夜間病棟体験 初期臨床研修医が感じたこと
2019年度採用者の気づき・学び
NCU
チーム医療においてコミュニケーションは重要なスキル
今回の夜間病棟体験を通じて理解したことは、看護師の方々は医師よりも患者さんと接する時間が長く、また普段から患者さんの側で様子を観察されている分、カルテ上には出てこない多くの情報を持っているということです。そして常に周りに気を配りつつ正確に業務をこなす姿は共に働くスタッフとしてとても頼もしく感じました。
そういった様子を見学し、我々医師がより良い医療を提供するために何が必要か考えると、患者さんに対してだけではなく、コメディカルのスタッフの方々とも円滑なコミュニケーションを取り、連携をより高めていくことが大切だと感じました。スタッフ間のコミュニケーションが改善されることで、自分では知り得なかった患者さんの情報を得ることができるなどメリットが多く、コミュニケーションとはこれからチーム医療を行っていくうえでとても重要なスキルだと実感しました。
9棟6階(消化器センター)
他職種の都合や状況も考えて行動することが重要
これから自分自身が医師として働く際に、他職種の方々の都合や状況も考えて行動することが重要だと感じました。また、コミュニケーションをとる上で自分の意図しているアセスメント、プランをカルテにしっかりと記載することも重要だと感じました。また、指示を出す際も、夜間はスタッフの数が少なく病棟業務が重なると、どうしても手薄になってしまうので、出来るだけ日中に指示出しを行うよう心掛けることが大切だと学びました。これらのことをこれからの研修では肝に銘じようと思います。
1棟4階西(産科)
患者さんの安心と安全を守る姿
病棟の他の助産師さんにも、自分に余裕があったら他の人をヘルプに行っていたのは医師の私も見習いたいと思いました。帝王切開のオペ出しと迎えに付いて行き、いつもの医師サイドとは違う病棟看護師サイドの視点で手術室に行ったのは新鮮でした。助産師さんは患者さんの不安を取り除くように話をしており、引継ぎもきちんとしており、患者さんの安心と安全が守られているのだと分かりました。医師として私もそのような看護師さんたちに感謝し、リスペクトを持ち、見習えるところは見習って、患者さんにより良い医療を提供できるようになりたいと思いました。
1棟3階西(産婦人科)
他職種をリスペクトして関わる
特に印象的だったのが、ご家族と医師との間で治療方針が一致しなかった際、看護師さんが間に入ってご家族の気持ちを傾聴されていたことです。私は最初、医師的な視点から、ご家族の迷いをどう説得すればよいのだろう、という気持ちで話を聞いておりました。しかし一緒に傾聴しているうちに、その迷いがとても人間的で共感できるものであることに気付き、より近い目線で問題を受け取れるようになりました。ご家族も、看護師さんには一層心を開いてお話されているようでした。後に、顛末を医師が看護師さんに聞いているのを聞き、医療はこのような方々なしには成立しないのだと実感しました。これから私も、この先生のように、他職種の方をリスペクトしながら十分にコミュニケーションを取っていこうと思いました。
3棟8階(整形外科)
看護師さんのように患者さんに寄り添える医師を目指したい
看護師さんのお仕事は患者さんの生活に結びつくことばかりで、学生の時先生に「医師と看護師さんが違うことを言っていれば、たいてい看護師さんの方が正しい」というのを聞いたことがありました。何も分かっていなかった私は半信半疑でしたが、今回の病棟体験で看護師さんの方が医師よりも何倍も何十倍も患者さんに寄り添っているように感じました。私も看護師さんを見習って患者さんに寄り添うことのできる医師を目指したいと思いました。
9棟4階(心臓病センター)
声を掛け合いやすい環境作り・コミュニケーションが大事
多職種カンファレンスに参加させていただき、転倒のリスクや認知機能、患者さんの実際の症状や家族の問題など病棟に長くいて、患者さんと関わっている看護師さんの視点からでしか分からないような問題を出し寄り、チーム全体で共有して意見を出し合い検討がなされていました。医師としてこのような貴重な意見にしっかりと耳を傾け、意見をまとめていくことが今後重要であると感じました。また、そのように意見をお互い出し合っていくためには、お互いに声を掛け合いやすい環境作りや普段からのコミュニケーションをしっかりと取っておくことの重要性を感じました。