倉敷中央病院は、手術適応が難しい重症の患者さんを対象に、胸を大きく切開することなく行える治療を行っています。
経カテーテル大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation: TAVI)
経カテーテル大動脈弁置換術( transcatheter aortic valve replacement:TAVR)
MitraClipシステムを用いた経カテーテル僧帽弁クリップ術
大動脈弁狭窄症の患者さんは年々増加しています。加齢により動脈硬化が進行すると、弁そのものの変形や石灰化により大動脈弁の狭窄が進行します。そして、労作での息切れ、失神発作、心不全といった症状が出現した時点で手術の適応となります。経カテーテル大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation: TAVI)は、そのような重症大動脈弁狭窄症の患者さんに対して、カテーテルを使って心臓に弁を留置する新しい治療法です。
これまで慢性の透析患者さんは適応の対象外でしたが、国内の治験で安全性と有効性が示され、2021年2月1日より指定要件を満たした施設での治療が可能となりました。当院も治療実施施設に認定され、慢性の透析患者さんへのTAVIを行っています。
MitraClip治療は僧帽弁閉鎖不全症の治療方法として2003年にヨーロッパで始まり、欧米を中心に6万人以上の治療実績があります。日本でも2017年10月に認可がおり、2018年4月から治療開始となりました。日本では12施設で開始となっていますが、当院はその1つとして中国四国地方で唯一のMitraClipの治療施設となっています。外科手術に比べ安全性が高く、手術の危険が高い患者さんでも治療可能です。