拝命いたしました、福岡 敏雄(倉敷中央病院 副院長(院長補佐))でございます。
当研究所の理念は創設者の大原孫三郎の思いを継ぎ、「臨床研究の実践と医療現場の革新の融合」です。2018年の再始動以来、私たちは倉敷中央病院と一体となり、単なる研究機関を超えた、医療現場と直結した臨床研究のパイオニアとして歩んでまいりました。
当研究所の「臨床医学研究開発部」では、国内トップレベルの研究者たちが国の競争的研究費を継続的に獲得し、実臨床から生まれた課題に挑戦しています。その成果は国内外で高く評価され、多くの患者さんの治療に直接貢献しています。
さらに、「医療機器開発部」では、医療現場の生の声を形にすることを目指し、医師と技術者が一体となって革新的な医療機器開発に取り組んでいます。2023年6月には、病院として全国初となる「第2種医療機器製造販売業許可」を取得し、アイデアを実用化する強固な基盤を確立しました。中国・四国経済産業局との戦略的パートナーシップにより、地域医療機器産業の活性化にも貢献しています。
また、データサイエンスの力で医療を変革する「データ利活用推進センター」は、膨大な臨床データから新たな知見を創出し、診療の質向上と業務効率化を実現しています。
私たちは情報セキュリティの国際認証ISO/IEC27001(JISQ27001)を継続取得し、高度なデータガバナンスのもとでの研究を可能にしています。
近年、臨床研究を取り巻く法規制は急速に変化しています。当研究所はその変化を先取りし、常に最高水準のコンプライアンスを維持しています。それは単なる順守ではなく、患者さんの権利を守りながら、医学の進歩を加速させるための礎となっています。
私の新たな任期では、治験・臨床研究におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)をさらに推進するとともに、挑戦と共創を奨励する文化を育み、次世代の医学研究者・データサイエンティストが情熱を持って活躍できる環境を整えてまいります。
倉敷から世界へ—私たちの研究が日本の医療、そして世界の患者さんに貢献できるよう、所員一同、使命感を持って取り組んでまいります。皆様の変わらぬご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。
2025年4月 臨床医学研究所 所長 福岡 敏雄 (倉敷中央病院 副院長(院長補佐))